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錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編 第27章 ソーロン帝国の秘密編 2705.光魔法治療学院(1)

 私は、サルビアに新しい学院の学院長として、働いて貰おうと考えている。今の所、学院の名前は、「光魔法治療学院」としようと思っているが、サルビアに任せるつもりだ。なんなら、「サルビア学院」でも構わないと思っている。

 私は、リンダの居るテラ・ワールドの本店に転移魔法で、移動した。

 「リンダ、お早う」

 「あら、久しぶり」

 「今日は、リンダに頼みがあって来たんだ」

 「何? ムーンの頼みなら、何でも聴くわよ」

 「ありがとう。実は、新しい学校を創ろうと思っているんだ」

 「魔法学院では、だめなの?」

 「そうだね。新規に作る方が、国民に対して、アピールになると思っているんだ」

 「まあ、いいわ。それで、私は、何をしたらいいの?」

 「学校を作るのに適した土地を探して欲しいんだ。宿泊できるような施設をつくるので、魔法学院ほどの広さが欲しい。そして、貴族のエリアに隣接している場所を確保して欲しい」

 「いいわよ。早速、探すわ」

 「それから、もう一つお願いがあるんだ」

 リンダは、私の腰に手を回して、耳元で、囁くように返事をした。

 「ムーン、何でも言ってね」

 私も、リンダを抱き返して、囁いた。

 「神殿から、優秀な光魔法が使える者を引き抜きたい」

 リンダは、私を突き放して、驚いたような顔をした。

 「ムーン、本気なの?」

 「本気だよ。だめかい?」

 「神殿に敵対することになるわよ」

 「分かっているよ。できれば、神殿を潰したいぐらいなんだ」

 「神殿長のカミーリは、買収済みよ。何でも、こちらの思い通りになるのに、何故、敢えて敵対するの」

 私は、リンダを抱き寄せて、軽くキスをした。

 「迷惑かな?」

 「私が動くより、他の人の方がいいわ。そうでないと、テラ・ワールドが敵対することになるから」

 「確かに、そうだね」

 「分かってくれた?」

 「それじゃ、土地の件だけ、お願いね」

 「はい」

 リンダは、安心して、私に抱き付いてきた。少し、甘えたいようだ。私も、リンダに合わせて、暫く付き合った。

 私達は、昼食を食べ終わってから、別れた。リンダは、土地を調べに本店の資料を見に行った。私は、新しい学校の教師を探すために、シルバに会いに、転移魔法で、魔法学院に移動した。

 シルバ学院長は、部屋にいるようだ。私は、部屋の扉をノックして、中に入って行った。

 「シルバ、今、忙しい?」

 「あら、ムーン。大丈夫よ」

 「少し、お願いがあるんだが、いいかな?」

 「何? 改まって、お願いなんて」

 「実は、新しい学校を作るつもりなんだ」

 私は、光魔法治療学院の説明をして、シルバにその必要性について、納得してもらった。

 「光魔法が使える教師ね。何人ぐらいいるの?」

 「できれば、多い方がいいけど、少なくとも3人は、必要かな?」

 「そうね。いないことはないけど、優秀でないとだめ?」

 「いいや、光魔法のレベルは、低くてもいいよ。それより、若い方がいいね」

 「分かったわ。それなら、卒業予定の生徒を説得するわ」

 「それは、いいね。卒業してから、正式に働いて貰うことにして、学生の間は、アルバイトでいいよ」

 「それなら、直ぐに、集められるわ。3人より多くてもいいの?」

 「多い方がいいよ。別に10人になっても、構わないよ」

 「それじゃ、集まったら、思念伝達で、連絡をするね」

 「ありがとう」

 私は、シルバ学院長の部屋を出て、サルビアに会いに転移魔法で、彼女の屋敷に移動した。それから、サルビアに思念伝達で、連絡を取った。

 「サルビア、ムーンだけど、今、いいかな?」

 「えぇ、大丈夫よ」

 「今、下にいるんだ」

 「それなら、私の部屋だ話しましょう。上がって来てね」

 「分かった」

 私は、サルビアの部屋に移動した。そして、今日の出来事を説明した。

 「分かったわ。いつでも学院に移動できるように、こちらの仕事を整理しておくね」

 「ありがとう。それから、お願いがあるんだけど、新しい学校の学院長を引き受けて貰えないかな」

 「えっ、私が?」

 「サルビアが、適任だと思っているんだ。私は、他の事もあって、常駐することができない」

 「最初だけよ。出来るだけ早く、誰か、見つけてね。私は、医師として、患者を診ていたいの」

 「そうか。分かったよ。申し訳ないけど、暫くは、学院長として、名前を使わせて貰うよ」
 
 「いいわ」

 私はサルビアの部屋を出て、カタリナの城に転移魔法で、移動した。リンダやシルバからの連絡を待つ間、カタリナと遊ぼうと思った。

 「カタリナ、今日は、何か、予定はある?」

 「特にないわ」

 「それなら、一緒に、街に行かないか?」 

 「いいわ。用意するから、待って居てね」

 私は、1階に行き、応接室で、お茶を頼んだ。そして、思念伝達で、マリーに連絡を取った。

 「マリー、ムーンだ」

 「はい、何でしょうか?」

 「神殿に忍び込んで、光魔法が扱える若い神官を調べて欲しい」

 「どのような事を調べるのでしょうか?」

 「年齢、性別、魔力量、神殿での働き、不満、欲望などだ」

 「分かりました。部下に任せてもよろしいでしょうか?」

 「構わないが、優秀な者に頼む。調べていることが知られないようにしてくれ」

 「了解しました」

 これで、神殿から、若い優秀な光魔法の神官を引き抜けるだろう。それも、マリーに任せても良かったかな?

 まあ、リストができてから、考えることにしよう。

 暫くして、カタリナの用意が出来たようなので、私達は、馬車に乗って、街に、出かけて行った。

 そして、二人で、1日、楽しむことが出来た。カタリナとも、本当の夫婦のように振舞えるようになった。

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