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朝日新聞のお気持ち垂れ流し記事

◉ひょっとしたら有料部分に何か、有用なデータやエビデンスがあるのかもしれませんが……。少なくとも無料部分を読む限りは、流通科学大学の村上友章准教授の主観、お気持ちしか書いてありません。もう、朝日新聞がすがる識者というのは、このレベルしかいないのではないかと。これ、典型的な二次災害を後押しする思想で、とても危険です。朝日新聞が社会の木鐸と自認するなら、こういう情緒的な意見をこそ、たしなめる側に回らないといけないのですが。これはもう、マスコミュニケーションの大手かつ老舗として、末期的な状況を示していますね。

【「不利な条件、言い訳に過ぎない」 能登の自衛隊派遣、大胆な検証を】朝日新聞

交論 自衛隊の災害派遣
 能登半島地震では、自衛隊の災害派遣の初動をめぐり「逐次投入」と批判も出ました。今回の動きをどう評価し、今後の災害派遣のあり方や課題をどう考えるのか。自衛隊災害派遣の歴史にくわしい、流通科学大学准教授の村上友章さんに聞きました。
(中略)
――地理的な条件などで難しさがありました。
 「それは理解します。陸路が寸断される中、海路・空路で創意工夫しながら活動してきました。ただ、そうした活動を評価する声に埋没しがちな、犠牲者や被災者の声を忘れないでほしい。『一刻も早く救助に駆けつけて欲しかった』と考える人たちからすれば、不利な条件だったというのは言い訳に過ぎません」

https://www.asahi.com/articles/ASS2951NQS29PIHB00F.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、

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■意固地になる朝日新聞■

朝日新聞としては、自衛隊の初動が遅かったということに、意地でもしたい。現実には、そんなことはないのは、繰り返し指摘されています。なので、朝日新聞の意見を肯定してくれる学者を探して、なんとか見つけ出してきたのでしょうけれど。流通科学大学、どこかで聞いたなと思ったら、ダイエーの中内功氏が作った大学ですね。神戸市にあり、偏差値は37.5〜40.0と。大炎上した『「エビデンス」がないと駄目ですか? 数値がすくい取れない真理とは』って記事で、村上靖彦大阪大学教授を起用したパターンと、まったく同じですね。

「初動をどう評価し、分析していくかが重要です」とか、他人事のようなことをいう教授ではなく、自分の分析ではこれができたはずエビデンスはこの事例で数値化するとこうなる、といえる研究者を、探してきませんか? 朝日新聞としては、振り上げた拳が下ろせなくなって、意固地になっているのでしょう。でもそれって戦争が辞めるに辞められなくなって、遂行することが自己目的になってしまい、昭和天皇の終戦の御聖断が出るまで、ずるずると戦争遂行してしまった大本営と、いったい何が違うんでしょうか? 「過ちては改むるに憚ること勿れ」は論語学而篇の言葉。

X(旧Twitter)での朝日新聞公式アカウントによるこの記事のポストは、205万閲覧で260イイネ。イイネ率は0.012%と、大炎上。自衛隊災害派遣の歴史にくわしいとか、災害対策のプロでも自衛隊のオペレーションの専門家でもなく、こういう書き方をするのは、東京新聞の〝原発建設反対運動の中心的存在だった地元の僧侶〟やら〝環境経済研究所代表〟なる肩書の方に、お気持ちを語らせる記事と同じですね。もう全国紙の朝日新聞も、ブロック紙の東京新聞並みの記事を書いてるんですから、早晩ブロック紙への転落は、避けられないでしょう。

■ヒューマニズムの欠如■

昔、愛媛の水産高校の練習船が、ハワイで潜水艦に衝突され、9人がなくなるという痛ましい事故が起きましたが。あのとき、一定時間が経過して生存可能性がなくなったと判断し、捜査を打ち切ったアメリカ軍側に対して、被害者の家族がもっと探してほしいと涙の訴えをしたのですが。逆にアメリカ軍が怒り出す自体に。日本だったら、マスコミがそれに同調して、誠意を尽くせ・事故を起こした側の責任を果たせと、詰め寄ったでしょう。もし自衛隊だったら、不眠不休で捜査を継続したでしょう。でも、それこそお気持ち至上主義。

かつて、上岡龍太郎さんが日本のメディを評して、「日本のメディアにはヒューマニズムがない。人間愛がない。なのに妙なセンチメンタリズムだけがあり、悲惨さを楽しもうとする」と喝破されましたが。「海の底で子どもたちはさぞや冷たかろう、なんとか探してほしい」というのはセンチメンタリズム。無理に捜査を続ければ、二次災害が起きてしまうので、これ以上は無意味というのがヒューマニズムです。さらに犠牲者を増やしてどうなるということです。その視点で行けば、流通科学大学の村上友章准教授が無料部分で言ってるのはセンチメンタリズムに過ぎません。

