ウクライナがEU加盟へ
◉日本では朝日新聞や毎日新聞は、あまりこの件を力を入れて 報道していないように見えますが。ウクライナのEU加盟が正式に決定すれば、それはイコールでプーチン大統領の敗北を意味するのですが……。EU加盟のステップの先には確実に、ウクライナのNATO加盟が現実味を帯びてくるわけですから。アメリカが大手を振って参戦できる状況になるということです。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ウクライナをイメージしたイラストです。
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■衛星国の防御壁■
元々プーチン大統領が、強引にウクライナに侵攻した理由自体が、ウクライナのEU加盟やNATO加盟に対する、危機感があったからな訳で。スターリンのソビエト連邦 時代から顕著ですが、ロシア自体は衛星国を周辺に配置することで、西側と直接接触せずにワンクッションおきたいという思考が、そこに見えます。ロシア連邦にとって、本当の意味でのロシアは、かつてのモスクワ大公国の版図ですから。
ウクライナという国はよくも悪くも、ロシアの兄弟国家に近いポジションで、言語も文化もとても近い、東スラブ国のひとつですから。その国が東ヨーロッパの文化圏から離脱して、西ヨーロッパの文化圏に接近するというのは、かなりの恐怖感を持っているようで。ここら辺の感覚は、日本人にはちょっと理解しがたい部分は、確実にあるのですが。
中国と北朝鮮と韓国の関係が、近いかもしれませんね。中国から見たら、朝鮮半島は自分たちの文化圏の国のひとつであり、そこがまるごと 西側に組み込まれると非常に厄介。なので、北朝鮮という ワンクッションが必要という面があります。北朝鮮が解体されて韓国に吸収され、吉林省との国境付近に米軍基地ができたら、中国 としては恐怖以外の何物でもないでしょう。
■東欧と西欧の対立■
それと似たような状況が、東欧で起きつつあるので、プーチン大統領はウクライナに侵攻した面があります。戦争の目的自体が、ウクライナの領土を獲得することではなく、ウクライナが西欧に接近するなら容赦しないぞという、一種の牽制が目的なんですよね。大組織から離脱して別の組織に加入しようとしている下部組織への、引き締めと言っていいのかもしれませんが。
そういう意味では プーチン大統領のウクライナ侵攻は、政治的な目的を達成するどころか、かえって藪蛇になってしまった、ということです。東ヨーロッパのいくつかの国が、NATO加盟に軸足を移していますから。むしろ プーチン大統領の強引な軍事行動が、NATOに加盟して後ろ盾を持った方が良いという判断を、促してしまった可能性が。ただ、ハンガリーはやや抵抗していますね。
ルーマニアやブルガリア、ポーランドなどは、東欧の国でかつては ロシアの影響が大きかった国でもあります。でもそういう国がすでに、欧州連合に参加しており。ウクライナが続けば、他の反ロシアの国も雪崩を打つ可能性はありますし。そうなると、NATO加盟国であるハンガリーの緊張も高まる面はあるでしょう。ここら辺は政治的な駆け引きの部分もあります。
■日本の立ち位置■
どうなるかは不透明ですが。日本は、日米安保条約を締結しながら、北海道には米軍基地を置かないという、ある種の配慮を見せていたわけですが。ウクライナや旧ソビエト連邦の衛星国が続々とNATO入りするなら、日本もいよいよ米軍基地の北海道設置はあり得るでしょう。というか、今まで配慮しすぎてきましたから。
日本がもっと現実的な国家なら、北方領土周辺に海上自衛隊の艦艇を派遣して演習とか、ロシア連邦向けに揺さぶりをかけるでしょうね。それで、プーチン大統領は極東の兵力をウクライナに割きづらくなる。まぁ、それができないので、舐められているのですが。後世の史家は、ウクライナ侵攻は真珠湾攻撃に匹敵する悪手であったと、記すかもしれません。
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