ロシアが中国に軍備支援要請
◉中国としては、ロシアがもし今回の件で瓦解したり、国際的な発言力がなくなったら、次のアメリカのターゲットは自分になるとわかっていますからね。国際連合だって、中ロの常任理事国2つであれこれと拒否権を発動してきたわけですから、それが中国一国になったらまずいですし。またロシアがウクライナ侵攻の賭けに勝っても負けても、中国としてはロシアに恩を売っておくに越したことはないですから。ここまでは想定内ではないでしょうか?
【露が中国に装備品支援要請 米警戒、中国を牽制】産経新聞
【ワシントン=大内清】ロシアのプーチン政権がウクライナに侵攻後、中国に対して軍装備品などの支援を要請しているとみられることが13日、明らかになった。米欧主要メディアが米政府当局者の話として伝えた。バイデン米政権のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は14日、中国外交担当トップの楊潔篪(よう・けつち)共産党政治局員とローマで会談しウクライナ情勢などを協議。プーチン政権の戦争継続に協力しないよう牽制(けんせい)するものとみられる。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、戦車の写真にしようかと思いましたが、止めてイラストにしました。
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■ロシア軍は3週間が限度?■
そもそもロシアには、電撃戦を仕掛けても3週間ぐらいしか軍備が持たない、という指摘がすでにありました。それも、ロシア内部から。露によるウクライナ侵攻が2月24日からでしたから、3月16日でちょうど3週間になります。そろそろ、限界に達してる可能性。そうでなくても、首都キエフ制圧には、程遠い状態。伸びた兵站を分断されて、戦車が次々と鹵獲されていますから、兵士の士気も低く、かなり行き詰まって入るなぁ……と素人目には思いますね。
そして、ウクライナ側はゼレンスキー大統領側近が、3年前の時点で2021~22年までにロシアの軍事侵攻があると、予想していますからね。それに備えて、ある程度の用意と訓練はしていた可能性。結果、思った以上の前線で、すでにロシア軍による電撃作戦の失敗は、明らかでしょう。ここから、中国軍から軍装備品を支給してもらったとしても、兵士の士気とかは上がりませんしね。そのうちに、中国の義勇軍の参加とか、あるのか?
■降伏は平和への道ではない■
さてさて。テレビやSNSでは橋下徹氏やテリー伊藤氏が、ウクライナは降伏すべき論を盛んに言い募っています。テリー伊藤CIAテレビ局側の言いたいことを代弁する癖があるので、本人がどこまでそれを信じておイルカはわかりません。プロデューサーであったテリー伊藤氏は、徹底的に大衆迎合的ではありますが、こういう部分ではテレビ側の意向とかも汲みますしね。
【「ウクライナ勝てませんよ」「無駄死にしてほしくない」 テリー伊藤がウクライナ人に発言...口論に】J-CASTニュース
2022年3月14日に放送されたラジオ番組「垣花正 あなたとハッピー!」(ニッポン放送)で、ロシア軍のウクライナ侵攻に関して、テレビプロデューサーでタレントのテリー伊藤さんとウクライナ人のオクサーナ・ピスクノーワさんが口論する形になる場面があった。
(中略)
テリーさんは、
「聞きたいんですけども、もちろん祖国のため、世界のためってお話ししてくれたんですけど、命ということがありますよね。状況としては、ウクライナに厳しいと思うんです私。このまま行くと、プーチンのことですから、さらに攻撃をするってことは民間人の死者がどんどん増えていくってことが現実になっていく時、私はそれは一番いけないことだと思うんですよね。(命を落とすことをいとわないという考え方は)避けたい」
と憤った。
憲法9条教のダメっぷりが可視化され、盾どころか足枷にもならない空理空論だと、ロシアがウクライナ侵攻で証明してしまいましたから。そこを捨てきれない大手マスコミの上層部───役員クラスが、必死で平和平和と言わせてるのでしょうけれど。こういう人は、身近に満州帰りやシベリア抑留で亡くなった方や、命からがら帰ってきた方がいなかったのか? ちばてつや先生や自分の小学校の恩師とか、今も存命なので、そんなことはないのに。いてもその証言を聞く気も聞く耳もなかったのか?
