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Helmut Newton: The Bad and the Beautiful(2020年独映画)

ファッション写真家のドキュメンタリーと分類されているが、観てみると戦争を含めた近代史映画に感じられる。

日本公開時 ポスター

トレーラー


経歴

ドイツ(ヴァイマル共和国)の首都ベルリン生まれ。父はユダヤ人の衣料工場主のMax Neustädter 、母はユダヤ系アメリカ人の Klara "Claire" Marquis 。
ハインリヒ・フォン・トライチュケ・ギムナジウムとベルリンのアメリカンスクールで学び、青年時代から写真に興味を持ち イヴァとして知られていたドイツの写真家エルゼ・ジーモンのもとで働く。
1938年ユダヤ人迫害のためドイツを離れ、シンガポールで短期間ストレーツ・タイムズ社の写真家として働く。第二次世界大戦中の1940年から1945年まで、オーストラリア軍で軍務に就き、輸送隊に所属した。
1948年オーストラリアの女優ジューン・ブラウン(June Browne)と結婚。
戦後、フリーのカメラマンになり、作品はPLAYBOY誌を始めとする雑誌に載るようになる。
1956年、イギリス版『ヴォーグ』誌と契約してロンドンに移る。
1961年にパリに住まいを移し、カメラマンとして広範囲な仕事を開始する。ニュートンは『ヴォーグ』を始めとするフランスの雑誌に作品を載せる。ニュートンはサディズム、マゾヒズムとフェティシズムをともなったエロチックなスタイルを確立した。1970年心臓発作に襲われるが、精力的に仕事を広げていった。1980年代の「ビッグ・ヌード」"Big Nudes" シリーズは、彼のエロチックな都市のスタイルというテーマが頂点に達した作品とされる。
2003年10月、ニュートンは最愛の故郷であるベルリンのプロイセン文化財団に多くの写真コレクションを寄贈した。
2004年1月23日、ハリウッド、シャトー・マーモントで自動車事故のため死去。遺灰はベルリンに埋葬された。

wiki

Helmut Newton’s ten greatest photographs

Helmut Newton’s Greatest Photographs For British Vogue


雑感

写真家ヘルムート・ニュートンのドキュメンタリー。
映画は、彼が撮影したモデル、本人、妻のインタビュー、それと撮影現場、作品の説明を交えて進行する。

彼の写真は当時、Vogueでリリースされる度に話題になった。
挑発的で、見方によっては差別を感じさせる写真。

本人のインタビューを聞くと、一風変わったファッション写真家であるが、第二次世界大戦中ユダヤ人迫害の経験を語る様子は生々しい。

自身の写真がナチスの影響を受けたのでは?
との質問に『そこで育ったから当然だ』と答える表情は複雑。
写真の技術を2年間学び、師と仰いだエルゼ・ジーモンは強制収容所で亡くなった。

ドイツを脱出してアジアへ逃げおおせるくだりを語り、当時の写真が映し出されるところは興味深い。
有名なモデルのインタビューが多く出てきたが、本人の戦争体験が記憶に残る映画である。

キャスト

シャーロット・ランプリング
イザベラ・ロッセリーニ
グレース・ジョーンズ
アナ・ウィンター
クラウディア・シファー
マリアンヌ・フェイスフル
ハンナ・シグラ
シルヴィア・ゴベル
ナジャ・アウアマン
アリヤ・トゥールラ
ジューン・ニュートン
シガニー・ウィーバー
スーザン・ソンタグ
カトリーヌ・ドヌーヴ
ヘルムート・ニュートン

映画ナタリー



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