小説 本好きゆめの冒険譚 第十九頁
私はベッドの上にいる…。
ママがゆっくりと「ちゃんとした桃太郎」の噺をしてくれる…。
むか〜しむかし、ある所に、
お爺さんとお婆さんがいました。
お爺さんは、山に芝刈りに、お婆さんは川に洗濯に行きました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、大きな桃が「どんぶらこ〜どんぶらこ〜」と流れてきました。
お婆さんはお爺さんと一緒に食べようと桃を持って帰り、割ってみると中から男の子が現れました。
お爺さんとお婆さんは、その子供に「桃太郎」と名付け大切に育てて行きました。
桃太郎はスクスクと大きくなり、成人をしたある日、お爺さんと、お婆さんに告げました。
私は鬼退治をする為、鬼ヶ島に行かねばならないと…。
桃太郎が鬼退治に出掛ける朝、お爺さんとお婆さんは、きびだんごが入った袋をくれました。
桃太郎が歩いていると、一匹の犬が「お腹が空いた」と言っていたので、きびだんごを一つあげました。
犬は「どうか、私を家来にしてくださいませ」とお願いをするので、仲間にしてあげました。
次に現れたのが、猿でした。
猿にも、きびだんごを渡すと家来になり、次に会ったキジも、きびだんごを渡すと家来になりました。
鬼が住んでいる「鬼ヶ島」。
皆んなで力を合わせて、退治しました。
鬼ヶ島にあった、金銀財宝を持ってお爺さんとお婆さんの元へと桃太郎は帰りました。
お爺さん、お婆さん、桃太郎、犬、猿、キジは楽しく、暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
ゆめは深い眠りについた…。