死にたい気持ちを抱えて生きる
キッチンで包丁を洗っているとき、ハサミやカッターを使っているとき、横断歩道で号待ちをしているとき、駅のホームで電車が来るのを待っているとき、段差が急な階段を降りているとき、高台に登って遠くの街を見下ろしているとき。そういった瞬間に、私は決まって死を連想する。ひとつ行動を起こせば、一歩分の勇気があれば、私は簡単に死んでしまうのだと、安心と不安が入り混じった感情が胸の奥で渦を巻く。その意思さえあればいつでも死ねるんだという安心感と、意思など無くとも簡単に死んでしまう可能性があるん