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コリン・ファレル主演『Suger』全8話/クラッシックな映画ファンには興味深いドラマ

オープニングが終わると、そこは渋谷のスクランブル交差点。
「アレッ?」と思うが、主人公コリン・ファレルは仕事の依頼で日本を訪れただけで、直ぐ舞台はハリウッドに変わる。

21世紀ロサンゼルスが舞台のハードボイルドな私立探偵物語

物語が始まるとコリン・ファレルは現代風で裕福な私立探偵。
・趣味の良いホテル住まい
 あちらこちらにカメラを付け、居ない時の訪問者をMacBookで確認😊
・バーでウイスキーのストレートを煽っても酔わずクルマを運転
・仕立ての良いスーツとシャツを纏い、高価な腕時計
・愛車は1965年製シボレー コルベット コンバーチブル
弱き物には優しいが、依頼されたことには忠実で暴力を厭わない。

そんな設定の主人公がシーズン1で依頼された仕事がこちら。

あるハリウッド・プロデューサーの最愛の孫娘が行方不明になり、内なる悪魔と戦う謎めいた私立探偵が捜査を担当する。

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優雅な私立探偵役に既視感を感じ、記憶を辿ると舞台の雰囲気が似ている小説を読み掛けだったことを思い出した。
今は絶版のようだ(本に挟んだ丸善のレシートは2022年7月)。

レイモンド チャンドラー(遺作)が書いたところは読んだが、 ロバート B.パーカーが書き継いだ後半は読み終わっていない。
いつか読まねば。
 

話をこのドラマに戻すと、主人公が行動するとき彼の頭に浮かぶ映像(白黒映画のシーン)が、たびたび現れる。
 
観たことがあるようなシーンもあり、どれも雰囲気のある映像なので元の映画を知りたくなる。
第3話までの一覧をネットで見つけたので貼っておきたい。

・『深夜の告白』(1944年)
ビリー・ワイルダー監督。レイモンド・チャンドラーが共同で脚本を執筆。
・『ギルダ』(1946年)
グレン・フォード主演のノワール。リタ・ヘイワースの情熱的な演技と美しさ、ダンスシーンが話題に。
・『呪いの血』(1946年)
『西部戦線異状なし』(1930年)でアカデミー賞作品賞、監督賞を受賞した、ルイス・マイルストン監督。
・『殺人者』(1946年)
ヘミングウェイの小説を基にしたノワール、バート・ランカスターが映画初出演にして主演。
・『大いなる別れ』(1947年)
“Dead Reckoning”を原題に持つ、ハンフリー・ボガート主演のハードボイルド映画。
・『暗黒への転落』(1949年)
ハンフリー・ボガート主演『理由なき反抗』(1955年)のニコラス・レイ監督。
・『孤独な場所で』(1950年)
ハンフリー・ボガート主演、ニコラス・レイ監督。
・『サンセット大通り』(1950年)
ビリー・ワイルダー監督。グロリア・スワンソンの演技があまりにも鮮烈。
・『復讐は俺に任せろ』(1953年)
巨匠フリッツ・ラング監督、グレン・フォード主演のノワール。
・『大砂塵』(1954年)
ニコラス・レイ監督。ジョーン・クロフォード演じる女性主人公の活躍。
・『キッスで殺せ!』(1955年)
私立探偵マイク・ハマーの捜査を独自解釈で描くノワール。監督はロバート・アルドリッチ。
・『サイコ』(1960年)
アルフレッド・ヒッチコック監督。

https://realsound.jp/movie/2024/04/post-1635481.html


まだ全8話を観終わっていないので感想は控えるが、配役はベテラン揃いで演技・台詞とも安心して観られるハリウッドのエンターテイメント。



全8話を観て

上の記述は前半部分。
全話を観ると、このドラマの印象が全く変わる。
主人公は孫娘を探し続けるが、話の筋は違う方向へと展開して行く。
 
30分×全8話、計4時間のドラマを飽きさせずに観せるため、こんな設定を考えたのかもしれないが、20世紀の探偵映画をオマージュしたクラッシックな雰囲気がガラリと変わる。
途中から脚本家が変わってしまったようなイメージ。
こんな設定もないではないが、P.K.ディックならもう一捻りした上手い展開を考えたと思う。
 
後半の設定で物語の雰囲気が急に軽くなってしまうドラマ。
次に続くシーンで終わりを告げるが、この設定でシーズン2が制作出来るのか?
続けるのであればシーズン1のネタバレ設定を続け、コリン・ファレルはブラスターピストルを撃ちまくり、愛車はランドスピーダー(タトゥイーンに住んでいたルーク・スカイウォーカーが乗っていた)にすべきだと思う。



Colin Farrell 出演映画の 「つぶやき」 や 「映画感想文」

記事の日時は作品順ではないが、こうやって見ていくと彼は歳を取ってからの演技が良いように思う(役者だったら当たり前?)。

MOH



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