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No.16 文字が読めるということ

9月12日木曜日
今月から新しい試みを始めた。それは6歳の女の子、Kちゃんに毎週ハガキを送ること。
先月、アーツ前橋へ荒井良二さんの展示を見に行った。そこで、毎日フリッツアートセンターに宛てて書き続けたという86枚のはがきの展示に心をうたれた。”ほんとにあったこと、まったくの空想、ほんとと空想”がつまったはがきたちは物語のようで、夢と現実の中間に存在しているように見えた。こんなはがきが毎日ポストに届いたら、どんなにワクワクするだろう。そして、私もこれをやってみたい!と思わされてしまったのだった。私が毎日はがきを出したい人って誰だろう?と考えた時、頭に浮かんだのが小学一年生のKちゃんだった。
そして、9月からこの思いつきのプロジェクトはスタートした。
わたしは架空の人物まめちゃんになりきって、週に2通のハガキを書いて投函している。始める前、Kちゃんは見ず知らずの“まめちゃん”を受け入れてくれるのだろうか、と少し不安だったけれど、案外すんなり受け入れてくれて、今ではハガキが届くのを楽しみに待ってくれているれしい。これは何より嬉しいことだ。

昨日もそのはがきが一枚届いたらしく、Kちゃんの母マツが、彼女がはがきを読んでいる姿を動画におさめて送ってくれた。ひらがなを一文字ずつゆっくりと目でたどっていって、すこし考えてから、、、理解した!という風な嬉しそうな顔をした。
その姿に感動してしまった。胸がきゅんとした。文字が読めるということは、素晴らしいことだな、言葉がわかるということは、素敵なことだな。
そんな当たり前のことを、初めて実感をともなってわかったような気がした。こどもが教えてくれることは、沢山ある。実際、大人が知っていることと子供が知っていることは、同じくらいあって、ただその領域や分野が違うだけなんじゃないかと思う。どちらが知恵なのか、知識なのか、いいのか悪いのかわからないけれど、子どもから教わることは、美しいと感じる。Kちゃん、ありがとう。

このはがきプロジェクトの目標は、毎週2通を100通まで続けること。次はどんなお話を書こうかなと、毎日が少し楽しくなっている。

読んでくださりありがとうございました。


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