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錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編 第28章 魔大陸編 2825.続・戦士を求めて
ルーン文字の特殊な文字の一つは8の字が横たわったような記号で、インフィニットと呼ばれるもののようだ。
最初、勇者という者を特定するためのルーン文字だと思われたが、どうも、違うようだ。聖剣を使うのに大量の魔力を必要としており、それを有していない者は、一気に魔力を吸い取られ死んでしまう。それを回避するための物だった。だから、不用意に触って死なないようにしていたのだ。
ムーンやテラjrとしての私には、聖剣を使うにあたり問題ないほどの魔力を持っていたということだ。ガーベラやその他の者には、それほどの魔力がなかったので、触れることが出来なかったようだ。
あと2つの特殊なルーン文字についても、解析を行っているが、なかなか思うようには進んでいない。だが、その記号を真似て、武器や道具に埋め込むことは出来そうだ。でも、形を真似ているだけで、本当に効果がでるのかは、定かではない。
ルーン文字については、ヒマリ先生やサンドールに任せることにして、私はラーンスからの連絡を待つことにした。
暫くして、ラーンスから、思念伝達で連絡が入った。応援が必要と言うことなので、私はハプーンの背に乗って、急いで、ラーンスの居る場所まで移動した。
「ラーンス、どんな様子だ?」
「グリーン・ドラゴンは、動きが速く、雷を絶えず放つので、一人では対応しにくいです」
「そうか。素早い動きを止めればいいのだな?」
「はい、そうです」
私は、闇魔法のバリアで、ラーンスとハプーンの身体を包み、雷への耐性を高めておいた。
「それじゃ、私がグリーン・ドラゴンの動きを止めるので、ラーンスとハプーンは、攻撃を開始してくれ」
「「はい」」
私は、土魔法で、高い壁を創り、グリーン・ドラゴンの動きを制限させていった。その後、それぞれの壁を繋ぎ、一定の範囲にグリーン・ドラゴンを留め置くことが出来た。その時を逃さず、ラーンスとハプーンの攻撃が開始された。普通では跳ね返されるような硬い鱗ではあるが、2人に掛かっては、耐えきれずに剥がれ落ちて行った。
ついに、グリーン・ドラゴンを倒して、その魔石を鱗を手に入れることができた。
「ラーンス、ハプーン、よくやった。それじゃ、帰ろうか」
「「はい」」
私は、ハプーンの背に乗って、3人で、急いでテラjrの居る所へ移動した。
「テラjr、これで、3つのドラゴンの魔石と鱗が揃ったね」
「最後のシルバ・ドラゴンを倒して、その魔石と鱗が欲しかったけどね」
テラjrは、少し残念そうだったが、全く情報が得られないので、仕方がない。
テラjrとサンドールは、オリハルコンに3種類のドラゴンの魔石と鱗を混ぜて、聖剣などを作ることにしたようだった。
シルバー・ドラゴンは、存在が不明だったので仕方がないだろう。
ヒマリ先生の調べた所では、聖剣・聖盾・聖防具に刻まれているルーン文字の内5文字は、共通で、その効果は、武器や道具の機能を強化する物だということだ。それらは、特に特殊な物ではなく、他の武器でも良く用いられている物らしい。
しかし、残りの3つの特殊なルーン文字は少しずつ異なっていた。ベースの形は同じだが、僅かではあるが変形が施されていた。その変形がどのように作用するのかを調べる時間は、おそらくないだろう。サンドールは、真似て作る事だけで精一杯だった。
取り敢えず、一組の模造品が完成した。それが十分な効力を発揮するのかは、使ってみないとわからない。出来上がった模造品をムーンである私が身に着けることにした。本物は、テラjrに使って貰うことにした。
テラjrは、生身の身体なので、最高の物を身に着けて欲しかった。ムーンとしての私は、微妙だが、親のような感じで、テラjrに接している。本当は、私もテラjrも同じなのだけど。
取り敢えず、準備が出来たので、勇者パーティのメンバーに思念伝達で連絡を取った。レオナルド、アロン、ライオス、シロッコスは、すぐさま、参加するとの返事だった。
次に、アオイ、サーキ、ビーランに連絡を取ることにした。
「アオイ先生、準備が出来たので、再度討伐に参加して貰えませんか?」
「既に、シルバ学院長やヒマリ先生から聞いているよ。新しく聖剣を作ったって?」
「そのつもりでしたが、似たような物しか作れませんでした。本当に、効果があるのか、わかりません」
「そうか。それは、残念だね。でも、模造品でも、国宝級であることには間違いがないよ」
「そう言って貰えれば、嬉しいです」
「そうそう、討伐には、もちろん参加させて貰うよ。どれだけ、役に立つかわ分からないけど、よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
何とか、アオイ先生にも、了解を貰えた。本当は、サーキとビーランには、参加して欲しくはないのだけど、白魔法が使える者がいないので、仕方がない。でも、今回は、危険な事は、出来るだけ避けたい。一人も、失いたくはない。その気持ちは言わずに、サーキとビーランにも、参加して貰うことになった。
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