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てんちゃん、おはよ。【2】〜新入り来たる〜

「てんちゃん」こと「てんぷら」という名をもつ、
我が家のいとしきスナネズミ。

てんちゃんが我が家にやってきてから、
在宅中の私はもっぱらケージの前に張り付き、
気がついたらものすごい時間その場にいた…

ということを幾度となく繰り返すほど、
私にとって彼女は、
かけがえのない存在になっていた。

(ヒーターの上でまどろむてんちゃん。)

そんな毎日が、
私は幸せだった。

でも、てんちゃんはどうだろう。
こんな狭い場所で一人っきりで、
寂しくないだろうか。
そんな考えが頭をよぎった。

もう1匹連れてきたら、
仲良くなるかな。
退屈しないかな。
寂しくないかな。

てんちゃんもそう願ってることを祈りながら、
私の足は東京の東側に向かっていた。

ペットショップ到着

そのペットショップにいたのは、
ライトグレーの毛に白い模様の女の子。
(グレーパイドというらしい)

ひと目見て、
この子にしようと決めた。

(写真は家に来て2日目のもの)

帰りの電車に揺られながら、
てんちゃんの時と同様に、
この子の入ったちいさな箱を、
両手で大切に包んでいた。

この子の名前は「ざびえる」にした。
頭の模様が、
あのお方に似ているなと思ったからだ。

(あのお方=フランシスコ・ザビエル)

早くてんちゃんに会わせたい。

駅から家までは、
自然と早足になっていた。

まさかの緊張が走る

「ただいまァ」

家に着くなり、
小さな箱を抱えたまま、
てんちゃんのもとへ直行する。

てんちゃん、
お友達連れてきたよ。
ざびえるだよ。
はじめまして〜

ソワソワした私の両手の中で、
ざびえるの鼓動を感じる。
フワリとおがくずの上に降ろす。

おもむろにホイールに飛び乗るざびえる。
のそのそと、
マイペースなてんちゃんが近づく。

(初対面)

その時だった。

ビィンと、
筋肉の張るような音が聞こえたかと思うと、
てんちゃんがものすごい形相で、
シャーッ、シャーッと威嚇している。
(そんなこわい顔するの…?)

それに気づいたざびえるは、
チィー、チィーと、
すごくか細い高い声。

小回りのきく小さな体で、
すばやく逃げ回る。

かまわず追いかけ回す、てんちゃん。
おびえて逃げ惑う、ざびえる。
この状況に唖然とする、私。

そんなカオスを続けるわけにはいかず、
ざびえるに飛びかかろうとするてんちゃんを、
必死に手のひらで阻止。

どうしよう。

このままじゃ…、寝れない。

ざびえるの安全を確保するため、
もう一度あの箱に戻そうか。
でも、それはそれでかわいそうだ。

頭の中をぐるぐるさせながら、
ひたすらにてんちゃんを阻止していると、
疲れたのか、
てんちゃんが休憩に入った。

ざびえるはというと、
いまだにか細い声で鳴いている。

ざびえる、ごめん。
私が甘かった…。

空気が変わった

今夜は徹夜かな…。

と絶望を感じていた矢先、
ケージの中のゆるやかな雰囲気に気づく。

…ん?
なんか…、
近寄ってるやん。

(シャーシャーやって、15分後にはこの距離感)

あの、殺気立った空気は何だったのか…。
これはもしかすると…、寝れる!

いい相棒に

そんなこんなでこの2人、
お互いに毛づくろいしたり、
寄り添っておやすみしたりと、
すっかり仲良しになりました。

おーい、
なんて人騒がせな(^^;)

それにしても、
ガジガジ仲間ができて、
てんちゃんなんだか嬉しそう。

ざびえるも、
てんちゃんと一緒だとリラックスしてるっぽい。

そんな2人を見て、
ますます、
ケージの前から離れられなくなってしまった。

あぁ、
毎日いとしい。

→【3】に続く。

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