■シベリア抑留とソ連の非道■
シベリア抑留された日本人兵は約57万5000人もおり、その中で帰国できたのは47万3000人と、最低でも5−10万人以上が亡くなっています。東京大空襲の死者数を思えば、規模がわかります。戦前の東京都は人口700万人を超えていて、それを焼け野原にされるような大空襲を受けて、死者は11万5000人以上、負傷者は15万人以上、損害家屋は約85万戸以上、爆撃被災者は約310万人です。国際法違反のシベリア抑留がいかにメチャクチャか、わかろうものでしょう。
また、ソ連がポーランド侵攻以降獲得した各国人捕虜は389万9397人、1948年末までに56万9115人が死亡、54万2576人が未帰還のまま抑留されていました。なんのことはない、日本以外にも弱いと見たら平気でこういうことをやれてしまう国なわけです。ウクライナはホロドモール───1932年から1933年にかけて飢餓輸出で起きた飢饉で、330万人から1450万人ともされる餓死者・犠牲者を出しています。テリー伊藤氏がいかに歴史を知らず、薄っぺらいことを言ってるか、わかろうものです。
日本の国粋主義者は、戦後の米軍の占領政策がいかにひどかったか、言い募ります。確かに、殺人事件もあったし、強姦事件は日常茶飯事。人気落語家だった三遊亭歌笑だって、夕暮れの銀座松坂屋前の路上横断中に米軍のジープに轢かれて事故死し、しかもその件はウヤムヤにされました。しかしそれでも、アメリカの占領政策はまともだったのは、論をまたないでしょう。そして、もしソ連に占領されてたら、何百万人の日本人が餓死に追いやられたか、わかろうものです。
■憲法九条教と日本共産党と■
敗戦によって、戦前に弾圧されていただけで共産党は一躍、手の平を返したマスコミに、持ち上げられました。でもそれは、共産主義思想が正しかったわけでもなく。戦争と平和については、現実的に論じられるべきだったのに、マスコミと教育界──日教組とアカデミズムによって封じられ、憲法九条教のお花畑な平和論が幅を利かしていたわけで。というか、共産党の野坂参三が、昭和21年8月24日衆議院本会議で、こんな〝憲法九条への正論〟を言っています。長いですが、引用しておきます。
・しかし現在の日本にとってこれは一個の空文に過ぎない。政治的に経済的にほとんど無力に近い日本が、国際平和のために何がいったいできようか。
このような日本を世界のどこの国が相手にするであろうか。われわれはこのような平和主義の空文を弄する代わりに、今日の日本にとってふさわしい、また実質的な態度をとるべきであると考える。
・要するに当憲法第2章は、我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある。それゆえに我が党は民族独立のためにこの憲法に反対しなければならない。
・これは羊頭狗肉の憲法である。財産権を擁護して、勤労人民の権利を徹底的に保障しない憲法である。わが民族の独立を保障しない憲法である。天皇の特権である参議院の存在は、明らかに官僚や保守反動勢力の要塞となると共に、わざわいを将来にのこす憲法である。
・当憲法が可決されたのちにおいても、将来当憲法の修正について努力するの権利を保留して、私の反対演説を終わる次第であります。
いかがでしょう? この頃の共産党のほうが、よほどマシです。足枷論をぶち上げて失笑を買った志位委員長のほうが、よほど後退しているのがわかります。しかし共産党はどんどんお花畑平和論ににじり寄り、「憲法九条で国が守れるか」と正論を吐いたら、戦争が大好きな殺人狂ぐらいの勢いでマスコミや日教組や文化人に罵倒されたわけです。そうやって、議論を封じてきたそのツケが、今ごろ噴出してるのです。福島瑞穂的思考停止・偽善に付き合っていては、国が滅びかねない。
■中露の思惑と今後の展開と■
さて、本題に戻して。このまま、中国とロシアはどう動くか? 自分は専門家ではないので、プーチン大統領がある程度のところで撤退し、ウクライナ東部の独立を承認し、ロシアに組み入れる形で終わるのか? それとも維持になって攻撃を続け、1ヶ月とか3ヶ月と長期戦になり、泥沼の戦いになるのか? そこはわかりません。中国がこのままロシアと二人三脚を続けるのか、それともあるところで見放す、それどころか裏切る可能性も、選択肢にあるでしょうね。
中露は国境問題を抱えていますし、沿海州とか取り戻したい領土もある。極端な話、習近平主席が台湾に固執するのは、自分のカリスマ性アップに必要だから。台湾は中華民国で、明王朝にとっての北元、つまり前の王朝が完全に消えていない状況ですから。しかし、台湾有事にはアメリカが黙っていない。しかし、もし戦争が長引いてロシア軍が疲弊したタイミングで、中露国境や渤海~清朝の版図であった沿海州に攻め込んで領土を奪回したら、それだけでカリスマ性は爆上がりでしょう。
習近平主席には、建国の父毛沢東・中国躍進の鄧小平に並ぶ偉業がほしいわけです。そうなった時、奪われていた(ということになっている)領土を取り戻したとなると、これは鄧小平の香港返還の事業より、大きな事。香港返還ははっきり言えば借地権切れの平和裏なものですし、鄧小平はそれに立ち会えませんでした。しかし、これはチベットを版図に組み入れたことよりも、大偉業として喧伝されるでしょう。なので自分は、この戦争が長引くのを期待している面も、中国にはあると思っていますよ?
素人の妄想ですが、推移を見守りましょう。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