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錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編第 22章 ショーバェ編 2206.ベルーナとの再会?

 私は、ソーロン帝国の街リーベンにあるテラ・ワールドの支店に転移魔法で移動した。それから、商業ギルドの中に入っていった。

 「すみません。セーロンは、いませんか?」

 「はい。私が、セーロンですが、どなたでしょうか?」

 「初めまして、私は、テラ・ワールドの従業員で、ムーンと言います。以前、お世話になったテラの後継者です。よろしく、お願いいたします。」

 「あぁ、テラさんの後継者ですか? それで、テラさんは、お元気ですか?」

 「いえ、先日、亡くなりました。」

 「そうですか、それは、失礼しました。今回は、どのような御用ですか?」

 「この街で、商店を経営しているアキーラと言う人を知っていますか?」

 「もちろん、知っています。この街一の商店ですから。」

 「以前、テラがご一緒させて貰ったことがあったらしいのですが、一度も、店にお邪魔することがなかったと聞いています。そこで、私が、テラに代わって、お店を訪問したいと思ったのです。」

 「そうですか。分かりました。店は、この近くです。ご案内します。」

 私は、セーロンに連れられて、アキーラの店までやって来た。

 「ここが、アキーラの商店です。それでは、私は、ここで、失礼します。また、何かあれば、商業ギルドまで、寄ってください。」

 「セーロン、ありがとう。また、寄ります。」

 私は、セーロンと別れて、アキーラの店に入っていった。

 「私は、ヘノイ王国のブューラナという商業都市から来ました。商人のムーンと言います。以前、テラと面識があったと聞き、やってきました。」

 「私が、アキーラです。テラ殿には、お世話になりました。私達の命の恩人です。ところで、テラ殿は、どちらに?」

 「いえ、今回は、来ていません。実は、先日、テラが亡くなりました。そこで、テラに代わり、私がこちらに来させて貰ったのです。」

 「そうですか。テラ殿が、亡くなったとは。惜しい人を失くしましたね。」

 「そうですね。私は、テラの後を継いで、今、テラ・ワールドの経営をしています。」

 「そうですか。あのテラ・ワールドの経営ですか。大変ですね。全世界的な店の切り盛りは。」

 私は、アキーラにこの街で商売をやりたいと、そして、そのアドバイスを貰いたいとお願いをした。すると、アキーラは、快く、受けてくれた。

 私は、もう一度、商業ギルドのセーロンに会いに行った。

 「すみません。アキーラに会ってきました。どうも、ありがとうございました。」

 「そうですか。テラも、喜んでいることでしょうね。」

 「はい、そう思います。ところで、もう一つ、お願いがあるのですが、いいでしょうか。」

 「はい、何でしょうか。」

 「こちらの街にある基地におられるベルーナさんにお会いしたいのです。以前、テラが取引をしていたと聞いています。そこで、私も、テラ同様に取引をしたいと考えております。」

 「そうですね。あの時は、私どもも、取引に参加させていただきました。」

 「ちょっと、お待ちください。」
 
 セーロンは、慣れた手つきで、遠隔通話器テレ・ボイスを操作している。

「すみません。ソーロン帝国の街リーベンに居られるベルーナ中将に繋いでください。」

「わかりました。私は、商業ギルドのセーロンと言います。『連絡を、お待ちしています。』とお伝えください。」

 「今は、基地におられない様です。私の方に、連絡が入ることになっています。ムーンさんには、どのように連絡したらいいですか?」

 「私が、ベルーナ中将の所へ会いに行きます。そこで、場所と日時を決めておいてください。また、ここへ、私から、連絡を入れます。遠隔通話器テレ・ボイスで、よろしいですか?」

 「それで結構です。お待ちしております。」

 私は、商業ギルドを出て、裏手に回ってから、転移魔法で新しい秘密の屋敷に移動した。

 「ミュー、順調かな?」

 「あぁ、あれのことね。もう、いつでも大丈夫よ。」

 「それじゃ、早速、紹介して貰おうかな?」

 「構わないけど、ムーンの事をどう言って紹介するの?
 まさか、私の恋人では、不味いよね。」

 「そうだね。ミューのパトロンの一人では、どうかな?」

 「そうね。パトロンで、いいと思うわ。実際に、色々と買ってもらっているしね。満更、嘘ではないわね。」

 私は、ミューに、カネーダに紹介してもらうことになった。実際に会うのは、1週間先になった。もっと、早く会って、片づけておきたかったが、仕方がない。暫く、我慢して、待つことにした。

 もう一つ、気になったことがあったので、ショーバェに思念伝達で、連絡を取った。

 「ショーバェ、ムーンだけど、調査の方は、どうかな?」

 「はい、順調に進んでいます。漸く、魔法顕微鏡にも慣れて、研究内容の検証も少しずつ進んでいます。」

 「ありがとう。何か、必要な物は、無いかな?」

 「ひとつ、お願いがあります。」

 「何でも、言ってくれ。」

 「そろそれ、実際の生物を扱っていきたいのですが、病気に原因に成る物ですので、かなり、危険です。そこで、何か、リスクを減らす方法がないか、ご存じないですか?」

 「そうですね。2つあります。一つは、危険な病気にならないように、薬を用意しておく。もう一つは、病気にならないように、その生物が自由に移動できないようにする。」

 「そうですね。できれば、両方を行いたいですが、薬の方は、直ぐには難しいので、自由に動けないようにしたいですね。」

 「分かった。暫く、待ってくれ。用意が出来たら、連絡するので、それまで、危険な実験は、行わないようにしてくれ。」

 「はい、分かりました。」

 私は、急いで、準備を始めた。まあ、1週間あるので、時間つぶしには、ちょうど、良かった。

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