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「ありがとう」が壁を作ることもある。

「お互いに『ありがとうございます』というの辞めにしましょう」とある人から言われたことがある。距離を感じるからという理由だった。コーチングをさせてもらっていたときだと思う。

インタビューのときやコーチングのセッションをするとき、相手が話し終えると無意識的に「ありがとうございます」と相槌をうっていることがある。音源をもらって記事を制作する仕事を毎月何本かしているのだが、そのときのインタビュワーの方がいつも言っているのを聞いて、それがうつってしまっていた。話してくれて「ありがとうございます」という感謝のつもりで言っていたのだが、相手によってはそれを壁として捉える人もいるのだと気づかされた。

たしかに普段、誰かと話をしていて、相手が話し終える度に「ありがとう」と言うことはない。「そっか」とか、「へぇ」とか、「なるほど」とか。そういった相槌をうつことが多いだろうし、仲の良い友だちであれば「マジか」とか、「ヤバい」とか、もっと砕けた相槌をうつ。インタビューやコーチングの場はなるべく相手に緊張をさせず、本音で話してもらうことが重要だ。ある一定の距離感も大切なのだけれど、あまりにも壁があるのは良くない。壁を作ってしまう原因が「ありがとう」にあるとは、思いもしなかった。教えてくれて、それこそ「ありがとう」と感謝したくなった。

「そんなに気を使わないでください」とインタビュイーの方から言われたこともあった。そう思うと、ぼくにはもう少し図々しさというか、細かいことを気にしないあっけらかんとした態度というか、そういうものが足りていないのかもしれない。インタビューでも、コーチングでも、この場を良い場にしようと思えば思うほど、肩に力が入り、気を使いすぎてしまうことになりかねない。

どうしたって緊張はするものなのだけれど、楽しむ気持ちを忘れずに、もう少しリラックスして臨みたい。みんなどうしてるのだろう……。

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