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「リスト化する人たち」を考える


Twitterウォッチングというか、単純に「なんかこういうのよく見る」というのの一つが「いろんな条件をリスト化する人々」である。

「仕事ができる人の条件。
・曖昧な返事をしない
・問い合わせには即レス
・予算感覚が身についている
・あいさつがしっかりしている
・身だしなみが整っている
私の周りのデキる人は、みんなこうでした

みたいなやつである。上記は架空のものだが、よくある感じだと思う。体感的には、ビジネスにまつわるものが多い。タイプとしては主に二つあって、「自分が実践してきたこと」「周囲を観察してわかったこと」に分かれる。上記の物は後者だ。これが前者になると以下のようになる。

「私がこれまでにやってきたこと
・反論には必ずデータを用意する
・議論を半端なところでやめない
・ジムで体力をキープする
・プランを求められたら3日以内に出す
これを続けていたら今の位置まで来れました。でもまだまだ道半ば!」

みたいなやつである。正直実際にはリストの数はもっと多いし精神論に寄ったものも多いのだが、さすがに普段思ってもないことをドカドカリスト化するのは難しかったので現状の数とした。
というか本当はカンニングしようと思ってTwitterで「ビジネス 条件」で検索したのだが「絶対成功保証の副業ビジネスの極意を無料でお譲りします。 条件はフォローとRT」みたいなやつがファミコンバカ売れ期のクソゲーくらい大量に出てきて面倒くさくなった。しかしこれに触れていたら別の話になるのでスルー。一言だけ感想を言うと「稼ぐ金額を桁で表現するやつは総じて怪しい」くらい。

リスト化の話に戻る。「自分の話」と「観察した話」の二つに分かれるとは書いたものの、中身にはあまり差異がない。なぜだろう。それは「観察した話の体裁になってるだけで、ほとんど自分にも当てはまるものとして言っている」からだろう。「優れたビジネスマンはいつでも清潔にしてるなと感じるけど私は3日風呂入ってません」みたいな人はいない。いたとしても書かない。
そしてそういうのにいいねをつけてる人は、リスト化される側の人間か、リスト化されている内容にあこがれている人である。
「わかる~!てか自分もこれ実行してるし」と言えるか
「わかる~!自分もそうなりたいと思ってるし」と言える人間なのだ。

一言誤解のないように言っておくと、こういうリストに書いてあること自体は間違っていない、というかだいたい有意義なことである。そりゃ適当な返事ばっかして問い合わせも返さないでプラン出せと言われてものらりくらりと逃げ続けるような人間より、そうじゃない人間のほうがいいに決まっている。

でもこれ、「ことさら強調することか?」というのが根底にある。料理に例えるとよくわかるかもしれない。

「料理を作る上で大切だと思う条件
・おいしい
・栄養がある
・見た目もいい
・食べ飽きない
私がいいと思う料理ってこんな感じでした」

こんな感じだ。「そりゃそうだろ」というのが大半の感想ではなかろうか。あとこういう時はすぐ野球に例えていたのについに他の例えを出せるようになった自分に成長を感じた。毎日が成長。目に映るものすべてが俺を導いてくれる。やさしさに包まれたなら。何を言っとる。

まあ端的に言ってしまうと「リスト化」と「承認欲求」ってかなり近いということだ。一つ一つはもちろん正しいしやらないよりはやったほうがいいことだったりするので「その通り!」と受け入れてもらえる。それによって承認欲求も満たされると思うが、よくよく考えると「そりゃそうだろ」という内容だったりするのだ。

あとまぁナチュラルに自慢しているだけの人も結構いるな。

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