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M-1グランプリ2022 感想と個人的レビュー

さて去年は仕事が絡み後から見ることになったが、今年は生で見ることができたM-1。全体的な感想としてはほんとにレベルが高く、面白かった。
昔のM-1だと「あ~そんなでもなかったな~」という組が半分くらいいたのだが、それもほとんどなくなっている。みんな場数を踏み、研究してあの場に立っているのだな。
あ、もちろんネタバレ全開なので、Youtubeとかでネタを見ようと思っている人は読まないことをおすすめします。

1.カベポスター 634点 8位
大声コンテストの話から、キレイにオチまでつながるすごく完成度の高い構成。たぶんコントや演劇の台本も書けるんではないか?という印象。トップバッターのわりに高い得点だと思ったが、山田邦子の84点はびっくりした。まあ高い得点が必須じゃないんだが…結局「トップバッターは絶対勝ち残れない」がある限り運要素強めになっちゃうな。
個人的採点92点

2.真空ジェシカ 647点 5位
シルバー人材センターでの老人こねくりネタ。ボケ数も多く、「かいみょん」「八法全書」など残りやすいワードを混ぜて持ってくるのが大喜利チックで面白かった。あまりに老人をくさす方向にいってないか?と不安になったがウケてたなあ。まあとはいえ1本目があの出来で84点だと90点以上とかつけづらいだろ…と思ってた山田邦子が95点で度肝を抜かれた。まあそのくらいツボだったんだろうとしか言えない。
個人的採点91点

3.オズワルド 639点 7位
敗者復活戦を勝ち上がって登場。敗者復活のネタを見ていたが、このネタでも決勝に残れてないの?というクオリティかつ笑いの量だったので、人気を考えても上がりそうだとは思っていた。ただ、同じネタなんだなぁというのはやっぱり難しいところ。博多大吉はそれを見ていながらも冷静に足したところなどを審査していてさすがだった。
「カッパがキレやすい」とか細かいところが上手い。
個人的採点92点

4.ロングコートダディ 660点 2位
マラソン世界大会といいながら、変な奴ばかり出てくる、というネタ。ただボケとツッコミ形式ではなく笑い飯のようなダブルボケ。「嘘やろ…」から出てくる変なランナーがあるあるとありえないを上手く混ぜていて会場大ウケ。2位で通過となった。個人的には面白いもののそんなにハマらなかった、でも靴はけてない奴は面白かったなー
個人的採点90点

5.さや香 667点 1位
まだ30代なのに衰えを感じて免許返納する、というのを止めるやりとり。王道的なしゃべくり漫才ながら、緩急もありテンポもよく、これはいった!という雰囲気があった。ツッコミが大声ツッコミと我に返るタイミングがよくできていたなぁ。佐賀県のネタはご時世的にいけるのか!?と勝手に心配してしまった。世間に毒されている。
個人的採点94点

6.男性ブランコ 650点 4位
音譜を運ぶ人になりたい、という荒唐無稽な設定。さや香の王道しゃべくりの後でこんな変化球大丈夫か?と思ったが、ツッコミの浦井の「やられっぷり」が上手すぎて大いに笑った。スタートから音符が刺さるまでの時間がちょっと長かったのがもったいなかったなぁ。平井が結局アワアワしてるだけというのもなんかじわじわ来た。
個人的採点93点

7.ダイヤモンド 616点 10位
本来つけなくていいワードをつける違和感ネタ。「有賃乗車⇔無賃乗車」「地上鉄⇔地下鉄」といった具合で、それをひたすら重ねるのだが、その軸が深く刺さらないまま重ねていってしまった、という印象。基本設定がハネてないと難しいんだなぁ、と思ったが着眼点が面白いし、構成を変えたらハネそうにも見える。まだ5年目らしいし。
個人的採点86点

8.ヨネダ2000 647点 5位
唯一の女性コンビ。2年目での決勝ということでどんなネタを繰り出すのかと思えばめちゃくちゃ変化球のネタ。イギリスで餅つきをしてるうちに変なテンションになっていろんなことが起こりだす…と筋を書くのもあほらしくなるくらいぶっ飛んだ展開。ただ、非常に笑えた。ツッコミがラップ歌いだしたところがピークかな。これもうランジャタイ枠やんけと思ってたら審査員もそういう認識。
個人的採点94点

9.キュウ 620点 9位
9人目にキュウが選ばれて9位だとなんか「999か」と言いたくなるがそれはともかく、ネタは言葉遊びを重ねていく感じ。最初の種明かしでそんなにハネなかったのをそのままやりきるのでダイヤモンドみたいな感じになってしまった。以前見たことがあるネタでは結構ハマったのだが…順番とか空気もあるし淡々とやるパターンて難しいなー。
個人的採点87点

10.ウエストランド 659点 3位
「あるなしクイズ」のフォーマットに乗せて、ただただいろんな界隈に悪口を言っていくネタ。偏見と先入観に満ちているがそれがあるあるにも繋がるということで、「めっちゃ面白いがこれはギリギリ上がれないだろう」と思ってたら3位でびっくりした。
「警察に捕まりかけている」がパワーワードすぎたな。
個人的採点92点

<決勝>
ウエストランド、ロングコートダディ、さや香の順番にネタ披露。ウエストランドがまったく同じ構成で持ってきたので「オイオイ大丈夫か」と思ったら、あらゆる界隈にまだ残っていた毒爆弾をぶつけていきR-1まで燃やす自爆作戦で見事に大爆笑。確か井口自身もR-1出てなかった?と思ったが。ロングコートダディはタイムスリップネタで、外し具合も上手かったがウエストランドのあとの空気が辛かった気がした。さや香は男女の友情がある、と力説するヤツに対して熱くツッコミまくるしゃべくりで、突っ込んだかと思えば我に返ったりの緩急がこれまたうまく、「これは本当にわからなくなった」と思った。
個人的には「ウエストランドはこれだけ各方面に喧嘩を売って敗れたら今後どうするんだ」と思ったので応援していたが、最終はまさかの6票入って優勝。塙と志らくは入れるだろうと思っていたが…少なくとも礼二と大吉はさや香だと思っていた。

ということでウエストランドが18代目のチャンピオンとなった。
Twitterにも書いたが、弱者の罵声が王者に届いた。優勝おめでとう。

てなことを書いてる人間は井口からすると「皆目見当違いのことを書いてる」んだろうなぁ(笑)

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