錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編第 22章 ショーバェ編 2207.ショーバェ研究室のリフォーム
私は、ショーバェの要望に応えるために、研究用の部屋を作ることを考えた。間違えて、ベネーノマが外部に出ないように、結界を2重に張ることにした。
それから、防護服を作ることにした。最後に、培養用の箱を用意することにした。
これらの準備が出来たときに、ショーバェの部屋まで、転移魔法で移動した。
「ショーバェ、こんにちは。やっと、用意ができたよ。」
「ムーンさん、ありがとう。こんなに早いとは思ってもいなかったです。」
私は、これまでの部屋の下に新たに部屋を作り、そこを闇魔法の2重の結界でベネーノマが逃げ出さないようにした。
次に、部屋の中に、実験用の小部屋と防護服を着るための小部屋と培養の箱を作り、これらも、部屋と同様の結界で、覆った。
最後に、防護服を3着作った。
「ショーバェ、これで、実験が続けていけると思うよ。」
「見えない生き物が、外に出て行かないように、できるのですね。」
「それに、その服を着て作業して居れば、自分自身を守ることができるよ。」
私は、防護服の使い方や、部屋の利用方法を説明した。そして、防護服を着るための部屋は、火魔法で、ウィルスを滅菌することが出来る様にスイッチを付けておいた。
「わかりました。それでは、実験を行っていきます。」
「助手を複数、雇っておいた方がいいよ。心当たりは、いないのかい?」
「そうですね。助手ではないのですが、研究報告をしているリンドウに手伝って欲しいです。」
「それは、いいが、リンドウは、どんな研究をしているんだい。」
「リンドウは、イプセの研究をしています。これは、内容が、よく分からないので、教えて貰いたいのです。」
「わかった。交渉してみよう。ただ、一人で実験を行うのは、危険だから、助手を2人つけることにするよ。いいかな?」
私は、思念伝達で、リンダに連絡を取り、優秀な助手を2人、至急手配してもらうように依頼した。それと、リンドウに研究支援の申し出をしておいて貰った。
「はい、お任せします。それでは、助手が来たら、実験を開始するということで、お願いするね。」
「わかりました。それまでに、書類等を整理しておきます。」
私は、ショーバェに別れを告げて、ミューの部屋に転移魔法で移動した。
「やあ、ミュー。」
「いい所に、来たわね。明日の昼食を一緒に取ることになったわ。」
「そうか、いよいよだね。ところで、カネーダは、どんな人物なんだ。」
「ムーンは、知らなかったの? 色ボケの年寄りよ。それに、金に目がないの。」
「そうか。それなら、簡単に落とせそうだね。」
「私が付いているもの、失敗はないわ。」
「ミューには、何か、褒美をあげないといけないね。何がいいかな?」
「そうね。お金は、好きなでけ使えているから、ムーンでいいわ。」
「えっ、僕かい。」
「そうよ。1週間でいいわ。私の好きなようにさせて、欲しい。」
「1週間は、長いよ。3日で、我慢してくれないか。」
「仕方ないわね。商談が終わってから、3日よ。いいわね。」
「分かった。身体を空けておくよ。」
「今日は、前払いをしてね。おまけでね。」
「わかったよ。ミューの好きにしたらいいよ。」
私は、ミューのラベンダの匂いを楽しみながら、ミューの好きにさせてあげた。今日一日は、眠らせないつもりの様だ。
翌日のカネーダとの商談もうまく行き、ミューに褒美をあげた。
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リンダから、思念伝達で、連絡が来た。
「ムーン、リンダよ。先日の依頼だけど、助手は、既に手配して、ショーバェの所に送ったよ。それから、リンドウは、一度、会って話を聞きたいと言って来たわ。どうする?」
「そうだね。僕と一緒に行ってくれるかな?」
「いいわよ。いつ行くの?」
「家は、どこなの?」
「ブューラナに済んでいるので、本店から、近いよ。」
「いつでもいいのかな?」
「いつでも、いいって言っているわ。」
「それじゃ、これから、行こう。いいかな。」
「それじゃ、待って居るね。」
私は、転移魔法でリンダの居る本店に移動した。
「お待たせ。それじゃ、行こうか。」
「わかったわ。」
私は、リンダを急かして、リンドウの家に向かった。本店から、歩いて30分ぐらいの場所で、そんなに遠くはないが、今後の事を考えて、リンドウの家の裏手に転移魔法用の魔法陣を描いておいた。当然、闇魔法の結界で、隠しておいた。
「コン、コン、コン。こんにちは。ムーンと言います。リンドウさんをお願い致します。」
「はい、少し、待ってください。」
10分待った。でも、誰も出てこない。確かに、待ってくださいって、言っていたよね。
仕方がないので、私は、スキル探索で、家の中を調べた。すると、家の中には、リンドウが一人いるだけだった。それも、地下室にいる。玄関に来る気配は、全くない。
私は、家のドアのノブを回してみた。すると、ドアは、簡単に開いた。
「リンダ、待って居ても来ないから、入って行こう。」
「えっ、ムーン。ちょっと、不味いよ。」
「まぁ、いいじゃないか。」
私は、家の中に入り、地下室の降りて行った。リンダも、周りを見渡しながら、私の後に続いた。
「ここだね。」
私は、地下室のドアを開けて、中に入っていった。
「失礼します。ムーンと言います。」
「あぁ、リンドウです。ちょっと、待って下さいね。」
言葉だけで、一向に作業を止めようとしない。リンドウは、小柄な人間族の女性で、20才ぐらいに見える。でも、研究者は、若く見えるらしいので、もしかしたら、もっと、上かもしれない。
「実験に集中している所、申し訳ありません。」
私は、リンドウの返事を待たずに、私の申し出の利点を延々と述べて行った。何とか、納得して貰えたようだ。
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