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文学_夏目漱石『変な音』のあらすじ

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面白さ

夏目漱石を読みたいけれども、長めの小説ばかりだから取り扱いにくいな〜と思っていました。

そのことをふわもふぐさん(勝手に名前出してスミマセン)に相談すると、オススメいただいた作品です。

つまり、非常に短いです。むちゃくちゃ短編です!


この作品を読めば、あなたは

「こないだ、夏目漱石の小説を読んだんやけど〜」

とマウントを取ることができるでしょう!

と、冗談はさておき、

『変な音』の面白さは、僕は生死の対比にあると思いました!


また、夏目漱石自身が大病を患ったあとに書かれた作品です。

そのため、自身の経験と重ねて書かれていると言われています。


あらすじ(上)

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暑さに向かう季節でした。

とある病院でウトウトしていると、

ふすま1枚で仕切られている東隣の部屋から変な音が聞こえてきます。


それは、わさびおろしで、大根を擦っているような音でした。

しかし、ここは病室であり、キッチンは遥か遠く飲食禁止でした。


私はきっと別の音だろう…と考えますが、気になって仕方ありません。

音の正体を突き止めるために、隣の部屋に行きたいけれども、行くほどのことでもないと少し葛藤します。

変な音は5〜6分おきにしたり、しなかったり。気になって仕方ありません…。


そんな中、隣の部屋では看護師たちがザワザワとしており、

もう治らないだろう…とボソッと呟いているのを耳にします。


そして、しばらくしてその部屋の患者は退院して、新しい患者が入院してきました。

それからは変な音はしなくなり、私も退院しました。


あらすじ(下)

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退院してから3ヶ月後、再び私は入院してしまいます。

再入院した場所は、元のいた部屋の西隣となりました。


周りには自身と同じように入院している患者が3人いました。

それぞれ胃ガン、食道ガン、胃潰瘍と重病を患っていました。

結局、そのうち2人が亡くなってしまい、私は快方へ向かいます。


快方に向かった私は院内を歩けるようになり、たまたま看護師と話すことになりました。

その看護師は1度目の入院の際に、変な音を出していた例の部屋を担当していました。

その看護師から逆に質問を受けます。

「あなたの部屋からしていた、あの変な音は何?」


よくよく聞いてみると、私が毎朝ひげを剃るために磨いていた音だったようでした。


隣の部屋(変な音が出ていた例の部屋)では、患者が気にかけていて、

「きっと運動器具の音だ。羨ましいなぁ。」と言っていたとのことでした。


私は「あなたこそ部屋から変な音が出ていたが、あれは何?」と聞きます。

すると、患者の足を冷やすためにきゅうりを擦っていたとのことでした。

きゅうりの汁を足を冷やすために使っていたみたいです。


その患者は退院したものの、まもなく直腸ガンで亡くなりました。

下記が最後の一文です。

そうしてきゅうりの音でひとを焦じらして死んだ男と、革砥の音を羨ましがらせて快くなった人との相違を心の中で思い比べた。

解釈


特に2箇所気になる点がありました。


生と死の対比について

最後の一文からも死んだ男と快方に向かった人(私)が対比されています。


また、西と東という方角が書かれており、それぞれ生と死を意味しているのかなと思いました。

下記、一文です。

時々東のはずれで、付添つきそいのものが氷を摧くだく音がした。その音がやむと同時に病人は死んだ。

しかし、一般的には東は生を表し、西が死を表すことが多いのですが。


菊とベゴニアのくだりについて

上記のあらすじでは省きましたが、菊とベゴニアのエピソードがあります。


私は菊を買おうとして値切ったが値切れずに、

ベゴニアを買って病室の縁側に置いて眺めているシーンがあります。


本編の流れからすると異質なシーンなので、解釈しがいがある箇所かなと思います。


まず、菊をお見舞いで持っていくのはタブーの代名詞。

どうやら明治時代あたりからタブーとされ始めたみたいです。


なのに、なぜ菊を買おうとしたのか?

単なる好みなら、それまでですが…。


また、代わりに買ったのがなぜベゴニアなのか?

夏目漱石の友人にベゴニア好きの人がいたみたいです。

その人を思い浮かべながら書いたのでしょうか?

それとも…単なる好みでしょうか?


おそらくこのシーンは夏目漱石の当時の考えや出来事から考えていくと何か出てくるのではないかなーと想像しています。


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