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どこまでが本当に「仕方ない」のか。


会社で相談を受けたときに、ちょっと情報があいまいだったのでそこを詳しく聞こうとした。すると相手からの回答はこうだった。
「ちょっと歯医者に行く前でイライラしてたから詳しく聞けてない」
そこで自分は「じゃあ仕方ないですね」と言いかけたのだが、ふと「全然仕方なくないな」と思って結局「はぁ」くらいの返答になった。

「仕方ない」という言葉には「どう見ても不可抗力だよね」という同意の強制が含まれている。

それからすると上記の内容は不可抗力とはあまり思えない。
実際「イライラするのは自分の都合だろう」と感じた。

それなら仕方ない、と感じるのはどんな時だろうか。
「こっちも詳しく聞こうとしたが相手がすぐ出かけてしまった」
「話してる最中に電話対応が入って中断してしまった」
「電話をまたかけると言われて切られたままかかってきてない」

などなど、要は「その人が動ける範囲ではカバーすることができなかった」ことが理由としては多いだろう。もちろん厳しく言えば「その後でもう一回連絡すればよかっただろ」とか「必ず何時までに連絡くれと伝えたのか」などと詰めていくことはできるが、あんまりやらない。なぜかといえば自分もこのくらいのラインの言い訳をよく使うから。

やはり、自分も言うよなあコレ、と思うものには厳しくツッコミにくいものだ。
自分を棚に上げれば言えるのだが、あんまり棚に上げていると棚の上が満載になって雪崩が起きる危険性がある。平たく言うと自分はどうなんだと反撃に遭う。

しかし「気に食わない」というフィルターを通すと、自分のことをガンガン棚に上げだす人もいてびっくりする。
「Aさんはたまに休みの日に自分の車を会社の駐車場に置いたりしている。あれって私的利用だから厳密にいうと横領みたいなもんだ」
という人がいたのだが、その人自体は会社の備品を買うときに積極的に自分のカードを使ってポイントを手に入れているので、よく言えるなぁ、と思った。

それはともかく、実際「仕方ない」で何でも済ますのは事なかれ主義の最たるもので、あまりに連呼していると嫌がられるし、連呼されるのも嫌だ。
ただ、なぜか知らないが「嫁が●●で」といった理由を出すとだいたいみんなすぐ「じゃあ仕方ない」という反応になるのはなぜか。
家庭内の問題に踏み込みたくないのか、同類相哀れむみたいなことなのか…。

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