택시운전사 / A Taxi Driver(邦題:タクシー運転手)1980年 光州事件の実話を基にした韓国映画
事件当時、韓国の軍事政権により報道規制されていたため、日本ではあまりニュースにならなかったようだ。
映画のストーリーそのものは実話と異なるが、ドイツ人ジャーナリスト:ヒンツペーター氏が撮影した、軍による民間人への鎮圧棒による暴力や一斉射撃などの残虐行為の映像が世界に知れ渡ったことは事実。
雑感
1980年、お隣の国でこんな事件があったことを知らなかった、が第一印象。
今もそうだが、日本のTVや新聞で欧米のニュースは毎日のように流れてきても、隣国の様子はネット等で情報を取りに行かなければ、その実情は分からない。
この映画の冒頭で、在日中の外国人記者が外国人記者クラブで、日本では国内で実際に起こっていることが何も報道されないことを皮肉っており、それは今も変わらない。
日本のマスコミが政府等の記者クラブに所属し続けようと思えば、忖度した記事を書かなければ締め出される。ちなみにフリーランス等が締め出される「記者クラブ」が存在するのは日本、ガボン、ムガベ政権下のジンバブエ等で独特のシステムと言われている。
話を映画に戻すと、ストーリー的には少し尺が長い。
監督が後半で山場にしたかったと思われる、軍用ジープとタクシーのカーチェイスはコミカルでしかない。
シリアス路線の映画に、あのシーンは不要。
物語が重くなるが、光州市民のことをもっと描いても良かったと思う。
光州事件当事者の権利が復権したのは約20年後。
1997年に国の記念日となり、2001年には事件関係者を民主化有功者とする法律が制定。韓国の近代史でもっとも大きな事件の一つ、かつ韓国における民主主義の分岐点となった1987年6月の6月民主抗争の原動力となった。
実在したドイツ人ジャーナリストの情報はこちら。
そして、この映画の主人公の元となった方。
映画の最後にドイツ人ジャーナリスト本人の映像とコメントが流れてくるが、Wikiの情報と矛盾する。
どちらが正しいのかは分からない。
Amazonプライムビデオで視聴できる。
MOH