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日常的な光景(冤罪)

「いえいえ、私なんて全然飲めない方ですよー。もいぺさんの方が全然飲みますよ」

そんな、甲高い声が聞こえてきて、慌てて後ろを振り返る。

「ねえ。もいぺさん。昨日はビール何本飲んだんですか?」
目が合った瞬間A子が畳みかける。

え?何の話?・・・っていうか、私昨日ビール飲んでないし、いや、そもそもここ数か月お酒一滴も飲んでないし・・・

状況を把握しようと目を白黒させる。どうやらA子が他部署の上司と酒談議で盛り上がっているらしい・・・が、
話をしている相手の方も、急に話が第三者に向けられて、戸惑ったような表情を私に向けている。

「・・・いや、昨日は飲んでないし・・・」
ここまで言うのが背一杯、時間切れ。

お客さんが来ればどんな話の途中でも中断して応対しなければならない。
何しろ、仕事中なのでね。そうしている間に、後ろの話も終わったようで、何事もなかったかのようにお客さんの対応に追われている。

・・・ああ・・・やられた・・・こうして冤罪は作られていくのだ。



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