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10年前に買った本/夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) /京都でのすれ違い物語

ある作家のインタビューを読んでいたら、これからはしばらく「夜は短し歩けよ乙女」のような本を書くと答えていた。

河野裕氏のインタビューに

読んだ記憶があると思い、ライブライから引っ張り出して読んでみると、最初のシーンしか覚えていない。
読み始めたまま、放っておいたようだ。
 
短編集かと思っていたら読んでみると続きもの。
日本で大学生が主人公になる小説の舞台は京都が多いように思う。
『鴨川ホルモー』のような物語かと思ったら、恋愛ファンタジー。


感想

第一章:夜は短し歩けよ乙女

李白氏が現れるシーンは「千と千尋」を思い出す

第二章:深海魚たち

著者が読書歴を語っているような…

第三章:ご都合主義者かく語りき

大学の学園祭
これなら面白いかも

第四章:魔風邪恋風邪

京都の街中を書く章は生き生きしている

雑感

映画化もされており、多くの方に読まれた物語だと思う。

新時代のとびらを開く、恋愛ファンタジーの大傑作。

黒髪の乙女にひそかに想いを寄せる先輩は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回。山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位、恋愛ファンタジーの大傑作!

https://www.kadokawa.co.jp/product/200807000292/


文章はよく練られており、語りや文体は個性的。
主人公二人の一人称語りが(ほぼ)交互に続く構成に特徴がある。
彼女は活動的で、彼が妄想的なのは良くある設定。
彼のグズグズ感が読んでいて少しダルい。

第一章のファンタジー設定が好まれているのではないか。
二人のすれ違いストーリーを楽しむ方が、おられるのかもしれない。



MOH 

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