ヒットの法則の法則。


世の中、ヒットの法則にあふれている。成功者の体験談やプロジェクト成功の裏話などがそれで、テレビでのインタビューやらビジネス本やらも枚挙にいとまがない。特に書店に行くとそれは顕著に感じる。
なんか似たようなタイトルでたくさん出てるなぁ、と思うと同じ作者だったりもするが、これはシリーズ化に近いのかな。「妻のトリセツ」がヒットしたので 「夫のトリセツ」も出しました、みたいなのがわかりやすい例だろう。
こういうブームは結構過ぎ去るのも早いので、その前に出してしまえという出版社の狙いもあると思う。漫画がヒットすると設定本やスピンオフが乱発されるのと一緒である。

しかしヒットの法則を知ったから必ず次も大ヒット、ともいかないのが難しいところ。「こういう仕掛けをやっていたからなんですよ」と明かしたところで、その時の時流にたまたま乗っていたから、とかCMに使ったタレントが別番組でハネて注目が高まったから、とか仕掛けとは関係ない要因もあったりするからだ。

もちろん、世の中には「確信を持ったヒット」というものもある。●●の分野が需要があると分かったのに競合が少ないと感じた、だから絶対ヒットすると思ってホントにヒットした!みたいなの。でもこういう人が続けてどんどん閃いてヒットさせてるかどうかはなのである。一度ヒットさせることができたらそれだけで「ヒット請負人」みたいな雰囲気が出るし、失敗してても元々芸能人というわけでもないので別に目立たない。特に「運とカン」みたいなのでやってる人は「たまたま最初の方に成功が来ただけ」というパターンもあると思われる。

じゃあ結局ヒットの法則なんてないのか、という話になるが、個人的にはあると思っている。それは結局「ヒットするまで色々やる」ということ。出してみて当たればOK、外れれば撤退。または最初だけ多少ヒットしたらその間に資金回収しておいて、人気が陰りだしたらさっさと店を畳んでまた別業種にチャレンジする。というやり方。何も面白みがないかもしれないが、おそらく最終的には成功に近づく。だいたい「マネーの虎」の出資者側だってさんざんカリスマと言われながらポンポン破産している。そのまま行方知れずの人もいれば新しいことを始めてまた成功している人もいるようだが。

ただこのやり方、毎回人を集める必要もあるし、何よりスタッフとの関係性が良くても「思ったほどもうからないからやめる。全員クビね」となる可能性がある。そのへんを完全に割り切れる人じゃないとなかなかできない。儲かると思えば二番煎じも堂々とやり、ブームが過ぎればさっさとクビ切り。「自分のやりたいことで夢をかなえる」とか「自分と自分に関わる人たちの幸せを考える」みたいなのとは対極。「何が手っ取り早く儲かるか」を常に追求していくわけで、ある意味わかりやすいと言える。

まぁ正直これは自分にはできそうにないけど…。「富豪が教える」みたいなパターンてこういうのが多い気がするんだよな。「儲かる=成功」で、それに一直線に行こうと思ったらこうなるんだろうなぁ。ある意味これができる人というのは選ばれたメンタルと言えるかもしれない。

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