見出し画像

創業3期目にIDENTITYとVALUEをリニューアルした話

はじめに

弊社、株式会社MOGURA ENTERTAINMENTでは1期目(2018年)にミッションとバリューを策定しましたが、3期目にアイデンティティーとバリューにリニューアルしました。

この記事は、リニューアルから約1年が経った段階で社内向けに1期目にミッションとバリューを策定した時点まで振り返りながら、新たにアイデンティティーとバリューを策定した経緯やそこに込めた思いなどを共有するために作られた文章を社外向けに修正を加えたものです。

この記事を公開することによって、今後MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を策定しようとする人の参考になったり、MOGURAにジョインすることに興味を持ってくれた人にMOGURAのカルチャーを少しでも理解してもらえたらと思っています。

この記事に書いてあること

1. MVVをリニューアルした経緯
2. なぜ最初に定めたMVVがうまく機能しなかったのか
3. MVVの役割
4. なぜMVVではなく、IDENTITYとVALUEなのか
5. IDENTITYとVALUEに込めた思い、制作の意図

1. MVVをリニューアルした経緯

2020年の9月にMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)をリニューアルし、IDENTITYとVALUEの2つにまとめ直しました。

最初のMVVは1期目の終わり頃の、2019年の1月末に実施した合宿で策定しました。

その時は、何か課題感やこのタイミングでMVVを策定する考えられた意図があったわけではなく合宿で扱うテーマとしてMVVの策定が良さそうというくらいの理由でした。

合宿で決めた際には、みんなで意見を出し合って良いMVVができたように思っていましたが、2期目の秋ごろから

 ・ミッションと会社のやっていることがズレている
 ・どこを目指しているかが分からない
 ・VALUEの数が多くて覚えられない

といった意見が出てくるようになりました。それに伴い組織の力が分散している状態になって行き、改めてMVVを見直す必要があると感じたためリニューアルに踏み切ったというのが経緯です。

リニューアル前のミッションとバリュー

ミッション
「私たちは、次世代のエンターテイメントインフラをつくっていく会社です。」
バリュー

WE ARE MOGURA
WILL すべての行動に意志を持て
MODESTY 謙虚さを忘れずに
OPEN MIND 素直な心で
GLOBAL 世界に打って出よう
USER’S ユーザー目線で
REALIZE アイディアを実現しよう
ACHIEVEMENT 成果主義

※先頭の文字を読むと W MOGURA となり、覚えやすいように工夫してあります

2. なぜ最初に定めたMVVがうまく機能しなかったのか

これが全てではないかもしれませんが

・言葉の選定が解釈の違いを生んでしまった
エンターテイメントインフラの「インフラ」という言葉がITサービスを中心にして行くという内容だと誤認させる側面があった

・全員の意見を聴きながらつくったのは良いが、何となく角の取れた本気で乗っかりたいと思えるものにならなかった

・会社を設立してから1年も経たないタイミングで策定したため当時の会社の実態と乖離し過ぎてしまった

が主な原因だと考えています。今振り返ると策定するにあたって、MVVの意義や目的に関して深く考えられていなかったですし、この会社がどういう会社なのかであったり、本気で自分自身が共感して会社の軸にできるものになっているかを突き詰められていなかったと思います。

3. MVVの役割

MVVの役割に関しては他社の事例も調べながら

メンバーが自律的に業務における個々の対応方針を考えたり、事業全体が向かうべき方向を検討する上での拠り所になる

だという結論に至りました。創業期においては、創業者と社員の距離が近く、直接会社として大切にしたい考え方や目指す方向などを伝えることができますが、規模が拡大してくると全体に伝え切ることが難しくなってきます。

MOGURAは2期目の時点で20名ほどの組織に拡大しましたが、今後もさらに大きな組織に成長させていく上で、組織の拠り所となるMVVをしっかりと定めることが重要だと考えました。

それぞれの今在籍しているメンバーそして、新しく入社してくるメンバーが目指す方向や行動指針などに関する共通の認識を持ち、結束力のある組織になって行って欲しい、そんな思いでリニューアルに取り組みました。

また、MVVを策定することで会社がお客様や社会に対してどんな価値を提供するかが明確になるため会社が提供する商品・サービスをどう展開していくかが明確になり強みがさらに強化されていくことも意図しています。

