「成瀬は天下を取りにいく」 宮島未奈(著) 突き抜けた主人公/滋賀県民の必読書かもしれない
第12回 JWS 日本透明水彩会展(丸善ギャラリー)を観たあと立ち読みして、記事のおまけにするつもりが、そのあとオンラインで試読すると面白く、Kindleで購入し即読了。
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「成瀬は天下を取りにいく」宮島未奈(著)
短篇集の目次 と コメント
ありがとう西武大津店
(オンラインで読めるので省略)
膳所から来ました ←滋賀県民以外読めない固有名詞
M1グランプリ出演
階段は走らない
成瀬とは別の物語、成瀬と島崎は背景として登場
線がつながる
成瀬は坊主頭の高校1年生
レッツゴーミシガン ←ミシガンに乗船したくなる
恋愛は人生の後半、100歳を過ぎてから
ときめき江州音頭
別れはあるが、終わりではない
一編まるまる試し読み
「ありがとう西武大津店」2か月限定! 全文公開中
https://www.shinchosha.co.jp/book/354951/preview/
丸善本店フィクション1位に釣られ立読みすると、始まりのテンポが良く、最初の一篇を読んでみた。
ユニークで何でも出来てしまうスーパー中学2年生成瀬あかりが主人公、その友人島崎みゆきが一人称で語る日常系青春物語。
他の短篇の書き方はこの限りではなく、最後の一篇は成瀬の一人称で彼女の内面が著されている。
最初の短篇を読んで、成瀬あかりのキャラクター設定がこの物語の全てだと思った。目の離せない独創的な子。
「あかり」つながりで思い出した。
自著SF小説の主人公小林亜香里もキャラを立てれば、物語が変わっていたのかもしれない。
(と思いつつ、彼女は能力者設定なので、それをやると地球が飛んでしまう…)
第196回コバルト短編小説新人賞作品「二位の君」を読み、この作者はキャラクター設定だけが売りではないことを知る。登場人物を真面目に書いているようで、さりげなく可笑しみを挟み込み、短篇の中で登場人物の内面変化を書いている。これは、万年二位の高校生女子二宮あさひが一人称で語る二位の物語。
「成瀬は天下を取りにいく」は、滋賀県民の必読書なのかもしれない。
発売記者会見は滋賀県庁で行われ「滋賀ふるさと観光大使:西川貴教」からの祝電が披露された。
著者のおすすめスポットは、近江神宮と遊覧船ミシガン😊
オンラインで短編2作を読んだあと、Kindleで購入。
最初から飛ばしている物語で、閉店した西武大津店が気になり調べてみると、検索のトップが著者の記事😅
作者のネット配信は成瀬並みに走っている
自身の出版も記事に
帯で絶賛
帯でこの本の雰囲気は分かると思う。
中学時代の2作は飛ばすが、高校時代の後ろ3作は成瀬も成長したのか、中学生の時ほど飛ばさない。それでも行動はユニークで、物事に真っ直ぐ取り組み妥協せず、礼儀正しい姿は相変わらず。
今のこの国では、大人も子供も周りの目や世間体を気にして(気に掛けて)生きている(生きていかざるを得ない)から、成瀬のように真っ直ぐに努力していく姿を応援したくなるのかも知れない。
MOH
追記:
最近の大津港とミシガンの様子はこちら