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『カッコウの許嫁』2シーズン24話を観たあと、原作を読み、物語の作り方を考える
このアニメ、2022年4月から10月まで連続2クールで、放送されていた。
Amazon プライムビデオで視聴。
(扉絵の画像はSAMPLEマーク入り)
赤ちゃんの頃に取り違えられ、ついに本当の両親と面会することになった高校生・海野 凪。 その日、名門お嬢様学校の女子高生・天野エリカに偶然出会い、許嫁との結婚を阻止したい彼女の頼みで半ば強引に彼氏役を演じることになってしまう。
…… だが、この2人こそが取り違えられた子どもであり、許嫁だった! 2人の子どもが愛しい親たちによって凪とエリカは両家公認の許嫁関係となり、同居生活を送ることに。
クラスメイトの瀬川ひろに恋する凪と父親に反発するエリカが取り決めたのは、「お互い一切関与しないこと」。
ちぐはぐで、どたばたな人生交錯ラブコメディがスタート
声優(メインキャラクター)
海野 凪(うみの なぎ) - 石川界人:他に『ダンベル何キロ持てる?
』(街雄鳴造)
天野 エリカ(あまの エリカ) - 鬼頭明里:他に『鬼滅の刃』(竈門禰豆子)
瀬川 ひろ(せがわ ひろ)- 東山奈央:他に『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(由比ヶ浜結衣)
海野 幸(うみの さち) - 小原好美:他に『かぐや様は告らせたい』(藤原千花)
原作コミック
作者:吉河美希
掲載誌:週刊少年マガジン
巻数既刊16巻(2023年3月現在)
今時の声優さんは、踊らなければならない
禰豆子がガンバッて踊っている😊
OP『凸凹 吉岡聖恵』 作詞作曲:長屋晴子(緑黄色社会)
2022年にスマッシュヒット
アニメ感想
Amazonプライムビデオのお勧めで観てみると、連続2クール24話。
この物語は、原作の設定が肝だと思う。
なかなかありえない前提(これに尽きると思う)で、日常系のお話が進んでいくため、途中で中弛みするが、それをどう引っ張って行くのかと思い観ていたら、夏休みにタイミングを被せ、お金持ち設定のヒロインの別荘で(安全な)トラブルを発生させて行く。
毎回登場するのは男子1人と女子3人、そのパターンもコミックには良くあるお話。
明らかな恋敵は存在せず、男子1人に女子の3人の気持ちは、中途半端でモヤモヤ気分のまま24話が終わる。
原作では第6〜7巻あたりまでのお話。ヒロインが探している兄はアニメの後半で話には出てくるものの、最後まで登場しないまま終了する。
16巻まで発売されているコミックは連載中。
最近日常系の小説を書いているので、このアニメの主人公たちが物語の中で『話をどう盛り上げていくのか』『視聴者に何を期待させながら次に繋げていくのか』を観ていたが、日常系の中で視聴者を惹きつけ続けるのは難しい。
(『この物語が日常系なの?』というツッコミは無しで😅 『宇宙人、未来人、異世界人、超能力者』が出てこない限り、MOH的には日常系のお話😄)
日常系がゆえ、安心して観ていられるのだが「次回も絶対観たい」とまではモチベーションが上がらない。
日常系の『物語』を継続して観たり読んだりしてもらうためにはユニークな設定、ちょっとした非日常的な出来事を要所々々に折り込まないと、興味を持ち続けてもらうのが難しいことを感じる。
原作コミックの感想
いつもであれば、2クールを続けて観ればお腹いっぱいだが、原作が気になるので読んでみた。
著者
吉河 美希(よしかわ みき )日本の漫画家。女性。A型。
連載
ヤンキー君とメガネちゃん(『週刊少年マガジン』2006年46号 - 2011年25号、全23巻)
山田くんと7人の魔女(『週刊少年マガジン』2012年12号 - 2017年12号、全28巻)
カッコウの許嫁(『週刊少年マガジン』2020年9号 - 連載中、既刊16巻)
柊さんちの吸血事情(『別冊少年マガジン』2021年11月号 - 連載中、既刊2巻)
上3作はアニメ、上2作は実写版もある
アニメ化の常で『みんな良い子』のところも、原作コミックでは登場人物の内面(黒いところ)も描かれている。
海野 凪の幼馴染キャラクターも登場し、女の子4人が一人の男子を巡るバトル。
その描写を表立ったバトルにはせず、心理戦を読者に感じさせるのが、この作者の上手いところ。
血の繋がっていない兄妹である海野 幸が一歩リードし、他の女子に「幸が最大のライバル」と言わせるところも面白い。
少年マンガの連載だが、全体の作りは少女マンガを感じさせる。
作者の性別と作品に関係はないとは思うが、気持ちの移ろいや現し方は女性作家ならでは、なのかも知れない。
人数的にはハーレム状態なのだが、それを感じさせない作りも巧み。
中身的にはグチャグチャなのだが…
思うところ
どんな物語であっても、読者の気持ちに満足感を届けようとすれば、登場人物の気持ちや揺らぎ、それと(少しでも)精神的な成長を書き表すことが必要だと、最近思う。
自分が精神的に経験したことや見知ったことがベースになり、多少なりとも自分の中身を曝け出して、それを冷静に見つめて書き表すことは難しい。
そんなことを思いながら、新しい小説を書き始めている。
MOH