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アメリカの大学受験(6) 多様性のこと

大分空いてしまいましたが、アメリカの大学受験の話のつづきです。
先に書いておきますが、今日のは 直接的に「受験」のテクニックや基礎知識・・・ではありません。


(記事があちこちに飛んでいるので、マガジン作りました!)

さて、アメリカという国を語るときに「人種差別」を語らないわけにはいきません。それは

 ネイティブアメリカンから土地を奪った歴史

であり

 黒人奴隷を使いその差別を合法化し人間として扱わなかった歴史

であり

 有色人種coloredをプロパガンダを用いて社会の怒りをそちらへ向けた歴史

です。詳しいことはまた別に書こうと思っていますが(これでも人権擁護活動を始めて約10年になるw)差別というのは多分、動物の生存本能と強力に結びついていて ある意味「生理的嫌悪感=生存本能」なので、難しさも広く深いのです。



で、アメリカの大学受験で面白いと思うのは

「人種構成・男女比」

などを「特色」として全面に打ち出すところです。
こんなの関係あるの?と思うならあなたはまだひどい人種差別を受けたことがないにちがいない。

差別心を向けられたとき怖いのは命の危険を感じることです。

ま、とにかく「アカデミックワールド(教育分野)」では「差別心を顕わにする=自己統制や知識がない」と一応は(笑)されています。人間は見た目や育った環境・文化にかかわらず人権を同様に持つべきで平等であるべきだ、という考えです。(いや、本当ではないから大事にされるともいう)

ここから【多様性を重んじる】ということが学校としての「純粋に学問を究(きわ)める」姿勢を打ち出す方法ともされている感じです。
下の写真は合格者に送られる分厚い大学のパンフレットの1ページですが、どの学校も人種的多様性を表現しようとしているなと感じます。

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アジア人である私達には 色々な意味でここも「受かるか受からないか」の重要ファクターではあります。また「受かっても受け入れられるかどうか」を考えるのに大事なところ。

また、個人的には人種や性別の多様性はもちろん、学校としてのそれらへのサポート体制も気になるところではあります。それを学校選びの要素の上位に据える必要はないけれど、合格したら1度調べてみてもいいのかな、くらいには気にしていたいなと思います。

日本人は相手を信じやすい(そしてそれは美徳でもあると思うけれど)ところがあるし、世の中は「良い人が多い」と私達は信じたい。でもそれだけではない現実だって、すぐ隣にあるからです。


もしこれを読んでくれている人が「受験しようとしている」ご本人なら、頭の片隅にでもいいから多様性のことは置いていてください。
各大学、いろんな名前で相談窓口を置いています。学生の組織する団体もあるし、あるいはその大学のある自治体が政府系人権団体として関わってくれることもあります。

それらを知識としていれることは 身を守ることでもあり相手を受容することの基礎にもなります。

せっかく いろんな新しい試みをするのが好きなアメリカ の大学に行くのだからね。傷つけられることは最小限に(そしてちゃんと予防策をとって)、沢山の「ちがうもの」に触れて欲しいなぁとおもいます。


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ヘッダー画像はYale(イエール)大学の大学訪問ページよりお借りしました。




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