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10代のころ想像した恋とは

恋や愛についての一考察シリーズ❶

10代のころポストカードを
友達と交換するのが流行っていた
ポストカードの裏に
詩のような
短いメッセージを
添えて 

物思いにふけったバレリーナの
後ろ姿のポストカードを
友達がくれた

その裏にはこう記してあった
「いつか背中で恋が語れる女性になろう」と

当時、そこにはいつも
ユーミンの音楽があった
歌詞は憧れの
恋の風景だった

背中で恋を語るとは
背中の表情で
喜びや悲しみや
幸せや不幸せを伝えること

まずは背中の開いたドレスを
着なくてはならない

あの時の友達はそんな女性に
なっているのかもしれない


私はというと
背中の開いたドレスは
ついに着れなかった


背中の開いたドレスを着れるほどに
大胆になれなかった私も
いくつかの恋をした

「恋」とは
相手に心を動かされ惹かれること
それは
相手のありのままの姿に惹かれている場合もあれば
自分が思い描く相手のイメージに惹かれている場合もある

前者なのか後者なのかは
実際につきあってみないことには
わからない

「恋」とは
自分のためにするもの

心が揺れ動いて
嬉しくなったり
切なくなったり
悲しくなったりもするけれど
その揺らぎこそが「恋」なのだから


【恋や愛についての一考察シリーズ】