10年前に買った本/夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) /京都でのすれ違い物語
ある作家のインタビューを読んでいたら、これからはしばらく「夜は短し歩けよ乙女」のような本を書くと答えていた。
読んだ記憶があると思い、ライブライから引っ張り出して読んでみると、最初のシーンしか覚えていない。
読み始めたまま、放っておいたようだ。
短編集かと思っていたら読んでみると続きもの。
日本で大学生が主人公になる小説の舞台は京都が多いように思う。
『鴨川ホルモー』のような物語かと思ったら、恋愛ファンタジー。
感想
第一章:夜は短し歩けよ乙女
李白氏が現れるシーンは「千と千尋」を思い出す
第二章:深海魚たち
著者が読書歴を語っているような…
第三章:ご都合主義者かく語りき
大学の学園祭
これなら面白いかも
第四章:魔風邪恋風邪
京都の街中を書く章は生き生きしている
雑感
映画化もされており、多くの方に読まれた物語だと思う。
文章はよく練られており、語りや文体は個性的。
主人公二人の一人称語りが(ほぼ)交互に続く構成に特徴がある。
彼女は活動的で、彼が妄想的なのは良くある設定。
彼のグズグズ感が読んでいて少しダルい。
第一章のファンタジー設定が好まれているのではないか。
二人のすれ違いストーリーを楽しむ方が、おられるのかもしれない。
MOH