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錬金術師の召喚魔法 第Ⅳ部 サルビア編 第24章 カタリナの結婚編 2406.カタリナの結婚発表

 私は、カタリナの居る城に転移魔法で、移動した。今日は、カタリナの父親のエドと約束したカタリナの結婚発表の日だった。私は、カタリナ付きの侍女に、これまでのカタリナの様子を聞いた。

 「キョーリン、何か、変わったことはなかったか?」

 「ムーンさん、特に変化はありません」

 「カタリナは、今、どこに居る?」

 「はい、城のお部屋に居られます」

 「分かった」

 私は、キョーリンと別れて、カタリナの部屋に入って行った。

 「カタリナ、何か、不自由な事はない?」

 「あら、ムーンさん、久しぶりね」
 
 「そうかな?」
 
 「そうよ」

 「でも、今日はやっと、私達に結婚発表を行うことが出来る。嬉しいよ」

 「私は、少し憂鬱よ」

 「どうして?」

 「私は、もっと、遊びたかったの」

 「別に、結婚しても、今まで通り、自由に暮らしていいよ」

 「本当? 色々、制約が増えるのじゃないの?」

 「そんなことはないよ。カタリナは、今まで通りに生活したらいいよ」

 「それなら、いいわ」

 私は、小さなカタリナを抱き上げて、額にキスをして、部屋を出た。そして、キョーリンにカタリナをしっかり監視しておくように言った。

 私は、カタリナの居る城の地下に研究施設を作って、ショーバェの研究所と同じ実験ができるようにしている。ショーバェの研究所の研究が見える様に、遠隔投影接続器テレビジョン・コネクタのモニターを設置し、助手として5人雇っていた。そして、監視用として、マリーを張り付けていた。

 珍しく、マリーから、思念伝達で連絡が入った。

 「マリー、どうした? 何か、研究に問題でもあったのか?」

 「いいえ、そうではありません。研究は順調です。予想以上に、安定的に製作できるようになりました」

 「そうか、それで、それと同じことは、マリーの所でもできるのか?」

 「はい、大丈夫です。追加で、同じ施設をもう一つ作って貰えませんか? それと、あと4人助手を雇って貰いたいのです?」

 「分かった。でも、何故、必要なのだ」

 「ムーンさんの希望している研究は、リンドウの物と少し違うのではないかと思っています」

 「確かに、少し違うが、それと何か、関係するのか?」

 「はい、リンドウの研究の流れは、ほぼ、把握できました。でも、リンドウは、ムーンさんが、思っている方向に研究を進める様子はありません。ですから、もう一つの施設で、独自に研究を進めて行きたいと思います。つまり、技術的には、十分な研究結果が得られているので、それを実践していきたいのです」

 「それはありがたい。是非とも進めてくれ」

 「それと、もう一つ、確認したいのですが、この実験は、早く実現した方がいいのですね?」

 「そうだよ。できるだけ、早く実現したい」

 「そのためには、手段は択ばないと」

 「その通り、手段は択ばないつもりだ」

 「それなら、成人女性を実験の治験者として、10人ほど雇ってもいいですか?」

 「それは、構わないが、その研究所に入れるわけにはいかないよ」

 「はい、分かっています。そのために、どこかに、治療院を作って貰えませんか?」

 「分かった。至急、準備する」

 「了解しました」

 私は、マリーとの思念伝達を打ち切って、リンダに思念伝達で、連絡を取った。

 「ムーンだけど、今いいかな?」

 「いいわよ。こっちに来る?」

 「分かった。直ぐに、行くよ」

 私は、転移魔法で、リンダの部屋に移動した。

 「こんにちわ。リンダ、元気だった?」

 「あら、直ぐに来たのね。そんなに、急ぐことだったの?」

 「リンダに、会いたかったからだよ」

 私は、リンダを抱きしめ、フワフワの尻尾を撫でた。そして、軽く、キスをした。

 「今は、だめよ。仕事が残っているの」

 「分かった。それじゃ、お願いを聞いてくれ」

 「何?」

 「例の実験を、本格的に進めることになった。それで、カタリナの城の近くに、治療院を作るつもりだ。それに必要な土地を確保してほしい。それと、研究の為の治験者を集めたい。費用は、通常の従業員と同じだけ出す。拘束期間は、1週間だ。それと、若い女性で、未婚者に限ってくれ。できれば、処女がいい」

 「わかったわ。土地は、直ぐに用意するわ。建物などは、ムーンが造るのね」

 「そうだ」

 「それから、治療院の従業員は、どうするの?」

 「それは、私が用意する」

 「分かったわ」

 「よろしく」

 私は、リンダをしっかりと抱きしめて、別れを告げた。そして、カタリナの城に転移魔法で、移動して、結婚発表の式典に臨んだ。

 式典は、王位継承権第1位に相応しい盛大な物となった。当然、国王を初め、多くの有力な貴族がほぼすべて集まっていた。これで、私は、正式にカタリナの夫として、表舞台に立つことが出来る。

 カタリナは、多くの来賓に囲まれて、これまで、嫌がっていたとは思えないほど、生き生きとしていた。どうやら、私を夫として、やっと、受け入れて貰えたようだ。

 私は、王位継承権第1位として、カタリナを国政に参加させていく準備を早急に始めることにした。

 式典が終わることに、リンダから、思念伝達で、連絡が入った。土地を確保したようだ。私は、式典後、直ぐに、リンダに会いに転移魔法で、リンダの部屋に移動した。

 そして、治療院の施設の建設を済ませ、直属の部下を従業員として、5人配置した。そして、思念伝達で、マリーにこれまでの内容を伝えた。後は、マリーに任せることにした。

 私は、久しぶりのリンダとの再会を楽しんだ。夕食を共に取り、夜中までの時間を共有した。それから、ガーベラの部屋に転移魔法で、移動して、その夜を過ごした。

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