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『マンデー・モーニング・リーダーシップ』 デビット・コットレル著

「スランプから脱出するための8回の月朝ミーティング」という副題の通り、職場のチームマネジメントに悩む主人公がメンターとの8回の月朝ミーティングを通じて、課題に向き合い成長する姿を描いた物語形式の書籍。

『マンデー・モーニング・リーダーシップ』

転職してチームビルディングを主導する立場になり、どうしようかなと本棚を眺めていたら5年くらい前に読んだのを思い出し、読み返してみた。ページをめくると最初に飛び込んでくるのは、この言葉。

「人生はいいものだ。たとえ状況が最悪に思えるようなときでも。」

企業に属したことがある人であれば、一度くらいは「なんで自分ばかり…」そんな思いに苛まれた事があるのではないだろうか。ご多分に漏れず自分もその一人だ。

リーダーともなるとなおさら、「自分はこんなにやってるのに・・・」「メンバーはなんで動いてくれないんだ」そんな気持ちが沸いては消え、状況はどんどん悪くなる、そんな経験をされた方もいらしゃるのではないだろうか。

本書には、「リーダーとしての『当たり前』の姿勢・考え方・メンバーとの向き合い方」、そして「当たり前」を実践するためのリーダーとしての心構えが記されている。

ハッとさせられる色々な金言が散りばめられているが、その中でも私自身が印象に残った言葉を紹介したい。

「まず人に見切りをつけ、やがて会社に見切りをつける。」

企業に属する人がその会社を去る時、「組織・会社」ではなく、まず「人」に見切りをつける。私自身にも思い当たる節が在る。会社に対して不満を持つとき、まずその矛先は上司やリーダーに向きがちだ。その不満を放っておくと、結果的に組織や会社全体に広がってしまう。

だからこそ、リーダーは「誠実」にチームメンバーに向き合う必要があるのだ。本書ではこんな言葉で語られている。

「正しいことを行うのは必ずしも簡単ではない。それどころかとても難しいことがよくある。それでも忘れてはいけないのは、正しいことを行うのはいつだって正しい、ということ。」

リーダーがどんな姿勢で人や課題に向き合っているか、メンバーはリーダーが思うよりはるかにそのことに執着していると私は思う。チームを何とかしたい、良い方向に導きたいメンバーほどその気持ちは強いはずだ。だからこそ、リーダーは誠実に人や課題に向き合う事が大切であると思う。

そしてリーダーにとって何より重要な姿勢が、この言葉に現れていると思う。

「肝心なのは『納得のいかないことは起こるだろうか」ではなく、『何が起ころうと、どう対応するかの用意があるか』だ。」

どんな問題があろうと、常に前向きである事、その姿勢がメンバーのやる気を引き立てるのだと思う。

8回目の月朝ミーティングの最後はこう締めくくられている。

「人生のほとんどは、考え方、それと人生が投げかけてくるものにどう対処するかにかかっている。人生はいいものだ。たとえ状況が最悪に思えるような時でも。」

物語形式でさくっと読めるので、チームビルディングに悩んでいる方はぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。

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