ヒューマニズムとは人間中心主義、善や真理の根拠を神でなく、理性的な人間の知性の中に見出そうとする、人間を大事にする思想です。でも日本ではそうではない。この、死者に申し訳ないというのは、ハッキリ言えば、日本人の怨霊信仰の別の形ですね。「血で贖った満蒙の利権を、むざむざと手放しては、死んでいった英霊に申し訳ない」って、あれと同じです。平安時代、長屋王を死に追い込んだ藤原四兄弟が次々と病死し、菅原道真を失脚させたら死後に清涼殿に落雷があり女官が死に、日本では強力な怨霊信仰が生まれ、今も続いています。

■マスゴミなのは事実?■

横溝正史の金田一耕助シリーズにも顕著に見える「死者が生者を走らせる」というモチーフも、まさにこれです。代表作『獄門島』では、死んだ鬼頭嘉右衛門翁の遺志が、生きている人間たちを動かし、陰惨な連続殺人事件が引き起こされます。そもそも、金田一耕助自身が、戦友の鬼頭千万太の遺言を伝えるために、獄門島に向かうのですから。『犬神家の一族』や『悪魔の手毬唄』や『八つ墓村』や『女王蜂』など、代表的な作品には、常にこのモチーフがありますね。金田一耕助は、ある意味で陰陽師であり、鎮魂師でもあります。

それは非科学的な信仰ですが、信仰だから逆に強固で、理屈では説得できない面があります。その結果、満州国建設のために死んだ兵士の数とは比べ物にならないほどの人間が亡くなったのですから、こういう情緒論には、気をつけるのが朝日新聞の立場のはず。言霊思想・穢れの思想・怨霊信仰、ここらへんの呪術的な発想の文化に、日本人はあまりに無自覚です。X(旧Twitter)では、こんな意見が炎上しています。1004万閲覧で1122イイネ、イイネ率は0.012%まごうことなき大炎上。マスコミの傲慢さを、可視化しますね。まぁ、匿名なので本当に記者なのかは、分かりませんが。

SNS上で唐突に「マスゴミ」と蔑まれ、気に病んでいる後輩記者から相談を受けました。

君は一体何を悩んでいるのだ…人の職業をゴミ呼ばわりする輩がまともなわけないでしょう。

そこに時間や労力を割くくらいならいい仕事をするために働きましょ

https://x.com/tokumai_kisha/status/1755559314293739907?s=20

かつて中日新聞の今井智文記者が「マスコミには失墜した信頼をうまいこと回復させる能力はありませんので、関係者する人たちが自分で信頼回復に取り組むしかありません」と放言し、大批判されましたが。そんな放火は出来るが消化はできないみたいな、無責任な立場なら、その発言権は制限されるべきですし。言論の自由故に制限できないなら、マスゴミと言われても仕方がないですね。それも言論の自由ですから。イチャモンで大臣の首を飛ばす能力さえあったのに、第四権力としての自覚がなさすぎます。

■デジタルで生き残るか■

朝日新聞は昨年9月に紙の部数357.3万+デジタル会員30.3万=合計387.6万と好適には発表しています。デジタル会員は2022年12月の時点で30.5万人と、横ばいというか微減です。今年の年末に、公称部数が300万部を割る危険性も。押し紙が2割なら実売240万部で250万部割れ、押し紙が3割なら実売210万部で200万部割れの危機。たぶん、意固地な朝日新聞は、公称100万部を割るまでは、全国紙の看板にこだわるでしょう。でもこのまま40万部ペースで落ちれば、4年で200万部割れ。7年で100万部割れ。どこで下げどめるか分かりませんが、自分は50万部とかではないかと思っています。

現実問題としてこのままでは、宅配制度が維持できませんから、ある時点から一気に減ると思います。団塊世代が鬼籍に入る前に、それは来るでしょう。批判だけしていてもしょうがないので、建設的な提案を。ニューヨークタイムスは、アメリカのクオリティペーパーですが。USAトゥデイの162万部、ウォール・ストリート・ジャーナルの101万部に次いで、第3位の48万部です。朝日新聞は本来、日米の人口比を考えれば、20万部ぐらいが妥当です。ところが昨年11月初頭に、デジタルだけの有料購読者数が941万人と、紙の読者の19.6倍。

3カ月間で約21万人も増加し、2027年末までに1500万人に拡大する強気の目標を掲げています。1年で2000人のデジタル読者が減った朝日新聞とは、雲泥の差です。つまり、買ってでも読みたい記事が朝日新聞にはない、ということですから。取材班を組み、ひとつのテーマで深く掘り下げて、数ヶ月や数年単位で調べた記事を出すなら、紙の読者20万人でもデジタル読者が400万人、みたいな状況が出来るはずです。それこそ、疑わしい一般社団法人やNPO法人の会計を、経理会計監査のプロたちと徹底的に洗う記事とか、需要があると思うんですけどね。

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