4. なぜMVVではなく、IDENTITYとVALUEなのか

画像1

画像2

※ 社内掲示用のポスター

IDENTITY

「エンタメ・アイデアカンパニー」

私たちはアイデアの力を信じている
それは、逆境を乗り越える力だ。
それは、新たな価値をつくる力だ。
それは、発展や成長を加速させる力だ。

私たちは、ポジティブに世界を変えるアイデアの力で、
明日への活力となるエンターテイメントを届けて行く。

明日を発掘

VALUE

IDEA ORIENTED

アイデアを、発散しよう。
ひとつのアイデアに固執せず、まずは数にこだわって発散させよう。さらに、そこから得られる気づきや反応をもとに、アイデアを磨いていこう。

アイデアに、のっかろう。
仲間のアイデアに対して、素直にのっかり知恵を出そう。そして、各自の専門性をかけ合わせて、チームでアイデアを具現化させよう。

アイデアに、意志を持とう。
徹底的に、細部にこだわる。仮説と検証をくり返し、改善する。
アイデアに意志を持って日々の仕事に向き合い、クオリティを高めていこう。

これらがリニューアルしてできたIDENTITYとVALUEです。MVVの3つの構成にしなかった理由は、大きく二つあって、一つはミッションとビジョンの違いがわかりにくく、どちらも存在すると覚えにくいと思ったのでまとめて一つにしたいと考えたことと、もう一つはMOGURAの事業は何かの社会問題に根ざしてはじめたものではないため、社会に対してどのような使命を負っているかをミッションの形にまとめるのが難しかったことです。

こういった理由から会社のあり方を定義付けるIDENTITYと、IDENTITYに基づいて業務の中で大切にしたい行動指針としてVALUEを定めようとなりました。

5. IDENTITYとVALUEに込めた思い、制作の意図

IDENTITYとVALUEを見ると、「アイデア」という言葉を軸に作られていることが分かると思います。

今後取り組んで行きたい仕事について考えた時に、「アイデア」の力を起点にお客様がこれまで体験したことのないような新鮮でワクワクするような商品・サービスを提供したり、エッジの効いたオリジナリティの高い企画提案をして行きたいと考えました。

よって、会社の実態と今後向かいたい方向性を考えた時に「エンタメ・アイデアカンパニー」というIDENTITYが最もうまくまとめられていると感じたためこのIDENTITYを掲げて行こうと決めました。

IDENTITYに書かれている文章についても説明したいと思います。

私たちはアイデアの力を信じている
それは、逆境を乗り越える力だ。
それは、新たな価値をつくる力だ。
それは、発展や成長を加速させる力だ。
私たちは、ポジティブに世界を変えるアイデアの力で、
明日への活力となるエンターテイメントを届けて行く。
明日を発掘

前半の、私たちは〜加速させる力だ。までの部分は、アイデアについて具体的に説明する内容になっています。アイデアを「逆境を乗り越えるようなマイナスを解消する課題解決の力」「今までなかった価値を創造する力」そして「生み出したものをさらに発展、成長させて行く力」の3つの側面から捉えました。

後半の、私たちは〜エンターテイメントを届けて行く。の部分は、前半で書いた「アイデアの力をポジティブに世界を変える力である」と定義し、この力で明日への活力となるエンターテイメントを届けて行く。とまとめています。

私は、エンターテイメントの役割は日々生きていく上での活力を提供するものだと考えているため、MOGURAで提供する商品やサービスが社会にとってどのような価値があるかを考えた際に、このようなまとめ方がベストだという結論に至りました。

そして最後の明日を発掘というキャッチコピーには、上述した明日また頑張ろうと思える活力を提供したいという思いと、エンターテイメントの未来=明日を切り拓くような取り組みをして行きたいという思いが込められています。

