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ネット炎上は対応した企業が負け組?

◉昔の2ちゃんねるで、「荒らしに反応する人も荒らし」って言葉がありましたね。ネットの炎上に対応した会社は、その後に株価が下がってしまった、という研究が出たようです。もちろん株価が下がった企業は、対応せざるを得ないほどの大炎上だったかもしれない、という側面はあったでしょうから、鵜呑みにする気はないですが。それでも、興味深い話ですね。

【「ネット炎上が株式市場に与える影響」に関する研究論文によると、「炎上に対応した企業のほうがしなかった企業より株価が大きく下落した」という身も蓋もない結論だった】Togetter

論文の要旨には以下のように書いてあります。

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本研究は、2009年から2018年までの日本の上場企業を対象に、154件のネット炎上事例について、対象企業の株価反応を分析した。

分析の結果、ネット炎上によって株価が大きく下落し、短期的にその効果が消滅するかどうかは、ネット炎上を起こした企業の対応によって異なることがわかった。

154件の炎上のうち、80件は企業が対応をしなかった。残りは、謝罪をする、コメントを削除する、反論する、などの対応を行った。対象企業の株価は、対応をした方がしない場合に比べて、大きく下落した。

https://togetter.com/li/2444774

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ATSUGIの公式サイトのスクショです。他意はありません。


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■自然炎上と人造炎上と■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。炎上というのは、自然発生的なものもありますし、政治的なイデオロギーで放火的なものもあります。ラッパーの呂布カルマ氏による炎上とか、自然発生的なものでしたね。でも一見すると、自然発生的に見えた炎上が、実は仕掛けられたものである可能性が、度々指摘されています。じっさい、初期の頃はともかく、近年は「またいつもの人たちが騒いでいる……」という事案が多く、集団的な関与の有無はともかく、辟易することも多いです。温泉むすめ騒動や宇崎ちゃん騒動、月曜日のたわわ騒動など、そんな感じでした。

「ネット炎上が株式市場に与える影響」に関する研究論文によると、「炎上に対応した企業のほうがしなかった企業より株価が大きく下落した」という身も蓋もない結論だった

https://x.com/skd7/status/1842335184232042826

実際問題、イーロン・マスクによるTwitter買収があった2022年10月以降、炎上の在り方が変わってきましたね。そもそも、ハッシュタグ祭りがトレンドに上がってくることが、ほとんどなくなりました。キュレーションチームが解体され、前社長が事実上の追放をされて、Twitterは一気に変わりました。おそらくはシャドウバンされていた自分のアカウントは、2年弱で5000人以上フォロワーが増え、noteのフォロワーも倍増しました。そして、ハフポスト日本版やBuzzFeedのポストがトレンドに上がることはなくなり、朝日新聞グループ系の公式アカウントは、軒並みインプレッションも良い子の数も、激減しましたから。自分は、人造的な炎上がかなり含まれていたと思います。個人の感想です。

■争気ある者とは与に弁ずるなかれ■

さらに、こんなまとめも見かけました。佐々木俊尚氏が紹介されていたんですが、古代中国の思想家・荀子の「争気ある者とは与に弁ずるなかれ」という言葉が、現在でも正鵠であるという指摘が。荀子は、儒学者ですが誰のもとで学んだかは不明。孟子の性善説と荀子の性悪説は、儒教の大きな論点にもなりましたが、いちおう孟子の性善説が正統派と、みなされています。が、道教の荘子の、その逆説的な論の数々が独自の魅力を放つように、荀子の性悪説は、人間を放置すれば悪に走る存在であり、生涯を通じて研鑽することで、悪の道に染まらないようにしようという、かなり禁欲的案側面もある思想です。学ぶ部分は大きいです。

【Twitterを10年以上やってわかったことは「ケンカ腰で絡んでくる人」は早々にブロックでいい→中国で2300年前に通過した真理だった】Togetter

https://togetter.com/li/2444978

問うこと楛(こ)なる者には、告ぐること勿(な)かれ、告ぐること楛なる者には、問うこと勿かれ。說くこと楛なる者には、聽く勿かれ、爭氣有る者は、與(とも)に辯(べん)ずること勿かれ。
――荀子勧学篇の言葉ですが、楛とは粗末なさま、荒いさまの意味。自分なりに意訳するなら。「質問するふりをして揚げ足を取ろうとする人間には、答えてはならない。答えがひねくれている人間には、質問してはいけない。説明が粗雑な人間の話は、聞いてはいけない。喧嘩腰の相手とは、論じ合ってはならない。確かに、現代でも通用する部分が、多々ありますね。

■糞土の牆は杇るべからず■

自分も昔は、ブロックせず説得しようとしたのですが……無理でしたね。話を聞かない人は、論破されても論破されたことがわかっておらず。しかも、次々と論点をそらすし、そもそも虚言癖が多いでした。自動車メーカーのMAZDAから翻訳の仕事をもらってるとか、脚本家だとか。論語公冶長篇の孔子の言葉「朽木は雕るべからず。糞土の牆は杇るべからず、予において何ぞ誅めん。」の言葉もまた、正鵠でした。別に自分が完全無欠だなんて一言も言いませんし、むしろ間違いが多い人間だと思います。でも、いきなり喧嘩腰や冷笑で、マウントを取ろうとする人間は、部分的には拝聴すべき意見があっても、基本的に相手にするだけ無駄ですね。代わりはいくらでもいますから。

居酒屋で酔ってテレビに文句言ってる人と最近は思うようにしています。/Twitterを10年以上やってわかったことは「ケンカ腰で絡んでくる人」は早々にブロックでいい→中国で2300年前に通過した真理だった

https://x.com/sasakitoshinao/status/1843064194733662713

まともな人は、タメ口や見下した言葉遣いで話しかけることはなく、たとえ自分に自信があるジャンルでも、「自分も浅学で間違ってるかもしれませんが・別の意見ですが・既にご存知かもしれませんが」と、言葉を選んで、慎重ですから。そして、可能ならソースを付けて発言する。イーロン・マスクによるTwitter買収後、最高の施策はコミュニティノート機能の実装なのですが。これって、きちんと情報ソースの添付が必要で、言葉遣いも中立性が求められるようで。けっきょく、そういう形で一方的な言説は、コミュニティノートという新しい議論のシステムによって、淘汰されていくのでしょう。
万機公論に決すべし


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