錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編 第28章 魔大陸編 2809.勇者パーティの冒険者ギルド登録
いよいよ勇者パーティで、魔大陸に進撃を開始する。竜人族と一緒に戦っても良いのだが、まだ、竜人族の目的がはっきりしていない。どのような経緯で、魔王討伐を計画したのか。少し疑念が残っている。
それ故、私達の勇者パーティは、別行動を取ることにした。それに、マリー達が、今も、竜人族の動きを監視しているので、場合によれば、適時行動を修正することも、可能だ。
冒険者ギルドとの関係を良いものに保ちたかったので、勇者パーティを冒険者ギルドで登録することにした。
「すみません。ローララは、いる?」
「はい、少しお待ちください」
受付の係は、奥の部屋に行き、冒険者ギルド長のローララを読んで来た。
「はい、私が、冒険者ギルド長のローララです。何か、御用ですか?」
「私のパーティーを冒険者登録したいのだが、いいかな?」
「それでは、こちらに記入をお願いします。それから、冒険者登録が済んでおられない人は、先に登録をお願いします」
「冒険者IDを持っていない者は、誰かな?」
「あら、テラjrも、まだじゃないの?」
「そうだった。うっかりしていた」
Sランクの冒険者の3人のタンク以外は、冒険者登録が初めてだった。一人ずつ、順に登録を済ませて行った。
「皆さんは、申し訳ないけど、初めての登録なので、Fランクになります」
「「はい、了解です」」
「それでは、パーティー名を決めてください」
まだ、パーティー名を相談していなかった。仕方がないので、皆で、考えることにした。
「少し、待って下さい。相談します」
私達は、部屋の隅に集まって、相談することにした。
「流石に、勇者パーティは、恥ずかしいね」
私は、最初に、声を出した。すると、最年長のシロッコスが提案した。
「魔王の攻撃を防ぐために集まったのだから、デーモン・シールドは、どうかな?」
「「いいね」」
「他に、意見はある?」
私は、皆に確認してみた。特に反対はなさそうだった。
「それでは、パーティー名は、デーモン・シールドにするよ」
「「了解」」
私達は、受付のローララの所まで行き、登録を済ませた。そして、スピアを私の従魔として、登録した。
「パーティーとしては、Sランクの冒険者が3人もいるので、Sランクで、結構です。でも、出来れば、Fランクの冒険者の人たちは、出来るだけ早くCランクぐらいには、なってください」
「そうだね。それでは、早速、ランク上げに出かけようか?」
「はい」
私達は、冒険者ギルドの裏手に移動して、私の転移魔法で、上級ダンジョンの入り口近くに移動した。
「ほぉ、転移魔法が使えるのか? それも、8人も一度に移動できるなんて、凄い魔力量だな」
「それほどでもないよ」
私は、少し照れてしまった。Sランクの冒険者のレオにも、認めて貰えたようだ。
「それでは、8人の配置を決めましょうか?」
「先頭は、ライオスに任せるよ」
「レオ、俺でいいのか?」
「疲れたら、変わるよ」
「Ok。それでは、その後ろに、私が、付こう」
私は、ライオスの後ろに付き、右横にレオ、左横にスピアを従えることにした。
「それでは、テラjrの後ろに白魔導士のサーキとビーランでいいかな?」
「「はい」」
「それでは、残りのアロンとアオイは、最後尾と言うことで、いいね」
「了解しました」
アオイが、了承した。
「私も、それで、いいです。私は、弓も使えるので、当面は、支援に専念します」
アロンも、異存はないようだ。
「それじゃ、行こうか」
「「はい」」
私達は、受付にパーティーとしての冒険者IDを見せて、上級ダンジョンに潜って行った。
冒険者登録が初めての者達のランク上げが目的なので、Sランク冒険者達には、当面は、見守って貰うだけで、正をしないようにして貰った。
暫くは、私とアオイの火魔法による範囲攻撃で、魔物を倒して行った。第10階層ぐらいまでは、一気に進んで行った。特に強い魔物も出てこなかったので、誰も怪我も体力の消耗もなかった。
「火壁」
私が、前方に現れた魔物に攻撃を開始した。続いて、アオイが、後方から、火魔法を繰り出した。
「火柱」
すると、中心にいた魔物が炎の柱に包まれて、倒れた。
「テラjr、1階層ずつ潜って行くと、時間が掛かる。取り敢えず、テラjrのランク上げを優先してはどうかな?」
レオが、提案した。しかし、私は、パーティーとしての連携も重視したいので、それには、反対した。
「レオ、君が言うことも、もっともなんだけど、まだ、パーティーとしての経験が少ない私達のメンバーの経験を高めたい。それは、ランク上げより、重要だと思うんだが、どうだろう」
「うむ、確かに、そうだね。それでは、時間が掛かるが、このまま、進んで行こうか」
「ありがとう」
レオにも、直ぐに、納得して貰えた。サーキとビーランにも、何か、経験をして貰いたい。このままでも、魔物に慣れることは出来るが、それは、大した経験ではない。
「サーキとビーランは、適当なタイミングで、支援の魔法を掛けて貰えるかな?」
「それは、いいけど、何をしたらいいの? 私は、どう動けばいいのか、よく分からないわ」
と、サーキが言った。そして、ビーランも、頷いている。同じ考えの様だ。
「そうだね。アロン、申し訳ないが、私が、普通の戦士のつもりで、支援のタイミングをサーキとビーランに指示して貰えるかな?」
「構わないよ。でも、まだ、2人が、どのような支援魔法が使えるのか、分からない。先に、教えて貰えないか?」
「いいわよ。私は、白魔法士として、必要な魔法は、すべて使えるわ」
サーキが、アロンの質問に答えた。
「スキルは使える?」
「少しは、使えるわ。でも、多分、テラjrのシールドの方が、強力だと思うわ」
「強さは、問題じゃないんだ。どのような状況になるか、分からないから、サーキの出来ることを多くしておきたいんだ」
「わかったわ。魔力耐性向上、物理攻撃向上、攻撃速度向上などのスキルが使えるわ」
「それじゃ、ビーランは、どうかな?」
「私は、治癒魔法が専門よ。それと、スキル探索が使えるわ」
「そうか。では、ビーランは、常にスキル探索で、周囲の魔物の動向を調べてくれ。そして、その中で、最も強い魔物の位置と動きを皆に伝えてくれ。それには、思念伝達を使って貰ったらいいよ」
「わかりました。そのようにします」
一応の打ち合わせが終わり、私達は、また、ダンジョンを進んで行った。
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