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「キムタク的」かっこよさと気恥ずかしさ。

「ちょ、待てよ!」
というのは言わずと知れたキムタクの物まねフレーズであり、ホリが使い始めたことから一気に広まった。
それまで「キムタク=カッコよさ、キザ、クール」の象徴だったわけだが、これによって「キムタク=いじれる」という称号を手に入れたわけだ。そうして反キムタク派は「どのドラマでも演技がキムタク」などと揶揄する際の武器を手に入れた。「ちょ、待てよ言いすぎ」みたいに。

キムタクはカッコイイ。そういった世間のイメージが定着すればするほど、一方では「キムタクカッコイイと心酔してるのはダサい」という派閥も大きくなっていた気がする。その背景にあるのは癖の強さであり、アイドルという出自であり、主演ドラマの多さであり、平たく言うとやっかみであった。そういった層は 「キムタクより竹野内豊とかのほうがイケメンじゃん」などと、別の俳優を持ち上げることにより「キムタク=アイドルであって俳優じゃない」みたいな方向に持っていっていた。そうでないとキムタクは何でもかんでも持ちすぎているという風潮だろうか。事実、「キムタク、抱かれたい男ナンバーワン」ともてはやされる一方で「ドラマ現場でADにブチギレ」みたいなほんとだかうそだかよくわからない見出しがしょっちゅう週刊誌に踊っていた。褒めても話題、叩いても話題。それがキムタク。


時は過ぎ、キムタクも40代後半、二人の娘がモデルデビューするほどの年齢になった。そんな中久しぶりにザ・キムタクのドラマをみた。「東京グランメゾン」である(微妙に古い話)。天才料理人でありながらこだわりが強すぎるゆえに周りとの軋轢が生まれる、そんな主人公を演じたキムタクは、まさにかっこよかった。料理の味見をするポーズ、美味いと無言で上を向くポーズ、三ツ星を目指すことを中指・薬指・小指で表すポーズ。そしてこれらが「40代半ばを超えてもなおカッコイイキムタク」というパッケージに包まれて、さらに価値を上げたような印象を受けた。

そしてもう一つ印象的だったのは、このドラマを見ていた小学生の息子までが「キムタクカッコイイ」と言い出したことである。小学生からしてみればキムタクなんて下手したら40歳近く離れたおじさんなのに、だ。
自分たちの世代からすると「三國連太郎カッコイイ」と言っているようなもんである。いや渋いかもしれんけどカッコイイとはちょっと…という感覚だ。
思うにキムタクは「カッコイイ」をあえてやめずにいる気がする。自分のことをカッコイイと強く思ってないとしても、カッコイイことが仕事であり、ファンの期待に応えることだと思っているのではないか。

三ツ星ポーズをとる息子を見てふとそんなことを考えてしまったので、世間では「キムタクが如く」と呼ばれている「ジャッジアイズ:死神の遺言」を買ってみた。キムタクのモデリングでキムタクの声でしゃべる主人公は、まさにキムタク。「キムタク操るってちょっとなぁ」と思い手を出していなかったが、シナリオの評価も高いしだいぶ安くなってたのでやってみることにしたのだ。
ということで夜のゲームタイムではしばらくキムタクとなる予定。え、子供がswitchするからダメだって?ちょ、待てよ!(最悪の締め)


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