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錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編 第28章 魔大陸編 2824.未知のルーン文字

 シルバから、思念伝達で連絡が入った。

 「テラjr、頼まれていた情報が、少し分かったわ」

 「思ったより、早かったね」

 「ルーン文字については、専門に研究している人がいたの。テラjrも知っているのじゃないかな?」

 「誰ですか?」

 テラの記憶も持っている私だけど、思い当たる人物はいない。一体、誰の事だろう。

 「ヒマリ先生よ。土魔法の授業を持っているの。それだけでなく、個人的にルーン文字の研究をしていたのよ」

 「そうか。ヒマリ先生か。少し変わった先生だったね。それで、何が分かったの?」

 「大半の文字は、通常のルーン文字だけど。特殊な、今までに見つかったことがない文字が3つあるということよ」

 「その3つの文字に秘密があるということだね」

 「そうなの。それぞれが、どのような働きをするのかを引き続き調べると言っているわ」

 「何か分かったら、直ぐに教えて欲しい」

 「勿論よ」

 シルバとの思念伝達を切って、得られた内容は、直ぐに、ムーンにも伝えた。そして、こちらでも、3つのルーン文字の秘密を調べることにした。

 私は、サンドールにも情報を伝えるために、作業場に素早く移動した。

 「サンドール、今、シルバから連絡があった。特殊なルーン文字が3つあるということだ」

 「文字が特定できたのか?」

 「はい」

 私達は、3つの特殊な文字を一緒に確認した。そして、聖剣の材質について調べていたサンドールは、少し気が付いたことがあるようだ。

 「テラjrよ。主な材料はオリハルコンで間違いがない。しかし、僅かだが、何か、別の物が混ぜられている」

 「それが、何か、見当は付きますか?」

 「魔石ではないかと思う」

 「魔石ですか。どのような魔物の魔石でしょうか?」

 「それが分からない。ドラゴンだと思うが、定かではない」

 「それでは、私は、どうしたらいいですか?」

 「該当しそうなドラゴンの魔石と鱗を取ってきて欲しい」

 「鱗もいるのですか?」

 「ドラゴンの鱗は、とてつもない強度を持っている。これも、関係しているだろう」

 「私は、これまで、ダンジョンでレッド・ドラゴンを倒したことがありますが、それ以外のドラゴンについては、知りません」

 「そうか。レッド・ドラゴンか。まずは、それを取って来てくれ」

 「分かりました」

 私は、直ぐに転移魔法で、中級ダンジョンの近くに移動して、ダンジョンの中に潜った。レッド・ドラゴンは、最下層にいるダンジョンマスターだ。鱗も欲しいということなので、先に鱗を手に入れることにした。

 最下層まで、転移魔法で移動した私は、普通の剣を抜き、鱗を採取することにした。

 レッド・ドラゴンの周りにいる魔物を火魔法の範囲攻撃だ倒してから、レッド・ドラゴンの鱗をはぎ取った。どの程度必要か分からないので、20枚ほど剥いだところで、倒すことにした。

 首を切り落として、残った魔石と鱗をアイテムボックスに入れて、サンドールの居る所まで、移動した。

 「サンドール、持ってきましたよ」

 私は、サンドールの前に、手に入れたレッド・ドラゴンの魔石と鱗を並べた。

 「これを試してみよう」

 サンドールは、魔石を削り、溶かしたオリハルコンに混ぜて、様子を見た。次に、鱗を削り、それも、加えて行った。

 「違うな。これではない」

 「でも、他に、ドラゴンは、知りませんよ」

 「そうか。ドラゴン自体、めったにお目に掛かれるものではないからな」

 サンドール自身も、それほど、詳しくドラゴンについて、知っているわけではなかった。そこで、また、シルバに助けて貰うことにした。

 ルーン文字とは違い、ドラゴンについては、かなり情報が整理されていたようだ。思念伝達で連絡すると、直ぐに、結果が分かった。

 シルバによると、ドラゴンには、レッド・ドラゴン、ブルー・ドラゴン、グリーン・ドラゴン、シルバー・ドラゴンがいるようだ。しかし、シルバー・ドラゴンについては、神話のような事しか分っていない。実際に見たことがある者がいないのだ。

 しかし、ブルー・ドラゴンとグリーン・ドラゴンについては、その生息場所も生態もある程度分かっているということだった。そこで、私は、ブルー・ドラゴンとグリーン・ドラゴンを倒しに出発することにした。

 スピアの仲間のハプーンとラーンスに手伝った貰うことにした。ラーンスには、山の頂上にいるというグリーン・ドラゴンを探しに行って貰うことにした。見つけたら、直ぐに思念伝達で連絡して貰える。

 ハプーンには、私を背に乗せて、ブルー・ドラゴンを見つけるのを手伝った貰うことにした。ブルー・ドラゴンは、海底深くに居るそうだ。しかも、発見された場所も分かっているので、直ぐに、そこに向かうことにした。

 ハプーンは、スピアの仲間だけあり、動きもスピアに負けていなかった。1日も経たずして、目的の場所にやって来た。

 「これから、ブルー・ドラゴンを倒してくるから、暫く、ここで待って居てくれ」
 
 私は、ハプーンに待機して貰い、海の中に潜っていった。海の中でも長時間過ごせるように光魔法で造ったバリアの中に空気をため込んで、その中に入って、海底深くに移動していった。

 スキル探索で、ブルー・ドラゴンを探しながら、潜り続けた。すると、やっとスキル探索にブルー・ドラゴンらしき魔物の気配を感じることができた。

 「おそらく、あれに違いない」

 私は、これまで以上に、スピードを上げて、ブルー・ドラゴンに突進していった。そして、闇魔法のバリアで、拘束して、海上まで、引き上げることにした。

 ブルー・ドラゴンも、水魔法で、多少は抵抗したが、特に問題はなかった。

 海上に引き上げたブルー・ドラゴンの鱗をはぎ取り、首を切って、魔石を得た。

 ラーンスからの連絡がまだなので、私とハプーンは、少し、休むことにした。

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