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共産党抜きの野党共闘

◉昨年の衆議院選挙、野党共闘の大失敗によって、二つの事が判明しました。ひとつは、ジェンダー平等を掲げる和製フェミニストたちが、思った以上に票を持っていないということ。もうひとつは、共産党が思った以上に、一般大衆から警戒されているということ。そこがハッキリした結果、野党は共産党外しと日本維新の会への接近と言う、実に生々しい政治力学が活動し始めてるようです。

【共産除き野党国対 維新参加で枠組み変化】時事通信社

 立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、旧民進党系の無所属議員による衆院会派「有志の会」の国対委員長代理らが14日、衆院議員会館で会談した。共産党が外され維新が加わったのが枠組みの大きな変化で、今国会中は定例化するという。共産は反発しており、参院選に向けた立民、共産両党の関係に影響する可能性もある。

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

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■中道左派に見放されるリベラル■

猿は木から落ちても猿ですが、議員は落ちるとただの人になりますから、当然ですね。理念を掲げても、落選してしまっては政策が実現できない。山田太郎議員や細野豪志議員、そして今回の参議院選挙出馬を宣言された赤松健先生。本来ならばリベラルな立ち位置のこれらの人たちが、保守系の政党であるはずの自由民主党に入ってしまう。左派の人達はその点を批判するよりも前に、まず自分自身を省みたほうがいいでしょう。

本多平直議員という、立憲民主党にしては珍しい政策通で是々非々の議論ができる人物が、性交同意年齢の引き上げ問題に対する内輪の会での持論のたとえ話を、保守系の産経新聞にリークされるという形で、オープンな議論もないままに辞任に追い込まれる。福山哲郎前幹事長が党内に引き入れたとされる、フェミニズム界隈の暗躍を疑わせます。そして吹き出したCLP問題にブルージャパン疑惑。そんな政党から推薦を受けたいですか?

日本の左派には、自分達は正義である、無謬であると言う幼児的な信念を持っている人が多く見受けられます。「正義は暴走しても正義」などという言葉に代表される、独善性にまったく無自覚です。だから、野党共闘で力を結集すれば、与党に勝てると思い込んでいただけです。実際はNHKや朝日新聞、テレビ朝日経営のANNなどの事前アンケートで、自民党支持はほとんど揺らいでいなかったのに……。

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■上級国民による政治道楽■

野党共闘を主導したであろう、山口二郎法政大学教授などは、本気で勝てるつもりだったようです。開票速報が始まった段階ですら、このままでは野党は微だなどと、目の前に数字を突きつけられてもまだバイアスがかかった発言を繰り返し。微増どころか野党共闘の大失敗が明らかになった途端、Twitterの更新がストップ。そのまままる一日以上失踪。現実を見せつけられた中学生のような、反応をさらしてしまいました。

国民にとっては日々の生活が第一であり、経済問題が第一。老後の年金などや社会保障、コロナ対策はもちろんのこと、子育て世代は教育にまつわる諸々が、最優先です。白村江の戦い以来の外交音痴の国・日本では、外交が票にはならないと昔から言われていますが。それでも、28%がその重要性に気づいています。しかしその票にならない外交の、さらに半分ほどの15%にしか、反原発はなりません。

ジェンダー平等や多様性に至っては、わずか3%。マスコミが散々煽って、ジェンダーが争点になったなったなったと騒いでも、国民の関心はこの程度です。当たり前です、経済で人は死にます。年金がうまく運用されなければ老人が死にます。子育て世代の支援が不十分なら、未来の日本が死にます。夫婦別姓で、人が死にますか?  ゼロではないでしょうけれど、それは自殺や交通事故死よりもはるかに少ないですよね?

■ネット右翼は普通の日本人?■

そして、思った以上に嫌われている共産党。Twitterなどで共産党の批判をしようものなら、ネトウヨ連呼する思考停止軍団が出現します。残念ながら、共産党を批判してるのは右翼などではなく。普通の日本人です。と言うか、和製フェミニスト界隈や反原発界隈、カウンター界隈、LGBT界隈などは完全に、思い違いをしていますが。彼らが表現の自由戦士と揶揄する人たちは、基本的に中道左派です。

自分たちこそは中立的でバランスのとれた意見を言ってるだけの中道左派だと思っているかもしれませんが。表現規制を推進するような人たちが、中道左派のはずがないでしょうに。自分たちの立ち位置は極左になってしまっており、場合によってはバラモン左翼と批判されるような、左派ですらないような鵺的言動を繰り返しているという自覚が、著しく欠如しています。

韓国の理不尽な嫌がらせに怒ったり、公金や福祉に係るリベラル勢を嫌ってるのは、中道左派から中道右派を含む分厚い中間層、つまり普通の日本人です。大学教授や准教授、弁護士、新聞記者、あるいは実家が太いなどの上級国民と、大衆が乖離してる。菅直人元総理大臣が「維新の支持者は低所得層」などと発言してしまうのも、野党がバラモン左翼化している動かぬ証拠。現実には維新の会の支持層は、中の上のクラス。

■野党の裏で暗躍する某財団?■

この共産党外しの動きに、共産党の小池書記局長は不快感をあらわにしています。共産党はこういう野党共闘的な動きがあると、必ず恩を売る方向に動きます。その結果、日本社会党が野党第一党の座から転がり落ち消滅寸前の泡沫政党に落ちぶれても、共産党が未だに一定の存在感を持っている訳でもあります。結果的に恩を売った相手から、地盤やら支持者を削り取っていくのが共産党の手法。恩を返さないまま放置されてはたまらんでしょう。

そういえば、今回の一連の動きに対して馬の眼先生がこんな連続ツイートをされていました。某財団と名前をごまかしていますが、過剰に評価してるような気もします。ある意味で児玉誉士夫以上に裏社会で力を持っていた某財団の創設者ですが、その影響力は読売新聞グループや全日本空手道連盟(全空連)など、限定的ですし。この国は、右翼や国際主義者はステージの中央にはいけない面もありますしね。

某財団の創設者の一族も、次男は政界を引退し、三男は今年83歳。孫も国会議員ですが、そこまでの存在感はなく。もちろん、裏で大きな力を発揮してるので、表向きはおとなしくしている可能性は否定しませんが。バラモン左翼ならぬ、右翼的な動きが某財団を中心に起きているとしたら、それはそれで興味深いのですが。五・一五事件や二・二六事件を起こした青年将校たちも、岸信介も、国家社会主義者という意味では間違いなく左翼だったのですから。

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