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そして話してくれたこと

書くつもりなかったんですが、楽しみにして下さってるとのコメントに調子づいてます。 結局息子は良いネタですw

彼女に会うためだけの旅行から戻った息子は、欠伸をしながら 迎えに行った私の車に乗ってきました。(まぁ乗り替え含めて飛行機で6時間だから・・・)

「おかえり、むこうは暑かった?」
「いや、なんかずっと雨だったからそんなに」

ほう、そうかそうか。彼女に会いに行くというのに服装をあまり気にしていなかったっぽい息子(そういうところ、ちょっと残念に思う。。。) は出かけるときは長袖を着ていたのです。飛行機の中はがんがんに冷房がかかるからとは言え行き先はここより南部の州、気候の違いにどんな服を持って行ったかすこし心配してたんです。むこうが暑くなかったならよかった。

「そっか、でもデートに雨は残念だったね。何見てきたの」
「水族館とかミュージアムとか・・・」
「水族館かぁ、さすがに大都市だねぇ。」

聞きたいことは沢山あるけど、ここはちょっと我慢。
ハハとしては運転の道中に意識を持っていきます。

「・・・あのね、ベトナムフォー食べたよ」

しばらくして息子が自分から話し出したのは、その前日のお昼に食べたものの話。

「へぇ、美味しかった?」
「うん、あちらのご家族が良く行くところなんだって。」

うちの娘がSNSから探し出した、弟の彼女と思われる子の写真(こちらが驚くくらい可愛い子だった)はアジア系アメリカ人のようでした。家族でよく行く=アジア系確定だな、もしかしたらベトナム系かな。

「ベトナム系のひとたち、ってこと?」
「そう、その子のお母さんがね、うちでよく行くフォーの店のおばちゃんそっくりで、あんな訛りの英語でさ」

思わず吹き出しました。あーわかるわぁ、ベトナム系の元気なお母さん。

「で、夕ご飯はお兄さん夫婦と一緒に韓国料理食べた。お父さんは来られなかったけど」

おやおや、みんな一緒にですか。

「・・・・ん?もしかして、1日中運転してくれてたの、お母さん?」
「そう、まだ彼女の運転では心配って」
「えーと、もしかして到着した日もお迎えとか来てもらった?」
「うん、遅い時間だからって」

確かにあちらに到着して空港を出る頃には午後10時半だったでしょう。

「・・・ってことは、今朝も早朝にホテルに迎えに来てくれて送ってくれたとか」
「・・・うん、ほとんど会うのが1日だけだったからって、見送りにきてくれた」

うわーーー、やっぱりそうか。

「ごはんもね、払わせて貰えなかった(まぁそうだろうよ)。ホテルに朝ご飯ついてる、って言ったんだけど、ホテルのそばのカフェの朝ご飯食べよう、って迎えに来てくれて」

うあぁぁぁぁ すっかり親戚の家に遊びにいった甥っ子みたいに相手して下さってる・・・・

「ってことは、一日中親付きデートか」「うん」

まぁ、でもそうですよね。
私でも自分の娘に 州外からボーイフレンドが会いに来る、って言ったら同じ事するかもな、17,18才では。どんな男の子かわからないし、大体私くらいの年代であればネット(息子の場合ゲーム)で知り合う、というのに懐疑的な人が多いのではないかな。

「でもなー、○○だったからそのまま送り出したけど、△△子(娘)だったらかーちゃんもそうしたと思うよ」
「彼女のお兄さんも言ってた、お母さん僕の時はほっといたくせに、って」

そういう息子はなんか嬉しそう。ま、親ってそんなもんであろう。うん。


・・・あ、と運転しながら思った。またわかっちゃった。
親付きデートでも二人は充分たのしく過ごしたんだろう。夕飯をみんなで食べてホテルに送ってもらって・・・そのあとほぼ一晩中、二人でテキストしてたんだろうな。多分これも、かーちゃんはあんまり外してないと思うよ。

そういう思い出もすごく大事。やっと会えたけど、初めてのボーイフレンド・ガールフレンド。上手く話せなくて、でも楽しくって。家に帰ってからも楽しかったね、ってメールしたり。

なんかいいなぁ、そういうの初々しくてさ。
もちろんこれから大学で誰に会うかわからないし、こういう初恋のもどかしい切ないお付き合いはそのまま消滅することもよくある。

でもハハとして良かったな、と思ったのは息子の態度・雰囲気が柔らかくなったこと。昔みたいに私をみて笑うようになった。小さい頃のように話したいことがあると近くに来て、ずーっと喋っている、・・・・までは行かないけど、すこし話してくれる。(大分、親には口をきかず不機嫌そうな時期が長かったのです)

大きくなったけど、まだ時々小さな頃の姿と重なる。

これからもっといろんなことを経験して、いろいろな傷を作って時々もの凄く嬉しい事もあって生きて行く。それでいい。

それにしても恋をしてる、って、無条件にいいなぁ。うん。

サポート戴けるのはすっごくうれしいです。自分の「書くこと」を磨く励みにします。また、私からも他の素敵な作品へのサポートとして還元させてまいります。