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小説 本好きゆめの冒険譚 第九頁

・・・本当に何もないのだ。

 手の甲を見ても何もない。

「もしかしたら、魔法少女になれたりして?」
 気楽なもんである。

 学校では校長先生の長い話の後にクラス分けがあって、幼稚園の時から友達だった子達数人が同じクラスでホッとした。

 1時間目は、授業ではなく、ホームルーム。
「みんなと仲良くしましょう」と言う催しで、一人一人が自己紹介と得意な事、好きな物とかを発表して、その後学校生活のルールなどの勉強。

 2時間目は、自分の名前を「漢字」で書けるように、練習の時間。
 何で私の名前は「夢想」なんだろう…難しい・・・

 3時間目は道得の時間。と行っても、交通ルールを守りましょうとか、変態が来たらブザーを鳴らして逃げましょうとか、困ってる人がいれば、助けてあげましょう。等の基本的な事を教えて貰った。

 4時間目は、持ち物に名前を書きましょうと先生から「名前シール」を貰って、練習した漢字の名前を書いて貼っていった。

 お昼休み。給食の時間。
「こういう風に、器に同じ料を入れるの」と教えてもらって、明日から当番でやることになった。

 給食のメニューは
・五目焼きそば
・コッペパン
・フルーツヨーグルト
・牛乳パック

・・・美味しそうだけど、家みたいに皆で、おしゃべりしたり笑いながら食べたいなと思っていたら、

「ゆめちゃん、一緒に食べよ!」と幼稚園からの友達からのお誘い。

 机を寄せ、4人で食べる。名前が上手く書けなかっただの、先生が優しそうで良かっただの、中にはおませさんもいるようで、早速、お気に入りの男子を見つけたとかの話で盛り上がった。やっぱり、ご飯は皆んなで食べたほうが美味しい!

 給食を食べ終えたら、校庭に遊びに行く者、教室でヒーローごっこする者、名前を書く練習をしている者と、それぞれに分かれた。

「ゆめちゃん、何処かに行かない?」
「探検に行こう!」
「「「行こう!」」」


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