錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編 第28章 魔大陸編 2814.第2の四天王
私は、転移用の魔法陣の解読を頭の中で行いながら、スキル探索で、魔王軍の四天王を探していた。
漸く、次の四天王らしき魔人を完治した。
「皆、この層に、次の四天王がいるよ」
「前の四天王の事は、知られているでしょうか?」
シロッコスが、私に、質問してきた。
「いや、私にも、分からない。だが、ここまで、来たことで、ディアルブ・ムスカスを倒したことは明白だろう」
「確かに、テラjrの言う通りです」
ライオスが、私の考えに同意してくれた。他の者も、頷いている。
「どのような魔法を使うのか、分からないので、遠方より攻撃を開始して、様子を見よう」
「「はい」」
私達は、静かに、新しい四天王に近づいて行った。すると、急に、頭上が明るくなった。どうやら、魔人が、攻撃をしてきたようだ。
「目を閉じて、伏せろ!」
私は、本能的にあの光が私達を焼き尽くす力があると感じた。
「ウォー、目が、…」
光を見た者が、目を焼きつぶされたようだ。
「サーキ、ビーラン。大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。」
「それじゃ、治療に当たってくれ」
「「はい」」
アロンとライオスが、光をまともに見てしまったようだ。2人とも、目を焼かれたが、身体の他の部分は、大丈夫なようだ。しかし、目を閉じたまま、戦うのは、難しい。
「テラjr、光魔法で、バリア作って、反射させたら?」
サーキが、私に進言した。私は、自信がないが、やってみることにした。
「光壁」
光の壁で、デーモン・シールドの皆をシールドが、取り囲んだ。すると、光を見ても、目が焼かれない。光魔法のシールドが光の魔力を吸収したようだ。
「サーキ、ありがとう。うまく行ったよ」
サーキは、嬉しそうに、微笑んだ。
「それじゃ、今度は、こっちの攻撃だ。アロン、もう大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
アロンは、私に返事すると同時に、弓矢で、攻撃を始めた。だが、少し、距離がありすぎたようだ。敵の四天王の氷結魔法に阻まれてしまった。
「光魔法の次は、氷結魔法か? 他にも魔法が使えるかもしれないぞ」
私は、デーモン・シールドの皆に注意を促した。
「私が、火魔法で、攻撃をする」
氷結魔法に対抗するために、アオイが火魔法で、反撃するつもりだ。
「火柱」
私達は、少しずつ進みながら、攻撃と防御を繰り返した。やがて、四天王の姿が見えて来た。
今は、常に、光魔法のバリアで、私達一人ずつを保護しているので、光の矢のような攻撃により被害はない。
「おぉ、美しい。天使の様だ」
ライオスが、四天王の姿を見て、思わず、声を上げてしまったようだ。確かに、美しい女性だ。こんな場所でなければ、天使と思ってしまっても、仕方がない。
だが、相手は、明らかに四天王の一人だ。光魔法で攻撃は、私達の目を焼き尽くし、氷結魔法は、我々を氷漬けにして、動きを止めてしまう。
「火柱」
アオイが繰り返し、火魔法で、攻撃している。しかし、四天王の氷結魔法で相殺しているため、その効果は、少ない。
「「火柱」」
私も、アオイの火魔法に合わせて、火魔法で、攻撃を開始した。
「おぉ、相手が、怯んでいるようです」
ライオスが、先頭で、四天王の状態を報告している。
「「火柱」」
少しずつではあるが、進みながら、攻撃を繰り返した。
いよいよ、ライオスの斧が届くほどまでに近づくことが出来た。
「我々は、デーモン・シールドだ。お前たちを討伐に来た」
私は、天使のような姿の四天王に、声を掛けた。
「ほぉ、魔王軍の討伐だと、笑わせる」
「だが、既に、ディアルブ・ムスカスは、倒したぞ」
「まさか? ディアルブ・ムスカスを感知することができる。嘘をつくな!」
「嘘ではない。では、何故、我々は、ディアルブ・ムスカスに見つからずに、ここに来ることが出来る?」
「確かに。なるほど、それなりの力を持っているということだな。だが、それも、ここで終わりだ」
「お前の攻撃は、防ぐことができる。諦めて、降伏しろ」
「まだ、まだ、私の力は、こんなものではない」
四天王の氷結魔法が、連続で繰り出された。私は、急いで、闇魔法で、シールド作り、防御した。しかし、作るたびに壊されていく。相手の四天王の魔力量は、無限にあるのかと思わせるほど、連続攻撃を受け続けた。
「ライオス、レオナルド、アロン。攻撃を開始してくれ」
ライオスとレオナルドの2人は、敵の氷結魔法を避けながら、突進していった。そして、アロンは、弓で攻撃を開始した。
私は、アオイと共に、火魔法で、攻撃を開始した。
「「火柱」」
敵は、氷結魔法で、攻撃を防除を行っている。次第に、その速度が落ちて、我々の攻撃が届き始めた。
「ウォー、これでは押し切られてしまう。退散だ」
「おい、逃げる前に、名前ぐらい教えろ!」
「私は、ディアブス・ルーチス。光の魔人と呼ばれている」
転移魔法だろうか。ディアブス・ルーチスは、一瞬の内に消えてしまった。
「どうやら、終わったようだ」
私は、少し安堵した。しかし、逃がしてしまったのは、失敗だ。
「おそらく、次は、一人では、やって来ないだろう」
私は、呟いた。皆に訊かせるつもりでは、なかったが、デーモン・シールドに不安が広がって行った。
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