ディスレクシアのための、英語を使わない大学入試 #3ディスレクシアのAO入試、おすすめスケジュール
前回は、ディスレクシアのAO入試における3つの注意点のうち、最初のポイント「早い時期から準備が必要」について説明しました。
<ディスレクシアのAO入試の注意点>
注意点1・早い時期から準備が必要
注意点2・できるだけ多くの人に、志望理由書を見てもらうべき
注意点3・ディスレクシア的には、AO入試を選んだら、一般入試との併願は考えるべきではない
今回は第2, 第3のポイントについてお伝えします。
注意点2・できるだけ多くの人に、志望理由書を見てもらうべき
AO入試での受験を決めたら、高校入学から徐々に対策を立てていくのが最善ということは、前項で述べたとおり。
しかし、もじこ塾からAO入試で受験に合格した生徒が口を揃えて言うのが、「AO入試は対策が立てづらい」ということ。
具体的には、
・志望理由書やエントリーシートの質問が漠然としている
大学によっては、「志望理由書」と題名だけ与えられ、具体的に何を書くべきか一切指示がないケースも多々あります。
・一般入試と違い、何をどこまで準備すればいいのか、基準が見えない
AO入試は志願者も合格者も一般入試と比べてはるかに少ないですし、ひとつの大学に対し、ひとつの高校からの合格者は1名、多くても数名というのが基本です。
一般入試は何百人から何千人もの志望者を集め、大手予備校が合格ラインのデータを出してくれるのとは対照的です。
AO入試で合格した先輩たちや、客観的視点でアドバイスをくれる指導者のサポートを受けながら、準備を進めていくことになります。
・自分が、全体の中でのどの程度の位置にいるのかがわからない
一般入試を目指す人は、模試で自分の位置を確認できますが、AO入試ではそれができないため、ライバルの動向が読めません。
こうした状況に対して、まず心がけたいのが、できるだけ多くの人に、志望理由書を見てもらうこと。
AO入試の志望理由書は1人で抱え込まず、必ず別の人に見てもらいましょう。
それも、できるだけ多くの人に見てもらうべきです。
例:
・高校の担任、学年主任の先生
・国語の先生
・部活や委員会の顧問の先生
・その他、特に親しくしている先生(進路指導室の先生、保健室の先生、カウンセラーなど)
・学外活動のコーチや顧問
・塾の先生(自分をよくわかってくれている、中学時代などの塾の先生も含む)
・AO入試で合格した大学生
親もいいですが、ケンカになりやすいので、完成したものをさらっと見てもらうくらいがいいですね。
こうして多くの人に見てもらうと、なかには矛盾する意見も出てくるかもしれません。
これは、
1) 自分のことをあまりよく分かっていない人が、的外れなことを言った
という可能性もありますし、
2) 志望理由書には「こう書けば必ず合格する」という絶対的な正解のないことの表れ
とも言えます。
このあたりについては、ディスレクシアなら自分の直観を信じましょう。
信頼できる人を見つけられたらラッキーです。その人の意見を大事にしましょう。
人を見る目や、「この人が言っていることは正しい」という選別眼を磨くのも、AO対策の大事なプロセスのひとつです。
できるだけ多くの人の意見を聞くためには、どうしても見てもらいたい人には先にお願いだけはしておくなど、早めに動き始めるに越したことはありません。
募集要項が発表される高3の初夏以降ではなく、高2のうちから「志望理由書を見てほしい」と根回ししたり、相談したりしてもいいですね。
つまりは人脈作り、あるいは「目上の人にものを頼んで、喜んで引き受けてもらえるようなキャラ作り」が大事ですが、ディスレクシアならこれはきっと得意なはず。
もし特性上、人にものを頼むのが苦手なら、そこから頑張るべきです。面接やプレゼンが重視されるAO入試は、コミュニケーション力が必須です。
こうして、いろんな人から意見をもらうなかで、志望校への気持ちが強まっていくのが理想です。
注意点3・ディスレクシア的には、AO入試を選んだら、一般入試との併願は考えるべきではない
もしもAO入試で合格できなかった場合、その後に公募推薦があるケースが多いので、気持ちを切り替えて公募推薦対策をすることになります。
それも不合格の場合、さらに気持ちを切り替えて、一般入試に臨むことになります。
しかし、AO/推薦入試の結果が出るのは11月以降のため、一般入試までの準備期間は実質2ヶ月程度しかありません。
高校などでは、「AO入試は狭き門のため、一般入試の対策も並行して行うように」と指導するようです。
しかし、もともとディスレクシアにとって、一般入試はとても分が悪い試験。まして準備が出遅れるとなると、圧倒的に不利な戦いになるのは否めません。
となると、「何がなんでもAO/推薦入試で決める」という強い気持ちで対策に臨む必要があります。
なお、AO入試は合格したら必ず入学しなければなりませんが、合格するまでは複数回、複数大学のAO入試にチャレンジできます。
ディスレクシア的には、AO/推薦で行くと決めたら、複数の大学や学科のAO対策を同時に行ったり、または、同じ大学学科のAO入試と公募推薦の対策を同時に進めていくことになります。
ディスレクシアの高校生用・AO/推薦入試までのスケジュール
ここまで話したことを、「ディスレクシアの高校生用・AO/推薦入試までのスケジュール」としてまとめてお見せします。
その際、以下の2つを頭に入れておいてください。
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