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失われた記憶を探す闇の魔法使い(The dark wizard searching for lost memories) 第2章 女魔法使い 第13話 旅の準備
青のポーションとアイテムボックスを作ることが出来る様になったので、これらも、冒険者ギルドに納品することになった。
いずれの商品も高品質の物だったので、以前のポーションの時と同じく、極秘に納品することになった。
「ルナ、アリア、これをあげるよ」
私は、ルナとアリアに、赤のポーションと青のポーションを5本ずつと、アイテムボックスを2個あげた。
「これ、どうしたの?」
ルナが、不思議そうに私の顔を見つめている。
「この間、冒険者ギルドで見せて貰った物を参考に、作ったんんだ。これは、冒険者ギルドに納品した残りだよ。だから、遠慮せずに貰ってね」
「本当に、いいの?」
アリアが、私に訊き直して来た。
「本当にいいよ。ほとんど、費用が掛かっていないからね」
「このアイテムボックスは、どの程度、アイテムを入れることができるの?」
「多分、家一戸分だと思う。まだ、満タンになるまで、入れたことがないので、正確ではないかもしれないけど」
「うぁー、そんなに入るの。それじゃ、国宝級のアイテムボックスよ」
「そうなの。僕には、実感がないけどね」
ルナとアリアは、お互いの顔を見合わせて、呆れているようだ。まあ、私は、2人に喜んで貰えるだけで、嬉しいけど。
「それじゃ、遠慮せずに頂くわ。早速、荷物を詰めていくわ」
「私も、準備をします」
「僕は、持っていく物がないから、食事でも詰め込んでおくよ」
私は、2人を残して、街で、買い物をすることにした。結構詰め込むことができるので、色んな見せて、美味しそうな物を沢山買って、詰め込んだ。アイテムボックスの中では、時間遅延効果が働くので、食物などが長く保存できるようだ。
そして、魔法陣を描きうつしておくための道具も揃えておいた。
宿に戻ると、2人も出発の準備が終わっているようだ。2人は、雑談をしながら、私を待って居たようで、私の顔を見るなり、出かけるようとした。
「さあ、ラズ、行くわよ」
ルナの掛け声と共に、私も、アリアも、荷物を抱えて、宿を後にした。
「ルナ、何処に向かうの?」
「まずは、ラズとあった森に行こうと思うの」
「そうだね。あそこで、目覚めたのだから、何か、分ると思うわ」
私も、ルナの考えに賛成だ。でも、アリアには、関係のないことに巻き込むことに私は、少し、抵抗があった。
「ねえ、アリア。私の為に、遠回りになるけど、ごめんね」
私は、アリアに誤った。
「いいのよ。私は、特に、何処に行きたいとか、何もないから」
「ありがとう」
私達は、ルナと初めて会った森の付近まで、行った。
「確か、この辺りね。私が、ラズと会ったのは」
「そうだね。でも、私が、目覚めた所は、此処とは、違うの」
「それは、どこ?」
「一緒に、来てくれる?」
「「はい」」
私達は、森を抜けて大きく開けた場所に着いた。
「ルナ、アリア。ここだよ。僕が目覚めたのは」
「凄い場所ね。これって、自然に開いた穴ではないわ。多分、魔法で造られたものよ」
「ルナの言う通りだと思います。これは、巨大な魔力で作られた穴だと思います」
「僕は、この穴の一番底で、目覚めたんだ。その時は、身体中に怪我をしていたけど、マナを吸い込んで、回復したんだ。でも、アリア。このことは、内緒にしてね」
「はい」
「それじゃ、ラズは、誰かと戦ったということになるね。そして、負けて倒されたのでは?」
「そうだと思う。全く動けないほど、全身が怪我と疲労で、ずたずただったよ」
「でも、このような穴が開くほどの魔法でも、ラズは、死ななかったということね」
「本当。ルナの言うように、これは、凄い戦いだったと思います」
ルナは、私の横に酔って来て、小声で言った。
「そうすると、その時の戦いのせいで、記憶が消えたのね」
「記憶のことを、アリアに知られてもいいよ」
私も、小声でルナに返事した。
「アリア、僕は、ルナと出会う前のことを覚えていないんだ。その記憶を探すために旅に出たいと思っているの」
「そうだったんですか。私は、ラズの手助けをします。私に遠慮しないでください。一緒に行動できるだけで、私は、嬉しいです」
「ありがとう」
私は、心から、アリアに感謝した。そして、ルナにも、感謝した。
「こんなにすごい戦いだから、見ていた人もいるかもしれないね」
ルナが、私に声を掛けた。それによって、これからの行動が、決まったようだ。
「それじゃ、近くの村で、情報を集めるわよ」
ルナの指示に従って、私達は、近くの村に向かって、移動を始めた。森とは、反対の方向に歩き進めていると、小さな村が見えて来た。
「ルナ、今日は、あの村で、休みませんか?」
アリアが、ルナに提案した。気が付くと、もう、一番星が空に輝き始めていた。できれば、野宿は避けたいので、アリアの提案に従うことにした。
私達は、村に入って行き、村人の一人に声を掛けた。
「すみません。この村で、休めるようなところはありませんか?」
「そうですね。この村は、小さいので、宿屋は、ありません。村長に相談したらいいと思います。私が、案内します」
村人と思われる女性は、親切に私達を村長の家に案内してくれた。そして、村長に事情を説明して、家の中に招いてくれた。
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