次にVALUEについて書いて行きたいと思います。

IDEA ORIENTED

アイデアを、発散しよう。
ひとつのアイデアに固執せず、まずは数にこだわって発散させよう。さらに、そこから得られる気づきや反応をもとに、アイデアを磨いていこう。

アイデアに、のっかろう。
仲間のアイデアに対して、素直にのっかり知恵を出そう。そして、各自の専門性をかけ合わせて、チームでアイデアを具現化させよう。

アイデアに、意志を持とう。
徹底的に、細部にこだわる。仮説と検証をくり返し、改善する。
アイデアに意志を持って日々の仕事に向き合い、クオリティを高めていこう。

まず冒頭のIDEA ORIENTEDという言葉ですが、ORIENTEDという言葉を検索すると〜指向の、〜を重視するといった意味であると出てきます。VALUEでは、IDEA ORIENTEDな状態でいるための3つの行動指針についてまとめています。

一つ目のアイデアを、発散しよう。はわかりやすいと思います。まずはアイデアを出さないとはじまりません。どんな些細なアイデアでもいいし、いきなり正解に繋がるようなアイデアじゃなくても良い、とにかく数を出すことを習慣にすることで次第にアイデア体質になって行きます。

会議で積極的にアイデアを出すように心がけたり、普段からアイデアノートに思いついたことを書き留めるようにしたり、一緒に働く仲間を交えてブレスト会を開いてみたりすることでより多くのアイデアを発散できるようになると思います。

二つ目のアイデアに、のっかろう。は会社組織というチームで取り組んでいるからこそ大事な考え方です。単体で見れば特に光るところがなさそうなアイデアも誰かがそのアイデアに追加のアイデアを重ねたり、一捻り加えたりすることによって突然素晴らしいアイデアに変わることがあります。

先入観で良いと思えないアイデアも実行に移してみたら大成功するかもしれません。まずは否定せずにのっかることが重要。のっかった後は仲間の力を借りて、または仲間に力を貸して、出たアイデアを実現に向けて発展させて行きましょう。

誰かのアイデアを聞いたらどんなアイデアでも「いいね!」だったり「なるほど!」と肯定的なリアクションをしてアイデアが広がっていくようなコミュニケーションを心掛けてみるといいと思っています。

三つ目の、アイデアに、意志を持とう。これはアイデアを実現する際に大切にしたい考え方です。アイデアを実現する際には、実現されたものの最高の仕上がりをイメージしながら、細部に意志を持ってつくり上げて行きたいと考えています。

意志を込めるということは仮説を持つということだと思います。仮説を持って取り組んだ分だけ、検証結果が得られ次に繋がる糧にすることができ、常に意志を持ってこだわって取り組んで行けば必ず自分自身も社会も認める最高のものがつくり出せます。

意志が持てているかどうかは、一つ一つの仕事に対して「どうしてそうしたのか」を説明できるかどうかを考えると良いと思っています。

IDEA ORIENTEDな状態でいることは、単に企画を出したり、それを形にするような業務遂行においてのみならず、ポジションに関わらず常に前向きにかつ、創造的に仕事に取り組めるようになる姿勢でいられることにつながります。

プライベートでも仕事でも、生きて行く中で困難な状況、上手くいかない状況は必ず訪れます。そんな中で途方にくれてしまって、自分を責め続けてしまうような考え方を仮にしてしまったとしたら気分はどんどん落ち込むばかりで打開策も見えず、事態はさらに深刻化して行くことになってしまうかもしれません。

アイデアがある人は、困難な状況でも常に打開策が見えています。それが上手く行くアイデアかどうかもわからないですが、とにかくたくさんのアイデアがあります。アイデアが出ているという状態自体が既にポジティブな状態だと考えます。

正直、私自身自分のアイデアや判断に過度に自信を持っていて他人のアイデアに否定的な姿勢が強い時期がありました。しかし、前職の時に他の人のアイデアに乗っかってみて、自分だけでは思いつかないような成果につながる経験をしたり、大変な状況においても組織全体がアイデアを出して、のっかって、実現するスタンスで常にポジティブに乗り越えていく様子を見て自分自身の姿勢が変わって行きました。

MOGURAのVALUE「IDEA ORIENTED」はアイデアでいっぱいな状態になり、それを仲間と仕事に取り組んでいくための重要な考え方がまとめられています。アイデアでいっぱいで、仲間と意志を持って実現して行く力があれば、どんな困難な状況でも前向きにポジティブに状況を改善して未来に向かって行くことができると信じています。

会社全体がIDEA ORIENTEDな状態になり、良い組織カルチャーを醸成して行けるように、取り組んで行きたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?