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現役エンジニアが体感している、日本の大企業で価値創造(イノベーション)が起きない理由


ところざわです。
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新しい価値創造の分野で、日本の企業が苦戦しているのを体感中なので、書きました。

イントロダクション

僕が大学の就職担当だったら、新技術や新サービスなどの価値創造をしたい生徒に大企業は勧めないだろうと思います。代わりに親を安心させたくて、安定した昔ながらの幸せを求める生徒にはオススメです。ただし、その企業が10年後も存続しているかは保証できないことが条件ですね。

価値創造とは

この記事でいう価値創造とは、我々の生活に価値観の変革を起こすことを指します。僕が生まれてから簡単に思いつく価値創造はWindows、PC、インターネット、携帯電話、i-Pod、スマフォ、SNS、電子書籍、ネットショッピング、Uberなどです。その昔は、ファミコンやウォークマンがあったわけですね。
こうやってリストアップしてみると、人生のうちで、どれだけ人の価値観は変革されているのかを思い知らされますね。

そして、日本の大企業のエンジニアは価値創造を起こせず、苦戦しているわけです。

価値創造ができないは命取り

有名な著書「イノベーションのジレンマ」でも、世間一般でもよく言われていることですが、破壊的イノベーション=価値創造が起こせない企業は衰退し、破綻してしまいます。
これは既存の価値、製品が新しい価値に負けてしまい2度と逆転できないだめです。市場は一番に出した者が有利です。まるで椅子取り合戦のように、戦っています。
そして、日本の大企業のほとんどがこの椅子取りに負けています。しかも1回戦とかで。←これ僕の肌感覚です。

では、なぜ我々は完敗してしまうのか?、そのメカニズム説明をします。

価値創造が起こせないメカニズム

まず1つ目は既存の価値を守らないといけないためです。
これは良い悪いではなく、当たり前のことです。既存の価値を世に安定して届けることも企業の大切な使命です。
問題はこの価値を世に届けたという「成功」から脱却できないことです。人は過去の成功をなかなか捨てられません。
あの時うまくいったから、次もうまくいく!と思って楽するのが人です。
人の集まりが会社なんですから、過去の成功から抜けられないのは当たり前です。そういう意味では成功者や功労者をトップに置いておくのは危険でもあるわけですね。
今年、箱根駅伝で優勝した駒沢大学の大八木監督が、過去の成功した指導方法を変えたと言っていましたが、素晴らしいことだと思いました。

2つ目は、社員のプロフェッショナル分野です。価値を創造するということは、新しいフィールドで勝負することでもあります。もしかしたら、部活を野球からサッカーに切り替えるくらい大きいフィールドチェンジが必要かもしれません。しかし、ほとんどの大企業は既存価値を守るプロを多く抱えています。特に中間管理職に就いている方々はその道のプロであり、今さら、別のフィールドで勝負しずらいわけです。
そうなると、価値創造の種を見つけても、フィールドがちがうから勝負できない。勇気がない。なんてことはよくあることなのです。
僕もハードウェア系のエンジニアですが、思い付いた価値がソフトウェア系だとしたら、その勝負にでることは、アフリカの部族と生活してこい!と言われるくらい勇気のいることなのです。(言い過ぎかも(^^;

3つ目は報連相とPDCAとの相性の悪さです。
価値創造は「あればいいよね」程度の価値では意味ないです。9割くらいの人が「それ必要?」と思うようなアイデアが重要です。iPodもAmazonも始めは不評だったんですから。

ところが、会社が大きければ、報連相の名の元に、報告する人が増えます。報告する全員が、必要ないかもしれけど、いいね!やろう!と思ってくれる1割の変わり者でないといけません。3人に報告するだけで、全員が変わり者の確率は0.1%です。無理です。
日本の成長を支えてきたPDCAとの相性も悪いです。PDCAは失敗しないよう計画を練り、それにそって行動し、確認し、調整するやり方です。つまり、失敗しない計画からスタートします。
先ほども言いましたが、価値創造は9割の人に「必要?」と思ってもらうアイデアが必要です。9割が必要と思ってないけど、失敗しない計画を立てないといけないわけですから、無理ゲーです。

これが、僕が今体感している現実です。
色んな書籍にも書いてあることですが、あれらは本当です。
本気でまずいです。

ということで、これを打破する方法を模索している話は別の記事で書こうと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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