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第60回宣伝会議賞の結果に寄せて

宣伝会議賞のグランプリ結果が発表された。
あえてその結果にまったく触れない、というのも考えたがやっぱり区切りとして書いておく。ファイナリストや受賞者に知り合いもたくさんいたしな。

しかもそのファイナリストたちで知っている人は軒並みシルバーとかファイナリストステイで卒業しなかったため、次回も参戦が予想される。
ここまでくると「常連はあえて残しておく疑惑」まで出てくるぐらいだが、まあコピーだけで審査しているはずなのでそれはあるまい。

盛大なお祝い飲み会も開催されたようで、それの詳細はいずれレポートされるようだ。というか現在進行形で書かれているのでそれを楽しみに待つとする。

さて、今回のグランプリコピーはこちら。


「なんでお湯出ないんだよ」「なんでお湯出ると思うんだよ」


三浦工業のコピーで、お湯の出るインフラを維持することがいかに当たり前じゃないかを気づかせてくれるコピーといえよう。コピーなのかCMなのか、文章なのか会話なのかという論争が巻き起こりそうではあるが、そういうところも含めてのインパクトがグランプリなのだろう。受賞者の方は初挑戦だそうで、これまで初挑戦でグランプリの人はどれくらいいるんだろうと思った。誰か調べてほしいものだ。

そしてコピーゴールドはこちら。

ノーヘルだと、命がスース―する。


自転車に乗るときはヘルメットを!という課題だが、もうこれは言葉の組み合わせの勝利であろう。「命がスースー」。かつてスースーという響きがこんなに得体のしれない恐怖に結び付いたことがあっただろうか。なお受賞者の石川さんは期間中ずっと「第60回宣伝会議賞」のハッシュタグでnote更新をされていた。自分以外でこのハッシュタグを使っている人が非常に少数だったので、妙な親近感を持っていたものだ。今回これで卒業してしまったので次回からまたハッシュタグを使う人が減りそう、というか自分も別にまた日記を書く予定ではないけど。

そしてCMゴールドは以下のやつ。


『印象』編
NA:文化祭前。
生徒A:ねえ、山田くんいる?
生徒B:ああ、メガネかけてる子?
NA:文化祭後。
生徒C:ねえ、山田くんいる?
生徒D:ああ、ギター弾ける子?
NA:印象は、一日で変わる。楽器を始めるなら、ローランド。



うーん、シンプルにして説得力抜群。構造自体は「使用前・使用後」みたいな形でスタンダードなのだが、「ギターでメガネ少年の印象が変わる」というのは非常にイメージしやすい。結構多いしな、メガネロック。くるりとかアジカンとかWhiteAshとか。あれらもギター弾いてなかったらメガネ少年の印象だけだったかもしれないのだ。

そして真木準賞は以下。

60がGOに見える。


これはやられた感があったなー。コピーなどまったく興味ない妻も「これはいい」と言っていた。そう見えだしたからな、実際。この課題はぶん投げていたし考えていても還暦に絡めたダジャレだとかちゃんちゃんこがどうとか非常に狭かった。受賞された方は結構強面のように見えたがちょっと涙したりなんかしていい人感があった。あ、でもそういえば真木準賞は卒業しないのか?そう考えると賞金的にはいいなあ。

さて、ここからファイナリストについて…触れていったらめっちゃ長くなるのでここまでにしよう。複数ノミネートの人や協賛企業賞受賞も含めて受賞の人がゾロゾロでてきたので、初めて授賞式の映像を見た人からしたら「同じ人が何個も獲るような賞なのか?」と思ったかもしれない。まあその背景を知ったら納得するだろうけど。しかし、他の賞ではどうなんだろうか?グッドデザイン賞などで「あっ、またあのデザイナーだ!毎回受賞してるな~」ということがあるのだろうか、と考えたがそりゃあるだろうな。プロダクトデザイナーが紹介されたりするとだいたいそういう受賞歴がたくさんくっついてくるので。
しかし宣伝会議賞が違うのが「素人が表彰される」という部分だ。プロダクションや広告代理店など、本職の人も参加しているのだが、それに交じって全く業界に関係ない人も並んだりするのはなかなか珍しいのではないか。
他にそんなのあるかな?と考えてみると、「お~いお茶」の俳句募集はそれに近いかもしれない。しかし知名度は圧倒的にあっちがありそうだ。やはり俳句とコピーではちょっと敷居の高さが違うか。う~ん、がんばれ宣伝会議。

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