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いかにして私はコピーライターを挫折したか。 第13話 交流編

13話まできてしまいました。読んでいただいている方の中には「いつ挫折すんだよ」と思われている方もいるかもしれない。正直自分でも思っています。なんか普通に思い出エッセイみたいになっとるやないかい、と。だがこれだけは言っておきたい。必ず挫折しますからご安心ください。

さて上記のようなことを言っておきながら今回は脇道にそれて、周りのコピーライターとどのような交流があったかを書いておこうと思う。もちろん本人に許可は取ってないが、仮名なのでよしとしよう。でも元同僚が「全員わかる」と言ってたな。そりゃそうか…。

年齢が近いということで、よく交流があったのが本橋君(仮名)である。彼が入った時に一緒に食事をしにいき、「一番最初だけおごるから」ということで支払ったのだが、だいぶ後になって「ほんとに一番最初だけでしたね」と言われた。別に嘘は言ってないのでいいだろう。本橋君とは一緒の仕事になったことがほぼなかったのでどういうタイプのコピーを書くのか実はよく知らないが、一度広告物を見たときに「意外とエモいの書くな」と思った。

期待の大型新人だった麦田さん(仮名)は、代理店からも期待されていて、実際いいコピーを書いているように見えたが、かなり不満と不安を抱えていた。メールで相談がきたこともある。その後どうするのかと思っていたら東京の某大御所コピーライターにコピーを送りつけ、相手にされなくても構わず送り続け、ついに弟子入りを果たした。その後TCCにも入ったのでリレーコラムを読んだが、地元時代に書いてたコピーの浅さを思い知らされた、みたいなことを書いていたので今は黒歴史となっているんじゃなかろうか。

さんざん書いた通り人の出入りが激しかったので、他にも後輩コピーライターはいる。

麦田さんの後輩で夏本さん(仮名)という女性コピーライターがいたが、かなり真面目なタイプで特に校正力の高さに定評があった。麦田さんと一緒にめちゃくちゃ文字の多いカタログをひたすらしっかり校正しているのを見て、マネができないと思ったものだ。今は交流がないが結婚していて子供もいるらしい。

またさらにその後輩で中川さん(仮名)という女性もいた。麦田さんの弟子筋にあたる感じで、未だに麦田さんと交流がある模様。いろいろとこれまた真面目なゆえに苦労を背負い込んでいるようにも見えたのでアドバイスをしたかったが、結局いつも適当なことしか言えなかった。なので適当な先輩だと思われていることだろう。

ほかにも若手の男性・女性合わせて3.4人ほど同じグループ会社内にいたが、みんなコピーライターを辞めているらしいしそんなに交流がなかったので書かない。結局またコピーライターやってるという可能性もあるけども。

あと先輩では今までに書いた人以外にも、女性の後藤さん(仮名)がいた。優しく接してもらったという記憶しかなく、怒られたとか容赦なくボツにされたとかが全然ない。今でもフリーでやられているらしい。


ちなみに直属の部下であった坂田君に関してはおいおい本編の流れの中で書く予定。

なお多忙な日々の息抜きとして、同年代コピーライター(自分、本橋、麦田、夏本)の間でメールが回ったりもしていたが、ある時自分が経理の女性を主人公にした短編を書いたらこれがヒットした。タイトルは「レモン戦争(ウォーズ)」。なんのこっちゃかわからないタイトルだが、要するに経理の女性(60代)がいつも紅茶にレモンを入れているのをネタにした内容だった。まさに内輪ウケ以外の何物でもない。想定外にウケてるなと思ったらメールを送っていないデザイナーとかからも感想が来てびっくりしたこともある。転送するなよ、本橋君。

ということで仲間の思い出を振り返るのはこれくらいとして、分裂後の新体制からまた書いていこうと思う。ちなみに本橋君に当時の記憶を尋ねたら
「先日書いてた分裂の前に辞めてましたよ」と言われた。へー。

次回、指導編に続く。


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