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LEICA M Typ240の修理代

序章

今年5月に購入したLEICA M Typ240が、たった2ヶ月でシャッターを4回切るとフリーズする故障が発生しました。忘れもしない、最初の症状は7月初旬の富山県雨晴海岸での撮影でした。日本一時帰国を終え、7月下旬に米国に戻り修理に出そうとしましたが、ライカUSAのカスタマーセンターが事務所移転のため修理の受付を止めていました。先々週、修理の受付を再開し、やっと故障したカメラを送付することができました。
そして、修理受付の知らせが届き「Leica Digital Workmap」に登録されました。その後直ぐに、早速カスタマーセンターからメールがありました。前回のLEICA MP 0.72の修理と比較すれば、とても早い対応で驚きました。

ハートアタック

メールに添付していた修理見積書を見ると、とんでもない一文が記載されています。

Your camera was sold used by camera shop. Leica camera warranty has expired. (あなたのカメラは、中古で販売されたものです。ライカカメラの保証期間は終了しています。)

いやいや、ebayでは「2 Year Warranty」って記載されていたじゃん。全身の毛穴が開放され汗が噴き出てきました。しかし、既に現行モデルではないLEICA M Typ240が、新品扱いでメーカー保証があることに対して、心の片隅で違和感を持っていたのも事実。デッドストックに対するメーカー保証は聞いたことがありません。さらに、テキサスの大きな販売店とはいえebay経由での購入だし、これは大きなミスを犯してしまったかと冷たい汗が背中を走ります。

さらに修理見積価格を見ると、、、、

プリント基盤交換で何と$1,895! 返送代$35を含めると、合計で$1,930と記載されています。現在の為替レート($1=135円)で26万0550円です。この値段で、もしかしたらHASSELBLAD 500C/Mが買えます。
心臓の鼓動が爆速し、視界がぼやけてきた。もう汗は出ない。これは本当にヤバい状態だ。ライカを甘く見ていたしっぺ返しを、このような形で受けるとは思いもよりませんでした。

宇宙と一体化

こういうパニック状態の時は、トイレの個室に入るのが常套手段です。ズボンをおろし、便器のヒンヤリとした感触がお尻を通して伝わり、少し落ち着きを取り戻します。誰もいない狭い空間は、私にとって安心する大切な要素です。子供の頃、よく押し入れに入ってまったりしていたのを思い出しました。娘も、ベットと壁の隙間や、ソファーと壁の隙間などを好んで隠れます。遺伝かも知れません。
アメリカの個室トイレはとても広く、防犯のためドアの下側が大きく解放されているため落ち着かないのが一般的ですが、幸い会社のトイレは日本的なプライベート空間が確保されています。
不思議なことに個室トイレに座っていると、お尻から便器を通して宇宙に繋がっている錯覚を覚えます。宇宙と一体化する感覚です。ユニバースになり、身の回りに起きた様々なことが、宇宙視点で小さく感じられます。昔、手塚治虫の「火の鳥」を読みすぎたせいかも知れません。
命を取られる以外は擦り傷。個室トイレのおかげで、落ち着きを取り戻してきました。

テキサスへメール

個室トイレを出て、改めてeBayの購入履歴を確認してみました。

店頭デモ用として開封されたものの、明確に「2 Year Warranty」と記載されています。早速、eBayを通して販売店にメールしました。
「LEICA M Type240が購入後2ヶ月で故障してしまいました。
4回目のシャッターでフリーズし、プリント基盤を交換する必要があります。
2年保証と記載されていますが、ライカ USAは保証期間が切れていると言っています。$1,930も払いたくありません。商品の返品を希望します。」
当然、証拠としてライカUSAから送られてきた修理見積書も添付しました。

そしたら、直ぐに販売店から返信が届きました。

Let me get in touch with out Leica representative to see what the issue is. I'll let you know something as soon as I hear from him. (ライカの担当者に連絡を取って、何が問題なのかを確認します。彼から連絡があり次第、直ぐにお知らせします。)

どうやら、文面から販売店も問題と感じているようです。一番恐れていたのは、クレームを無視されるか、2年間メーカー保証の申し込みカードが同梱されているだけ、としらばっくれられる事でした。そして、更にメールが届きました。

I wanted to let you know that I have been moved up the chain with Leica over the camera that we sold you. Hopefully, I will have an update soon. Sorry, it's taking so long.(弊社が販売したカメラについて、ライカとの間で交渉が進んでいることをお伝えします。うまくいけば、すぐにでも最新情報をお伝えできると思います。時間がかかり申し訳ありません。)

さて、どのような結末になるでしょうか?
1)ライカUSAの中古品という認識が間違っていた。→ 修理
2)カメラ販売店の2年メーカー保証付きという認識が間違っていた。→ 返品

もしくは、私は修理費用の負担を強いられるのか? 宇宙の意志(火の鳥)に委ねられています。

良い連絡が来ることを期待したいです。


7月9日の雨晴海岸でトラブルが発生。写真全体にノイズが乗りフリーズした。その後、4枚目のシャッターでフリーズするようになる。

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