錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編 第28章 魔大陸編 2819.新たな情報
私達は、もう一度、光の魔人を攻撃することにした。
前回、私は光の魔人のスキル魅了によって、思考力を失ったが、今度は、大丈夫だ。と言うのも、私は一度掛かった魔法やスキルを学習することが出来る。一種の耐性のような物だ、そのため、今度は、以前のようなミスは侵さないつもりだ。
そして、スピアは、従魔なので、チャームに対する耐性がある。つまり、私とスピアで、光の魔人を捕らえることが可能だ。
今回は、Aチームは、私とスピアの2人だけで、他の者は、全員がBチームになった。そして、Aチームがが先行して、光の魔人を捕らえる。Bチームは、もう一人の魔人に対応する。
まずは、前回と同様に私の土魔法で、光の魔人を狭い空間の中に閉じ込める。それから、私とスピアで、拘束する予定だ。
私は、スキル探索で、魔人の動向を調べて見た。すると、私の予想に反して、すべての魔人・魔物が一カ所に固まっていた。
どうやら、二人の魔人を分断して戦うつもりだったが、相手は、それを避けているようだ。当初の予定とは違ったが、このまま、攻撃を開始することにした。
私は、スペアの背に乗って、光の魔人の光の魔人の前に素早く移動した。そして、光の魔人の姿を確認すると直ちに土魔法で、ドームを構築した。それは、光の魔人を中心として、自分を含む大きな物だった。当然、そのドームの中には、私とスペアと光の魔人以外にも、多くの魔物が存在した。しかし、偶然にも、もう一人の魔人を取り込まなくて済んだようだ。
結果的には、2人の魔人を分断することに成功したわけだ。私は、直ぐに、火魔法の範囲攻撃で、残っている魔物の殲滅を始めた。
「火壁」
「火壁」
ドームの中のすべての魔物が倒れるまで、これを繰り返した。
光の魔人も反撃を開始した。
「光矢」
上空から、無数の光の矢が降り注がれた。しかし、私は、既に光魔法で、バリアーを私とスピアの身体の周りに張り巡らせていた。お陰で、私達は、無傷でやり過ごすことが出来た。
「スキル魅了、ファシネイト」
急に光の魔人の身体の周りに妖しげな炎が生じ、波のように振動しながら、光の様に、素早く、私達に到達した。しかし、今回は、私達には、全く効果がなかった。
「何、これもダメなのか!」
「お前の攻撃は、すべて、無駄だ。降伏しろ!」
「これでも、我は魔王の四天王の一人。降伏など、出来ぬ」
「ならば、仕方がない」
私は、土魔法で、光の魔人を拘束した。そして、学習したスキル魅了を使ってみた。
「スキル魅了、ファシネイト」
当たり前のことだが、光の魔人には、効果がなかった。仕方がないので、闇魔法のバリアで、光の魔人の身体全体を包み込んだ。これによって、光の魔人の魔法をすべて吸収して無効化することが出来た。しかし、闇魔法のバリアでは、スキル魅了は防ぐことができない。そこで、光の魔人を土魔法で造った箱の中に閉じ込めて、我々を目視出来ないようにした。それにより、光の魔人のスキル魅了の効果が半減するようにした。
光の魔人を拘束した私達は、土魔法で造ったドームを破壊して、Bチームと合流することにした。
私は、ドームを破壊してから、思念伝達で、シロッコスに連絡を取った。
「シロッコス、こっちは、捕らえることが出来た。そっちは、どうだ!」
「テラjr、こちらは、まだ、魔物を倒すのに手が取られて、魔人を攻撃出来ていません」
「分かった。直ぐに、そちらに行く」
私は、光の魔人を転移魔法で、私達が休息していた場所に移動した。
それからは、一気に形勢が決した。私の範囲魔法で、魔人の周りの魔物を排除し、残った魔人一人を我々のパーティが交代で、攻撃を開始した。暫くすると、魔人の魔力が枯渇した。
遂に、2人の魔人を捕らえて、拘束することが出来た。光の魔人から情報を得るのは困難なので、第3の魔人にスキル魅了を使って、思い通りの情報を得ることができた。
得られた情報は、他の魔人(四天王)のことと、魔王に関する物だった。まだ出会っていない残りの魔人は3人で、そうの内の一人は、四天王だが、残りの2人の魔人は、四天王の上位にあたる魔王の右腕と左腕だった。
そして、魔王に関する情報としては、未だに完全に復活しておらず、その為、多くのことをこの2人の魔人に依存しているということだった。
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