アンチグラビティ(原題:Coma 「昏睡」)/夢の中を漂うSF映画
前々からウォッチリストに入れていた映画をようやく観た。
予備知識なしにSF映画だと思い見始めたら、開始からまもなく「夢オチ」宣言され「アレレ?」と思いながら見続けると、ロシアのカルト教団の話で終わる。
ネットには映像を評価する意見が多いが、個人的にはシナリオの変転が面白かった。
雑感(大いにネタバレあり)
SF映像の世界は「夢の世界」設定なので、何でもあり。
唯一の障害(敵)となる「死神」は、脳死しても機械で生かされている人達の亡霊らしい。
ただし、複数の人たちが夢の中でリンクする世界を作っているカルト教団の教祖(科学者)は、その夢の世界と現実世界を出入りしており、彼がその世界の制約を作っている。
登場人物は現実世界に問題があり夢の世界に逃避した(教祖が逃避させた)人たち。
主人公の建築士とその元彼女だけが、不本意にその世界に入り現実世界に戻ろうとするストーリー。
夢の世界で死神に襲われても、昏睡状態である現実世界で生命維持装置を外されても死んでしまう設定。
物語の流れからすると、その設定が話を進めやすかったのだと思う。
主人公と彼女(助かったあと寄りを戻す)だけが助かり、現実世界に戻っても犠牲者を出したカルト教団が刑を受けなかったというTVニュースは現実的なのかも知れない(ロシアでは宗教の自由を保障されている)。
主人公にもその教団からお誘い封筒が来ているオチ(彼女には隠している)。
プライムビデオ対象。
「夢の世界が3ヶ月でも現実は1日も経っていない」と言う教祖のセリフを聞いて、ロシア人も「邯鄲の枕」を知っているのかな?と思った。
「夢オチ」映画では、インセプションの方が面白いと思う。
少し趣向は異なるが「訳の分からないところへ行ってしまう」映画としては、TENETの方がひねりが効いている。
MOH