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錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編 第28章 魔大陸編 2811.魔王軍の四天王

 マリーから、思念伝達で、連絡が入った。

 「テラjr、マリーです」

 「どうした?」

 「魔物との膠着状態が解けました。竜人族が、進撃を開始しています。竜人は、空を飛び、戦闘用手榴弾を魔物の群れに投下しています」

 「分かった。引き続き、監視を頼む。但し、前線に出る必要はないぞ!」

 「はい、了解しました」

 私は、マリーとの思念伝達を切って、城の中の隅に転移魔法用の魔法陣を描き、それを闇魔法でシールドして、隠した。スキル探索で、近辺の状況を把握することにした。特に、強い魔物はいないようだ。ただ、魔物が増加している場所がある。今いる城のような建物ではなく、遺跡のような感じだ。では、転移用の魔法陣が描かれている場所かも知れない。私のスキル探知では、魔王軍の四天王の存在がつかめない。それは、同じ空間に居ないからかもしれない。転移用の魔法陣で、この場所に遣って来た様に、更に転移していかないといけないのかもしれない。

 私は、シロッコス達のデーモン・シールドのメンバーを待機させたまま、その遺跡風の場所に急いで向かった。

 「スピア、急いで!」

 「うん。急ぐ」

 スピアは、全速力で、遺跡風の場所に向かった。途中で、魔物の群れに遭遇したが、私の範囲魔法で、倒しながら、進んで行った。特に、魔物の群れによって、スピアのスピードが落ちることはなかった。

 一気に、予定した場所に到着した。建物の入り口からは、魔物が溢れ出ている。

 「火壁ファイア・ウォール風嵐ウィンド・ストーム

 目の前の魔物をすべて、狩りつくして、更に奥に進んで行った。すると、転移用の魔法陣から、魔物の大群が湧き出ていた。どうも、他の場所と継続的に繋がっているようだ。転移魔法ではないく、空間を接続しているようだ。私達は、一度外に出て、転移魔法用の魔法陣を描き、それを闇魔法でシールドして隠した。それから、再び、建物の中に入って行った。

 私は、魔物が湧き出ている所が、他と繋がっていることを確認するために、その中に戦闘用手榴弾を数個放り込んだ。すると、暫く、魔物が湧き出てくるのが止まった。しかし、また、直ぐに、魔物が湧き出て来た。

 次に、今度は、戦闘用手榴弾の代わりに、魔法で、見えない空間を攻撃した。

 「火壁ファイア・ウォール風嵐ウィンド・ストーム

 先ほどより、長い間、魔物が出てくるのが止まった。しかし、数分経つとまた、魔物が出て来た。

 
 「火壁ファイア・ウォール風嵐ウィンド・ストーム
 「火壁ファイア・ウォール風嵐ウィンド・ストーム
 「火壁ファイア・ウォール風嵐ウィンド・ストーム

 連続して、魔法攻撃を仕掛けて、スピアと共に、飛び込んだ。

 飛び出した場所には、魔物の大群が、私達を取り囲むように並んでいた。私は、土魔法で、出入口を大きく包み込むドームを作り、その中の魔物を範囲攻撃で、狩りつくした。

 それから、土魔法で造ったドームを闇魔法でシールドして強化した。暫く、様子を見ていたが、魔物は、私が作ったドームを壊すことができないようだ。

 私は、地面の下に地下室を作り、その入り口を闇魔法でシールドして、中に入った。そして、そこに転移魔法用の魔法陣を描き、シロッコスに思念伝達で、連絡を取った。

 「シロッコス、テラjrだ」

 「無事でしたか? 暫く、連絡がなかったので、心配しておりました」

 「今、私は、次の階層と言える場所に来ている」

 「そこは、ダンジョンの中ですか?」

 「そうではないが、どうも、転移魔法で、他の場所に移動しているのではないようだ。そして、他の場所へは、階段を下りるように、移動して行けるようだ。そして、魔力を流し込む必要もないようだ」

 「それで、魔王軍の四天王は、現れましたか?」

 「まだ、遭遇していない。一度、そちらに戻る。待機しておいてくれ」

 「はい」

 私は、転移魔法で、デーモン・シールドのいる場所まで、移動した。

 「「お帰り!」」

 「待たせたな」
 
 「いいえ、それほどの時間は経っていません」

 サーキが、私に答えた。

 「いよいよ、進撃ですね」

 ライオスが、待ってましたとばかり、前に出て来た。

 「そうだ。一気に進撃して、四天王の一人でも倒そう」

 「「はい」」

 皆も、待ちかねていたようだ。私達パーティは、一つ次の層のような場所に転移魔法で、移動した。私が作った、地下室の中の空間にデーモン・シールドのメンバーが現れた。

 私は、スキル探索で、付近の魔物の様子を調べた。移動する前と変化がないようだ。ドームは、魔物に取り囲まれている。少し離れた場所には、それほど、魔物がいないようなので、そこまで、地下道を作って、移動することにした。無駄な体力を消耗しないように。

 私が先頭で、土魔法で、地下道を作りながら、闇魔法でシールドしていった。暫く、すると、魔物があまりいない場所の下に到達した。そこで、縦に地下道を掘り、階段を作り、地上との入口を設置した。

 ます、スピアに外に出て貰い、万が一に備えて、待機して貰った。それから、ライオス、レオナルド、アロンに外に出て貰い。シロッコス、アオイ、ビーラン、サーキ、そして、私が、外に出た。

 私は、スキル探索で、周囲を調べたが、特に強い魔物は、いないようだ。次の層への入り口は、直ぐにわかった。そこから、魔物が溢れ出ているからだ。

 素早く移動したいので、デーモン・シールドの皆には、また、待機して貰い、スピアと私で、先に移動することにした。

 「同じような層が続いているようなので、先に、スピアと私で、移動していくよ。皆は、少しだけ、待って居て」

 「はい、分りました」

 私は、スピアの背に乗り、素早く次の層に移動した。今度は、邪魔な魔物を倒すだけで、いくつかの層をくぐり抜けて行った。5つほどの層をくぐったときだった。少し、強い魔力を感知した。おそらく、魔王軍の四天王の一人だろう。そこで、少し、離れた場所に地下室を作り、床に転移用の魔法陣を描き、デーモン・シールドの居る所まで、転移魔法で移動した。

 「お待たせ」

 「いよいよですね」

 「そうだね。無理をせずに」

 「「はい」」

 私達は、転移魔法で、魔王軍の四天王がいると思われる層に、移動した。どのような敵か分からないので、気を引き締めるように、皆に声を掛けた。

 「さあ、準備はいいか。これからが、本番だ!」

 「「はい、いつでもOK」」 

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