歩く。
ライターとして働いているからか、気づいたらほとんど歩いていない日々を過ごしている。家から出ない日なんてひどいもんだ。数えたことはないけれど、1,000歩も歩いていない気がする。せめてもの運動と思い、散歩に出かけるが20分、30分ほどで帰宅する。誰が決めたのかさっぱりわからない健康論である1日1万歩にはほど遠い。
今日カフェで一緒に仕事ををしていた友だちと歩きながらそんな話をしていた。
「歩くのは健康にいいらしいね」
「最近、めっちゃ散歩しているんすよ。ここ最近で一番散歩してます」
「そーなん。でも単に歩くだけじゃ意味ないらしいで。速歩きせな」
「心拍数100以上ぐらいあるといいみたいっすね」
「そーなん。ほなこれぐらいちゃう」
「ちょっ、速いっす」
どこかで得た信憑性があるのかないのかわからない話をお互いに持ち出し、30分ほど歩いた。今日だけ実践しても効果はそれほどないと思うが、歩くのは健康にいいからという理由で歩いた。
友だちとはトイレでこんな話もした。
「あれが健康にいい、あれが健康にわるいっていちいち考えていたら、ストレスたまるやろ。絶対そっちの方が健康にわるい気がするねんけど」
「いやー、たしかにそうかもしれないっすね。いちいち考えてたら、それだけで頭のキャパシティがパンパンになりそうす」
「なんか頭からっぽにしてさ、体が求めることをやるだけでいい気がするんよ」
世の中には、数え切れないほどたくさんの健康法が出回っている。あり過ぎて健康になるのはものすごく大変な気がしてくる。もっとシンプルに考えていいのかもしれない。
座りすぎて足が冷えたから歩こうとか、脂っこいものを食べすぎて胃がしんどいから消化にいいものを食べようとか。もっと言えば、腹が減ったら食べる、寝たくなったら寝るぐらいでたぶんいい。自分の体がどんな状態で、何を欲しているのか、それをもっと感じることから始めたい。
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