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(2022:その01) ウクライナ戦争・宗教

ロシアのウクライナ侵攻があった2022年初頭の神殿講話の原稿です。
1年経過しましたがやはり、戦争は終結しておりません。
宗教の問題が根底にあると、人間、民族、国の和解は困難かもしれませんが、親神様が悲しまれているのではと心が痛いです。

天理教会長もいちゃんのお話 (2022年) | もいちゃん | 宗教学 | Kindleストア | Amazon

から抜粋しています。
 
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本日は、ウクライナ戦争と宗教について、思う所をお話したいと思います。(かしわ手)
 
 最近ニュースで話題になっているロシアのウクライナへの侵攻ですがニュースではロシアがNATO(北大西洋条約機構)を軍事的に脅威に思って、どうしようもなくウクライナに侵攻したとの報道のみが流されています。

 しかし、今回のウクライナ戦争はかなりの宗教的な側面があるようです。ロシアやウクライナはキリスト教の国です。キリスト教は皆さんご存知かと思いますが、イギリス・アメリカなどが主のプロテスタント、ヨーロッパなどが主のローマカトリック教会、ギリシャやロシアなどの東側の国に多いギリシャ正教があります。

 以前からロシアやウクライナはギリシャ正教の一派であるロシア正教会に属しており、同じ宗派のキリスト教を信仰していました。しかし、政治的にウクライナがロシアから離れていくとともに、2018年にウクライナの大部分のキリスト教信者はロシア正教会から離れてウクライナ正教会として独立をしました。しかしながら、少数派としてロシア正教会に所属する信者や教会もウクライナ国内には残っていました。
 今回のウクライナ侵攻の際にプーチン大統領は、
『ウクライナ政府がウクライナにあるロシア正教の教会を破壊し、ロシア正教徒を弾圧している』
と非難しています。 

 NATOのことも原因かもしれませんが、このようにウクライナへの侵攻には宗教戦争の側面もかなりあるようです。
プーチン大統領は熱心なロシア正教の信者と聞いていますから、ロシア正教を裏切って、ウクライナ人がウクライナ正教として独立したことを許せないようです。

 皆さんは、キリスト教は愛を説いて、慈愛に満ちた寛容な宗教であるとのイメージがあるかもしれませんが、熱心なキリスト教徒にとっては、異なる宗教を信仰している異教徒は地獄に落ちる存在で、言い過ぎかもしれませんが、異教徒は極論すれば殺してもいいと思っている人もいます。

 長い歴史のなかのイスラム教徒との戦争、キリスト教内の中でさえもカトリックとプロテスタントとの戦争など枚挙にいとまがありません。

 つまるところ、今回のウクライナ戦争ロシア正教ウクライナ正教との争いの側面が強くあり、簡単に戦争は収まらないと思います。

 親神様はこのような状況を見られてどう思われているでしょうか?

 親神様は天保9年10月26日に中山みき様に降りられ、
「我は元の神・実の神である。この屋敷にいんねんあり。このたび、世界一れつをたすけるために天降った。みきを神のやしろに貰い受けたい。」
と宣言されました。

 これは親神・天理王命が、私たち人間に対して発せられた最初のお言葉で、「立教のご宣言」といわれているものです。

ここで、親神様は世界一列を助けたいと仰せられています。

また、『天理教教典』には「十のものなら九つまで教え、なお、明かされなかった最後の一点、元の親を知らして」とあるように、本教は、人間創造の元の神がつけられた陽気ぐらしへのたすけ一条の道であることが記されています。

 どの宗教の教えも、親神様がその時・所に応じて現された修理肥の教えであり、敬意を払うようにと教えられています。

 つまる所、世界3大宗教である、キリスト教、仏教、イスラム教の教えは、元々は親神様が、キリスト、ブッダ、マホメットにその所・場所において、説いた教えだということだと私は思っています。

 しかし、どの宗教においても
『神は人間が陽気に楽しく暮らすのを見たくて人間を創造した。』
とまでは説いていません。

 江戸時代の末期に人間が生きている意味は、
『みんなで陽気に楽しく暮らすこと』
と神様は念押しに、中山みき様の口を通して教えて下さったのが天理教です。

 こう考えるとやはり、今回のウクライナ戦争は親神様から見たら、とても悲しいことだと思います。

 自分が信じるものが絶対で唯一正しいと思うのではなく、色々な価値観、考え方を認めつつ、私達人間が皆で陽気に楽しく生きていくことを親神様は望まれていると思います。

 そのような親神様の想いを心に刻みながら、世界の平和と安寧を祈りつつ、今回のウクライナ戦争が早く終結することを祈っていきたいと思っています。
 
以上つたない話ではございましたが、御清聴ありがとうございました。(かしわ手)

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