見出し画像

あなたは私で私はあなた

偉大なる教師

前回の記事で、「外側の姿と内側の姿が違いすぎる女性」とのお付き合いの中で、私が得た「教訓」について書きました。

この女性からは、本当に多くのことを学びました。

彼女の在り方は、私にとって、なんというか、色々と衝撃的だったのです。

本音と建前が「真逆」というほどに違う人だったので、私も、彼女を知る私以外の人たちも、たびたび混乱させられました。

顔見知り程度の知り合いの目には、彼女は「良い人」に映るでしょう。

ですが、付き合いが深くなればなるほど、私たちの目には、彼女は「ちょっと難しい人」に映りました。

人間というものは、誰でもそういうものなのかもしれませんが。

もちろん、良いところや素晴らしいところもたくさんありました。

ただ、それを忘れ去ってしまうほどに、困った事態に巻き込まれすぎて、混乱の渦中にいた当時は、彼女のことが嫌いで嫌いで仕方ありませんでした。

今でも好きとは言えませんが、大きな学びを与えてくれたことには感謝しています。

今になってみると、彼女は「偉大なる教師」だったと思えます。

あなたは私

本音と建前が違うのは、彼女に限ったことではありません。

彼女の「二面性」は、私自身の二面性でもあります。

これは、社会的な二面性の話ではありません。

彼女の二面性を見て、私が気づかされたのは、私自身の中にある「精神的な二面性」です。

心理学では「インナーチャイルド」と呼ばれているものだと思いますが、彼女が言っていた本音をよくよく思い返してみると、彼女のインナーチャイルドが言っていたように思えてならないのです。

彼女の外側だけを見ていると混乱しますが、辻褄の合わないところは、彼女のインナーチャイルドが、大人の彼女に言っていたことなのだと仮定してみると、そういうことか!と納得がいきます。

彼女が周りの人に対して言っていた不満は、彼女のインナーチャイルドが、大人の彼女に言っていた不満なのだと考えると、全てが腑に落ちるのです。

彼女は、常識的な自分であらねば、と自分を律するあまりに、本音を封じ込めてきてしまったのではないか。

本当は、彼女のインナーチャイルドが、大人の彼女自身にやってもらいたかった、やめてもらいたかったことなのだろうと思うのです。

誰でも、自分の「見たくない本音」と向き合うのは怖いものです。

というか、「周りの人に対して思っていること」が、「自分のインナーチャイルドが自分に対して思っていること」だなんて、想像すらしたことがない、という方が当たっているかもしれません。

「私こんなことやってる時間ないのに」

彼女のインナーチャイルドは、大人の彼女に言います。

大人の彼女は、その声を無視して大人の振る舞いを続けます。

彼女のインナーチャイルドは、無視されてイライラします。

そのイライラを、大人の彼女は、周りの人へのイライラと認識する。(外側に投影する)

だから、大人の彼女も「私こんなことやってる時間ないのに」と口では言うけれど、自分から問題解決のための行動を起こさないので、周りの人のせいにしてしまう。

こういうことなんじゃないかと思います。

こういった理解を持たずに彼女の外側だけを見ていると、「人のせいにばっかりしてないで自分から行動すればいいのに」と思ってしまいます。

でもきっと、今までに身につけてきた偏った信念が邪魔をして、「自分から問題解決のための行動を起こす」という発想にまで辿り着けないのです。

私自身がそうだからです。

彼女は、私なのです。

私はあなた

「人のせいにばっかりしてないで自分から行動すればいいのに」

彼女に対して言いたいことは、先ほど書いた理解の仕方で言うと、私のインナーチャイルドが、私自身に言いたいことなのです。

私にもそういう面がある、ということです。

彼女という存在を通して、私のインナーチャイルドは、私に伝えているのです。

彼女がどんな問題発言をしたとしても、自分が気分良く過ごしていたいなら、自分で問題解決のための行動をとれば良いのです。

だって考えるのめんどくさいし。
だって言える立場じゃないし。
だって言ったら相手を傷つけるし。
だって言ったら関係が悪くなるし。
だって何しても悪く言われるし。

言い訳がどんどん浮かんできます。

私が今までに身につけてきた偏った信念が邪魔をします。

でも、私のインナーチャイルドを癒すには、この信念を変える必要があります。

インナーチャイルドが癒されないままでは、同じ問題は、姿を変えながら、繰り返し目の前に現れ続けます。

癒されることが、「本当の私」が望むことだからです

癒し方についての、私の今のところの考え方についてはこちら。

でも、この記事を書いたときより、感情についての理解が深まったところがあるので、感情への態度を変える必要がありそうです。

湧き上がってくる感情に対しては、「そうか、今まで気づかなくてごめんね、教えてくれてありがとう」と受け止めることがまず必要な気がします。

彼女とのお付き合いの中で、私の苦しみは、私が自分の行動と考え方を変えるまで続きました。

他人の感情の責任は他人にあり、自分の感情の責任は自分にある。

他人の行動は変えられないが、自分の行動は変えられる。

これを身をもって体感し、「スルー技術」を身につけたところで、彼女は私から自然と離れていったのでした。

鏡の秘密

外側に投影されるのは、嫌な面ばかりではありません。

当然、良い面だって投影されるのです。

この人のこういうところが好きだなとか、尊敬するとか、憧れるとか、そういうものも全部、インナーチャイルドが教えてくれている自分の隠れた魅力なのだろうと思います。

神社の御神体が鏡なのも、こういう仕組みを現したものだといわれています。

鏡にうつる自分の中にこそ神さまはいる、という。

この話、私は本当だと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?