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マイ・プライベート・アイダホ My own private Idaho/ガス・ヴァン・サント

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タイトル:マイ・プライベート・アイダホ
My own private Idaho 1991年
監督:ガス・ヴァン・サント

グザヴィエ・ドランはこの映画大好きなんだろうな。この間のジョン・F・ドノバンのラストで思いっきり引用していたし、胸騒ぎの恋人なんかもヘテロの男性に恋するゲイの主人公というこの映画まんまな内容だったし。ドランがここにある世界観を推し進めようとしてるのはよく分かった。

あと観ていて思ったのがラリー・クラークのKidsの世界観に通じる所。それは当然でガス・ヴァン・サントがKidsの総指揮を取っていたので、この映画の延長にあるのは当然なはず。ハーモニー・コリンのガンモなんかも近いものを感じる。その後の2000年代以降も含めたアメリカのゲイ映画のある種の起点にもなっていると思うけれど、昨今ブームになっているLGBTQが題材のものはテーマが絞られ過ぎていて、90年代のこれらの映画に比べると雑多さが少ないように感じる。90〜00年代はマイノリティという主題の中にLGBTQの主眼が盛り込まれていた。ストリートの感覚や若者の群像劇的な描き方は、イギリスのドラッグカルチャーを盛り込んだトレインスポッティングの方がストリートというカルチャーで言えば近いのかもしれない。とはいえ、ぶっきらぼうなキャラクターの様はウォン・カーウァイのブエノスアイレスにも通じるものがある。ムーンライトのバリー・ジェンキンスやドランもウォン・カーウァイに影響を受けているので、やはりこの辺りの感覚も繋がっているのだろう。

劇中のリバー・フェニックスの存在の強さたるや、もし存命だったらドランは必ず配役に選んでいただろうし、ホアキン・フェニックスと並んで時代を動かしていただろうと想像すると彼という存在が失われた事の大きさを感じる。

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